AJ「『RIZINルール』で異なる次元の戦いになる」

AJは「シェイドゥラエフは頭の動きが少ない。力任せ」と評している。(C)PFL
19戦中7試合を日本で戦い、その圧勝を目撃してきた日本のファイターやファンにとって、シェイドゥラエフの強さは分かりやすい。
「無敗・全フィニッシュ勝利」の自信がもたらすメンタルは、リング上でも圧力となって現れる。メジャーのベルトを巻いていた試合巧者のAJの懐にも臆せず踏み込んでいくだろう。
同時に、北米でサラマット・イスブラエフ、アダム・ボリッチ、アクメド・マゴメドフといった錚々たる面子と対峙してきた経験豊富なAJは、競った試合を勝ち抜くことに慣れている。
しかし、今回はシェイドゥラエフにとってホームの「RIZINルール」の四角いリングでの戦いだ。そこでAJは、RIZIN王者をいかにさばくか。
「彼がこれまで戦ってきた相手と違い、僕は簡単にテイクダウンを決められたりしない」というAJは、本誌の取材に、その際で活きる「RIZINルール」がシェイドゥラエフだけに有利なわけではないと語る。
これまで日本でもRIZINルール特有の攻撃をあまり見せていないシェイドゥラエフに対し、スクランブルが強いAJは、PRIDE時代からの系譜のRIZINルールを我が意を得たり、と心待ちにしている。
「我々ファイターが戦いに臨むとき、その目的は破壊することだ。他のいかなる戦いや戦争と同じくね。相手の身体に損傷を与え、相手が屈服するまで痛みを与えるのがゴールだ。僕が思うに、サッカーキックは非常に興味深いものだ。きわめて野蛮だけど、だからこそ相手は常に自分の身を護ることを余儀なくされる。
(北米のMMAでは)多くの選手が背中を付けてリラックスしたりしている。相手が立ち上がっている状態でだ。でもサッカーキックがあればそれは困難となる。顔面を蹴られてしまうから。より警戒すべきことが増えるんだよ。特にグラップリングにおいてはね。だって(グラウンド状態にある相手の)顔面にヒザを入れてもいいんだろ? そこで、グラップリングの異なる次元が生まれる。僕は子供の頃からPRIDEを見ていた。RIZINは合法的なストリートファイトで、RIZINルールで戦うことで僕が不利になることはない。今回のファイトキャンプでもしっかりRIZINルールを念頭において、自分のスタイルに落とし込んでいくよ」と、押さえ込み極めることとは対極にあるサッカーキックやグラウンドヒザを、自身のモノにするという。
シェイドゥラエフをみくびることはない。
「彼はこれまでどの試合もすぐに相手を倒してしまっているタフな選手で優れたスキルの持ち主だ。誰もまだ彼が追い込まれたところを見たことがないだろう。拮抗した戦いをした者すらいなくて、全ての相手に圧勝している。僕の前回の相手(イスブラエフ)の時と状況は似ているね。だから自分がやらねばならないことに集中するよ。すなわちリングに上がり、相手をぶちのめし、力の差を見せつけ、最後には必ず勝ち名乗りを受けるってことだ」
そして無敗のキルギス戦士に伝えたいことがあるという。
「奴に知っておいてもらいたいことがある。つまり、“俺は戦いに来る”ってことだ。今までの試合とは全然違うものとなる。俺をKOすることは絶対にできないし、極めることもできない。力尽きてこの体が動かなくなるまで、俺は戦い続ける。
これは僕にとって絶好の機会だ。“僕がなぜ世界最強の選手の一人なのか”を再び見せるためのね。だからRIZINにもすごく感謝しているよ。僕の力を信じてタイトル戦を組んでくれることをね。前回日本でサトシと戦った時は、タイトルは賭けられていなかった。でも今回は違う。家に持ち帰って、壁に掛けるための記念品を得られるんだ。そしていつの日か僕の子供たちや家族に見せるよ。世界中で戦ってきた僕のレガシー、それがどれだけ素晴らしいことだったかをね」
交わるはずがなかったフェザー級の両雄が、9月10日、大阪の地で戦う。最後に2本のベルトを持ってリングを降りるのは1人だ。






