バーリトゥードルールに挑んだ山田のセコンドには頂柔術の礒野元氏、草MAX、大道塾の加藤清尚氏がついた。(C)GONG KAKUTOGI/ROMAN
2025年12月13日(土)15時から都内某所にて無観客(U-NEXT配信)大会『VT:R ZERO─Vale Tudo Resurgence ZERO』が開催された。
今回は、ROMANのスピンオフの「バーリトゥード特化」大会。ポルトガル語で“何でもあり”を意味するVale Tudoでは、初期UFCを彷彿させる格闘技の原点の闘いが行われた。なお、次回大会は2026年3月15日、都内にて有観客で行われる。
▼82.0kg契約 30分
〇山田崇太郎(PANDA GYM)MMA14勝7敗2分
[52秒 TKO] ※ヒジ打ち
×カイ・チー(マレーシア/HIKARI MARTIAL ARTS GYM)MMA4勝13敗
業界関係者や競技者で彼を知らぬ者はいない《最強グラップラー》山田崇太郎がVT:Rゼロのメインに登場。
あの桜庭和志が立ち上げた5対5の団体戦QUINTETでの山田の活躍は目覚ましく、抜きありのQUINTETでは守り抜いての引分け(両者脱落)狙いも作戦のうちとされ、特に山田のような超強豪には引分けを狙い来る相手が多く1勝する=一本を取るのも非常に難しい状況の中、先鋒で出場しその5試合=5人全てを山田1人で一本を極め切りチームを勝利に導くなど、今でも語り草になるような伝説的なエピソードを多数持つ男だ。
MMAでは22年3月に修斗で西川大和に腕十字で一本負け後、23年1月のGLADIATOR 020でフォークスタイルグラップリングルールで井上啓太に判定勝ち。
対するChee Jian Kaiは打撃をベースとしたマレーシア出身の選手でキックボクシングやムエタイの他にも散打やMMAなどの豊富な格闘技経験を持つ。ONEで1勝2敗後、19年の『Lethwei in Japan 11』でロクク・ダリにTKO負け。25年2月の前戦ではマレーシア『FIRE CAGE FC 1』のムエタイルールでヒジ打ちで1R KO勝ちしている。
組みになればMMAでも好成績を残す山田有利かも知れないが バーリトゥードはMMAには無い頭突きや金的攻撃が許されているルールなので様々な打撃格闘技経験を持つCheeの打撃が山田の急所を撃ち抜く可能性もあるだろう。
素手の山田に、オープンフィンガーグローブのカイ・チー。サウスポー構えの山田はケージに詰めてダブルレッグテイクダウン。ハーフガードの山田にセコンドは「ハーフでいい」と声。山田はヒジ打ちで削りながらパスしてカイ・チーを寝かせると右で脇差し、左ヒジ連打でタップさせた。
山田のセコンドには頂柔術の礒野元氏、草MAX、大道塾の加藤清尚氏がついた。
試合後、山田は「ルールが金的だったり頭突きありだったり、一発でフィニッシュにつながる危険度の高い攻撃があるので、たまたまというか、まあ作戦的に。私の組み技の部分が出たという形で、金的とかは正直、どうやっても(もらったら)終わっちゃうじゃないですか。ちょっといいパンチぐらいの感じじゃないと思うので。
(恐怖心は?)このルールに挑むっていうこと自体が、そういう部分があるんじゃないかなって。その覚悟というか。試合ということなので自分のコンディションを整えることを礒野(元)さんや加藤(清尚)さんと一緒に取り組んできました。
(テーマは「生き延びる」と)そうですね。キンタマ潰れたらどうしようみたいのは普通にあったんで。そことかは……。
(VTルールは)お声掛けいただいたっていう部分と、まあ興味がなくはないですね。ブルース・リーとか好きな世代なので。ジークンドーとか、今回の試合前にジークンドーの金的対策とか、そういったものを──やっぱそういうのは無いじゃないですか。金的ありのMMAっていうルールが。なので大道塾とか、金的ありでやってるっていうのは参考に、研究はしました。
(またやりたいという気持ちは?)いや、全くないですね(苦笑)。ただ、技とかは研鑽がちょっと蓄積したので、そこはなんというか、教則でも出そうかなと思いましたね、金的に関しての。
このルールって多分、もしかしたら弱い人間が強い人間に普通に格闘技でやったら勝てる可能性があるルールじゃないですか。工夫したりすれば。私も分が悪い相手だったらこのルールで勝負したいですね。普通に戦って。
(渡慶次「オーバーアンダー、片方は差して片方差されている状態で金的があると、もう腰を引かなきゃいけないんで。腰引くと腹にヒザ蹴り食らう。蹴られたくないから密着すると頭突きもされる。技術体系が今あるものと違うものになる。次やる人が“またいろんな、この体制からこんなことできんだ”とか、いろんなのが今後出てくると思う)
(渡辺「今回の試合を観て、秒殺も多かったですけど、これから研究した人とかに出てきてもらいたい」)
(試合映像を見て)今回、外を取ってパワーサイドの攻撃を防いでトのこう防ぐっていうのと、タックルのディフェンスとかが強かったら、金的蹴ってからタックル入るとかにすると。テイクダウン後は、もう金的をもらわない攻防になってるんで。(ハーフになって)この形にしたいっていうのがありました。
自己採点みたいなのはちょっと難しいんですけど、その面白い試合というか、金的とかの攻防みたいので、例えば近的って防ぐために内股になるんですよ。そうするとタックルとか取りやすくなるっていうような部分があったりとか。あと、私からすると四つが基本的に難しくなる。っていうのはやっぱり腰引いてディフェンスするっていうのは金的を蹴られちゃうんで。そういった部分での打開策や気をつけなきゃいけない部分だったりとかがあった。
(中井「普段よく見慣れてる戦いとは違う戦いになり得るってことが浮き彫りになったんじゃないでしょうかね」)
(今後は)いや、怖いんでね、キンタマ蹴られるのは怖いんで。(MMAは休止中?)ブランクあったんで、来年(2026年)に復帰する予定ですね。年齢も年齢なので、興味があるものに対して取り掛かるっていうような感じですかね。だから今回の大会とか、すごい興味深い大会であると思いますね」と語った。










