MMA
レポート

【PANCRASE】ISAOがアキラに完勝、端貴代がライカに競り勝ち、菊入が中村との激闘制す

2020/07/24 06:07

▼セミファイナル 第7試合 フライ級 5分3R
×ライカ(RIGHT THING ACADEMY)2位・56.4kg
[判定0-3]※27-30×2, 28-29

○端 貴代(和術慧舟會 AKZA)3位・56.15kg

 フライ級のライカvs.端貴代は、もともと4月12日に予定されていたカード。

 ライカは、元女子プロボクシング世界王座三階級制覇者。2014年1月にボクシングを引退すると、2014年からキックボクシングとMMA(総合格闘技)に参戦。MMAでは現在10勝6敗1分。2016年11月から6連勝していたが、2017年7月のPANCRASEでロシアのクセニヤ・グーセヴァに判定負け。12月にはエジナ・トラキナスにスプリット判定勝利したものの、2019年4月にはブラジルのマイラ・カントゥアリアに腕十字で一本負けと白星と黒星を繰り返すことに。しかし、2019年7月にグレイシ・ファリアにリアネイキドチョークで一本勝ちすると、10月にはアニー・カロリネにスプリット判定勝ちと、ブラジル勢に2連勝している。

 対する端貴代は、女子格闘技のパイオニアの一人。2004年9月のMMAデビューから約15年半のキャリアで16勝8敗1分の戦績を誇る。SMACKGIRLミドル級とDEEP JEWELSバンタム級でベルトを獲得。米国Strikeforceで女子世界ウェルター級(-61kg)王座戦、Invicta FCフライ級王座戦(いずれも判定負け)に臨むなど、世界を舞台に活躍してきた。

 2018年2月からPANCRASEに参戦し、ブラジルのバーバラ・アシオリには一本勝ちも、4月大会でシッジ・ホッシャに判定負けでPANCRASE女子フライ級王座獲得ならず。9月の再起戦では、マイラ・カントゥアリアに判定負けを喫している。

 これまで、PANCRASEでは2016年7月の中井りん戦以外、海外勢と対戦してきたライカ(MMAでの対日本人は2017年2月の空手こまち戦以来)。端もPANCRASEでは3戦すべてが海外勢。対日本人は2014年5月DEEP JEWELSでの杉山しずか戦以来の試合となる。

 ボクシングのライカと組み技の端の構図だが、近年のライカはケージレスリングで戦う場面も多く、7月のファリア戦では左フックでダウンを奪った際にパウンドではなくチョークを極めている。また対する端も得意のグラップリングを活かすために、粘り強いジャブ&ローを武器としている。ライカは端の組みを切るためにもレスリング力が問われ、端もライカに決定打を許さない距離での戦いが求められる。カントゥアリアに一本負けしたライカと判定で敗れている端。格闘技界のベテラン対決は熾烈なサバイバルマッチとなる。

 42歳の端と45歳のライカ。若手を好む多くの団体では敬遠される円熟女子ファイター同士の対戦は、女子ストロー級暫定王者となった藤野恵美をはじめとする“ババアなめんな”路線で、積極的にベテランの実力者を起用してきたPANCRASEならではのマッチアップだ。

 公式プレスリリースでは、この試合に異例の「この試合をパンクラスでやれる事に誇りを持つ」とのコメントから、「2000年にデビューしたボクシングで頂上の景色を見て、一からMMAに転向して来たライカと、2000年初頭のジョシカク揺籃(ようらん)期から世間とも戦い、2度の頂点に立った端。別な世界ながら同じ様な環境で生きて来たかもしれない格闘技人生の、2人の答えがここにある」──と紹介されている。

 1R、ライカの右の打ち終わりに右で差して組んだ端。いったんは体を入れ替え、クリンチボクシングはライカも再び右で差してテイクダウンした端がバックテイクし、両足もかけてリアネイキドチョークを狙う。

 2R、右で差して小外を合わせてテイクダウンは端。金網使い立つライカだが、端は右で差して煽ってテイクダウン。クルスフィックスから鉄槌、アメリカーナ、リアネイキドチョークを狙う。

 3R、ワンツーの左フックをヒットさせ、それを起点にボディ打ちと入りを変えるライカ。しかし端も打撃で応戦し前蹴り、さらに低いダブルレッグテイクダウン。腰を逃がそうとするライカだが、端は抑え込み、バックを狙いブザー。判定は3-0(30-27×2, 29-28)で端が勝利。

 試合後、勝者は「気持ちが大事だと思いました。たくさんのお客さんに観てみらえるような環境で試合をしたいです」とコロナの収束を願った。またバックステージでは、「とにかく連敗もあったので勝てて良かったです。相手の連打もあったのですが、次第に自分の距離になり、自分も打撃を返せたのがよかったです。そこは気持ちの勝負でした。今後は誰が相手でも自分が出せる試合をしたいです。今はこんな状況ですが、今まで応援してくれた人に生で勝った姿を見せられるようにこれからも頑張ります」と力強く語った。

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