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【TTF】KIDさんの思いを胸に──『格闘代理戦争』出身スソンがプロMMAデビュー=本日19時から大会生配信

2020/06/27 04:06
【TTF】KIDさんの思いを胸に──『格闘代理戦争』出身スソンがプロMMAデビュー=本日19時から大会生配信

【写真提供】スソン/ABEMA

 2020年6月27日(土)19時から、「無観客大会」として「TTF CHALLENGE 08」が、チケットぴあの「PIA LIVE STREAM」にて有料生配信される。

 メインでは、大道塾から2017年の北斗旗全日本空道体力別選手権の最重量級(身体指数260以上)優勝の岩﨑大河がMMAに初挑戦することで話題となっているが、アンダーカードにも注目の選手が出場する。

 バンタム級で、ABEMA『格闘代理戦争』に山本“KID”徳郁推薦として出場したスソン(KRAZY BEE)がプロMMAデビュー。ITF系「世界Jrテコンドー選手権大会U18組手-63kg級ベスト8」の実績を持つスソンは、KRAZY BEE所属として、打撃を軸としたMMAでプロ初陣を飾れるか。

 試合を直前に控えたスソンに話しを聞くと、自身のバックボーンであるテコンドーのこと、KRAZY BEEとの出会い、『格闘代理戦争』のこと、師匠・山本“KID”徳郁への思いを、語ってくれた。

12年間テコンドーを続けながらも、総合格闘家になろうと決めてました

――『格闘代理戦争』で注目されたスソン選手ですが、9歳からテコンドーを始め、日本代表にもなっているそうですね。テコンドーは国際競技連盟としてITF(国際テコンドー連盟)とWTF(世界テコンドー連盟)の2つの系統があるかと思いますが、スソン選手はITF系出身であると。競技者から見て、ITFとWTFの違いをどのように感じていますか。

「ご存知の通り、WTFはオリンピックの競技で、手足だけでなく打撃がヒットしたかどうかを感知するセンサーが埋め込まれた胴プロテクター、ヘッドギア、そして電子ソックスを身に着けて試合に臨み、そのヒットのポイントで勝敗を決めます」

――電子ソックスと防具が触れると、蹴りの圧を基にセンサーが有効にヒットしたと感知した攻撃のみがポイントになると。

 ジャッジの正確性が向上した一方で、電子防具が導入される以前は、相手との距離を測る前蹴りのカットがクリーンヒットしても審判がポイントとして認めることはなかったそうですが、いまは態勢が崩れた蹴りでもポイントになると聞きました。特に頭部は、安全面から軽い蹴りでも有効打とされるようにセンサーが設定されているため、長身選手が軽い二段蹴りのようなダイナミックな技を多用する傾向にあるとも

「そうなんです。“一撃”とかではなくて、技の精度とかは関係なくポイント加算型です。一方、ITFは元々、松涛館空手から派生して作られたテコンドーに科学的なエッセンスを取り入れて、一撃必殺や技の精度を競うような競技になっている感じです。スポーツというより武道寄りというか」

――有効打、正確にしっかり当たっているかどうかが評価される?

「そうですね。しっかり当たっていないとポイントにもならないです」

――そのITF系のテコンドーで、スソン選手は世界Jrテコンドー選手権大会U18組手-63kg級ベスト8、第29回全日本テコンドー選手権大会、東日本予選会男子マッソギ64kg級優勝。日本代表としてアジア大会にも出場されているそうですね。

「アジアでは、団体戦の型(トゥル)で銀メダルでした。組手(マッソギ)は団体戦で出て、カザフスタンの選手とやって、そこでは1回戦で負けてしまいました」

――9歳から始めたテコンドーを12年間続けながら、そもそもMMA、総合格闘技にも興味はあったのですか。

「子どもの頃に総合を見て、総合格闘家になろうと決めてました。テレビでK-1やPRIDEを見ていて、KIDさんと魔裟斗さんの試合とか、バダ・ハリとかを見て、『俺もこれやりたい、強くなりたい』と。それで最初はボクシングをやろうと思ったんですけど、頭へのダメージなどを心配されて親から反対にあい、テコンドーならば、とOKが出たんです」

――テコンドーをやってきて良かったなと今でも感じることは?

「やっぱり技の精度とか身体の使い方です。そして一撃必殺に対する気持ち──ITFにもポイントはあるんですが、ライトコンタクト制で相手を倒すことに重きは置かれていないんです。でも自分はポイントよりは、もう一撃で倒すというほうに意識があったので」

――伝統派空手の試合に出ていたときの堀口恭司選手のようですね。自分の打撃の方が入っていたと思ったときに総合格闘技でやろうと考えたように

「そうですね。昔のゴン格さんで恭司さんの記事を読んでいた時に、“空手ベースのスタイルで総合でこんなに強い選手がいるんだ”“こんなにすごい人が育つ環境に自分を置きたいな”と思い、総合に転向しようと決め手になりました」

――山本“KID”徳郁さんや堀口恭司選手への憧れもあり、KRAZY BEEに入ったと。

「いろいろなジムを見たんです。KRAZY BEEは家から遠かったけど、ジムを1回観たら直感で『ここ、俺の好きなものがいっぱいある』と思って。ストレッチマシンがあって広いジムで、心地良い場所だなと感じました。20歳のときでした」

KIDさんは「いまは我慢だけど、絶対お前ならできるから』と言ってくれて……

――KRAZY BEEに入って、プロ選手たちと練習するようになったのはいつくらいからだったのですか?

「プロの人たちとは……最初からですね。テコンドーから転向して1、2カ月くらいでしたが、プロとアマチュアが合同で練習するときがあって、そこに最初から出ていました」

――テコンドーから転向してプロ選手とスパーリングをやった当初に感じたことは?

「初期の頃で言うと『格闘代理戦争』の撮影のときに、(田村)一聖さんに後ろ回し蹴りでダウンを取ったことがあったんですけど、でも、その次の週に一聖さんにボッコボコにされて(苦笑)。ビギナーズラックだと自分でも理解していたんですけど……そんなに甘くないなと。打撃だけだったら正直、そうとうな自信があったんです。誰とやってでもダウンを取れるくらいの。でもやっぱり総合の厳しさというのは、『格闘代理戦争』の撮影とかは関係なしに、最初の頃からずっと味わってましたね。ひたすらに寝かされて。レスリングと柔術の大切さをヒシヒシと感じていました」

――MMAではアマチュアの試合でも出ていますね。

「一番最初に出たのが、2017年のアマチュア修斗関東大会です。KRAZY BEEに入って2カ月くらいでした。1回戦はダウン取って、そこからバック取られて、チョークを極められそうになりながらも勝って。2回戦も、けっこう打撃で優位に立ったんですけど、どうしても首相撲の対処が出来てなくて負けちゃいました。アマ修には翌年も出たんですけど、1回戦でリングのロープ際の攻防でグラウンドとスタンドのコールのなか、相手がヒザを着いてる状態でこつこつパンチを入れてしまって。それで反則負けになりました」

――それは苦い経験ですね。2017年のAbemaTV(ABEMA)『格闘代理戦争』1stシーズンのときは、KIDさんの推薦選手という形で、最初はK-1ルールに挑戦しました。

「小学生の頃から、HEROS、DREAMに出ていたKIDさんの左ストレートとか、キコ・ロペスをKOした右フックとか、ステップの仕方とかひたすら真似していて。テコンドーをやりながら、家の中でずっとシャドーで真似してたりしていたんです。それに魔裟斗さんとの試合もあって。自分の中では、KIDさんと魔娑斗さんという二大スターが出ている番組ですから、光栄でした」

――『格闘代理戦争』の初回のK-1ルールのときは、K-1アマチュア全日本準優勝の中嶋志津麻選手と対戦しましたが、得意の出入りよりも打ち合いになって敗れたように感じました。

「K-1のルールではK-1のルールで評価される戦い方しか勝てないと思っていたので……KIDさんからはずっと『ミドルとかを蹴って、得意のステップを使って回りながら戦おう』と言われてたんですけど、そのときは自分も未熟で、自分の考えを押し通してしまい、相手も前に来る選手だったので、下がったらどんどん来るなと思って、逆に自分もずっと前に押して、3ラウンド目にミドルをパンパン当てられて終わってしまいました。いま思い返すと、KIDさんが言うように、もっと最初からミドル蹴ってたら良かったな、もっと違う戦い方もできたなと思いますね。その後の『格闘代理戦争』2ndシーズンも未熟で、判定負け(関原翔※2018アマチュアMMA全日本選手権バンタム級優勝、PANCRASEで3連勝中)してしまいました」

――結果を出せなかった。KIDさんとはどんな話をしましたか。

「2018年の初夏に若手育成のための大会でクレイジーリーグが出来たんですよ。そこに自分も出る予定だったんですけど、出られなくなって。そしたらジムでKIDさんから声をかけられて、『年末か年明けにも大会を開くことを考えていて、俺はそこでスソンをメインで出したいんだよね』って言ってくれて。『えっ? 自分でいいんですか?』みたいな話をしたんです。テコンドーを経て、いろいろ遠回りもして、20歳過ぎてから総合格闘技を始めて。自分の直感に従って見たけど、はたから見たら年齢的に厳しいと思われるようなことをして。そうしたらKIDさんは『俺も27歳くらいまではずっと下積みだったから。それまではもっと経験積んで、いまは我慢だけど、絶対お前ならできるから』と言ってくれて……。自分はずっと、それをずっと信じてやっていますね、いまも。それが一番、印象に残っています」

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