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レポート

【ROMAN】道衣MMAでマルコス・ヨシオ・ソウザが山下アランに一本勝ち、ルターバッハが瓜田をKO、ヨースキストーが石川に一本勝ち、メネギンが清水に三角絞め、竹本が松本に判定勝ち、マイケがまたも秒殺勝利、マルロン・ゴドイがシルバを襟絞め、ギレルメが36秒一本勝ち。ROMAN柔術で岡本が半谷と熱闘、市川がキムラ極め、八巻が大脇投げて判定勝ち

2025/10/11 12:10
 2025年10月11日(土)、東京・GENスポーツパレスにて開催の『ROMAN 3』(U-NEXT配信)が開催された。  2024年10月の『ROMAN 1』、2015年4月の『ROMAN 2』に続く、第3回大会では「道衣MMA」でマルコス・ヨシオ・ソウザvs.山下アラン、ワールドクラスの強豪ジョイルトン・ルターバッハvs.“佐山サトル最後の弟子”瓜田幸造、岡本裕士vs.半谷泰佑、エリック・メネギンvs.清水俊一、松本大輔vs.竹本啓哉、押木英慶vs.大浦マイケの試合のほか、ヒールフックやスラミング、外掛けなどの従来の柔術の禁止技が解禁された「ROMAN柔術ルール」では、岡本裕士vs.半谷泰佑、大脇征吾vs.八巻佑など、注目カードが行われた。 『ROMAN 3』速報 ▼道衣MMA 93kg ライトヘビー級 15分×山下アラン(富山ブレーブスブラジリアン柔術スクール)[1分58秒 リアネイキドチョーク]〇マルコス・ヨシオ・ソウザ(ボンサイ柔術)  柔術世界最高峰のひとつアブダビワールドプロを始め数々のトーナメントを制しMMAでもREAL FIGHT CHAMPIONSHIP初代王座に就いた“マルキーニョス”ことマルコス・ヨシオ・ソウザがROMANCOMBAT(道衣MMA)参戦。  近年の格闘技ファンにとっては現RIZINライト級王者サトシの兄として知られているだろうが、かつてはサトシの方が“あのマルキーニョスの弟”と紹介されるほど日本や世界の柔術シーンで名を馳せ一時代を築いたスター選手こそがマルコス・ヨシオ・ソウザその人なのだ。世界の頂点に輝いた柔術家の道衣MMA参戦は初であり、きっとこの競技の価値を次のステージへ押し上げてくれるに違いない。  対する山下アランは柔術黒帯。自身が主催する富山BRAVES BJJ&MMA の看板を背負うファイターでありそのMMAの実力は未知ではあるが、対戦相手にマルキーニョスの名が挙がっても全く怯む事の無い怖れ知らずの闘争心を持つまさにチーム名に刻まれしBraveを地で行く勇者だ。 2022年7月のRIZIN以来のMMAを「道衣あり」で戦うマルキーニョスは、「3年ぶりに戦うことになりますが、キモノ(道衣)を着て戦うスタイルはホイス・グレイシーを思い出させます。ずっとやりたかったMMAの道衣戦、すごく楽しみです。(関根vs.ババカールを見て)この階級はほんとうに危険。あの一撃は強烈で倒される。立って戦おうが、寝技で戦おうが、僕の柔術が軸だ。この試合は柔術で勝ちに行く。僕たちはブラジルから来た。ブラジル人は決してあきらめない戦士だ。いい試合をして最高の選手が勝つ」と、道衣ありMMAを「やりたかった」と表現。  対するアランも「このルールは面白いと思います。私のストライキングスキルの方が少し上で、より速く動ける。私は勝たなければならない。そのために練習を続けている」と意気込みを示している。道衣を着ることで寝技も打撃も変わる。果たして着衣MMAで柔術家はいかに“何でもあり”を戦うか。  道衣MMA。オーソのマルキーニョスにサウスポー構えのアラン。詰めるアランに右ミドルのマルキーニョス、さらに右ストレート。前蹴りにケージまで下がるアラン。マルキーニョスは高速のダブルレッグテイクダウン。ハーフからパスしてサイドに出ると、パウンド、ヒジ! 背中を向けたアランはチョークを防ぐが、マルキーニョスは両足をフックしてアランの身体を伸ばすと、リアネイキドチョークを極めた。  試合後、長兄のマウリシオ・ダイ、ホベルト・サトシやクレベル・コイケに囲まれたマスコス・ヨシオ・ソウザは「本当にありがとう。人生は難しい。簡単じゃない。たまに人生はいろいろ問題があるから。でも一番大事なのは絶対にあきらめないこと。今日、3年ぶりにMMAに戻ってきて、たくさんの友達とたくさん生徒たちが来てくれたから。本当にありがとうございます。難しいの人生がある。でも絶対、一番大事なことは諦めない。頑張って一生懸命やれば、神様がいろいろ手伝ってくれる。できるからね。皆さんもこれからも頑張ってください」と語った。 [nextpage] ▼道衣MMA 88.5kg スーパーミドル級 15分〇ジョイルトン・ルターバッハ(Guilhotina Fight)[3分01秒 KO]×瓜田幸造(掣圏会瓜田道場)  各国を転戦してきた流浪の王者ジョイルトン。これまでにMMAやキックボクシングで世界6団体の複数階級王座に君臨。“peregrino《戦う巡礼者》”と呼ばれたワールドクラスの超実力者が次の巡礼地を日本に定め、武道のルーツ“日出ずる国”に初上陸。超一流の打撃技術でKOの山を築きながらもブラジリアン柔術/柔道/ルタ・リーブリで黒帯を保持するコンプリートファイターのジョイルトンに死角はない。修斗黄金時代の絶対王者“ギロチンの王”ペケーニョとアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラを師に持つ彼は、そのあまりの強さから全く対戦相手が決まらず公募を開始。  ROMAN運営陣が全てを賭けたジョイルトンとの交渉も虚しくカードが流れかけたその時、名乗りを挙げたのは掣圏道四段、佐山聡最後の弟子と言われた“ラストサムライ”瓜田幸造であった。瓜田は掣圏真陰流市街地型白兵戦で道衣やジャケットMMAを経験済み。その佐山のコンセプトは数十年先を行き過ぎたとも言われる程に極めて先鋭的/前衛的であり、それが真に人々に理解されるのはいよいよこれからなのかもしれない。前戦で瓜田は中山賢一にTKO勝ち。  瓜田はジョイルトンの参戦を知る前から本能的にこの嵐の到来を予感していたとしか思えない神憑り的なエピソードがあったという。そんな運命に導かれ実現したこのカードには想像を越えた結末が待っているかも知れない。  道衣MMA。右ローの瓜田に、サウスポー構えのルターバッハは跳び蹴りからワンツー、後ろ蹴り。瓜田も右をかぶせに行くが、強いジャブを効かせるルターバッハ。瓜田のマウスピースが飛ぶ。ルターバッハはワンツーボディ打ちから左ミドルハイ! 後方に倒れた瓜田にレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼道衣MMA 77.1kg ウェルター級 15分〇ヨースキストー(IMPACTO JAPAN BJJ)[4分49秒 襟絞め」×石川英司(フリー) 『柔術競技一本の生活ではなく工場で働き柔術指導もしながら国内外で驚異的な戦績を残す日本在住の日系ブラジリアン柔術家がいる』──10年も前からそんな噂が聞こえて来た。多い時には年間30大会にも出場しその殆どで階級&無差別でのダブルゴールドに輝くという恐るべき強さ。更には人格者であり生徒や仲間からも絶大な信頼を得る“柔術家の鏡”ヨースキ。そのような輝かしい戦績を誇りチームの看板を背負うピュア柔術家が新競技にチャレンジするという。  一方の石川はMMA界に彼を知らぬ者はいないと言えるくらいの実績を持つ男。レスリングをベースとした圧倒的なテイクダウン能力とグラウンドコントロール&パウンドを無尽蔵のスタミナから繰り出すスタイルを武器に数々の有名選手を撃破してきた。そして長い沈黙を破り試合への復帰を果たす。  そんな石川がまさか道衣を纏っているとは。ピュア柔術家vs.ピュアMMAファイターが中間地点に位置する道衣MMAで激突。誰もが予想しなかったカードの結末は……?  道衣MMA。ともにサウスポー構え。押し込むヨーキストーの崩しに石川はケージ背に。帯を掴むヨーキストーは捨て身気味に掴んで投げてすぐにスイープ、バック。足をかけさせないように防ぐ石川にヨーキストーはバックからボーアンドアローチョーク狙い。ハーフで足をからめる石川に襟絞めを極めてタップを奪った。 [nextpage] ▼道衣MMA 65.8kg フェザー級 15分〇エリック・メネギン(IGLOO)[6分26秒 三角絞め]×清水俊一(宇留野道場)  初参戦する新進気鋭のトップ柔術家メネギンがROMAN連続参戦の清水と激突。MMA大ベテランの清水の総合力と柔術の一芸に秀でたメネギンの対決の鍵はいかに2人のバックグラウンドを道衣MMAにアジャスト出来るか。  前回大会ROMAN2での清水の見事なバックコントロールからのフィニッシュには道衣MMAの試合ならではの面白さが詰まっており格闘技マニアや競技者/関係者を唸らせた。  一方のメネギンは、25年2月の『Breakthrough Combat03』で、Progressルールの60kg契約で神龍誠と対戦し、ノーギでガードから仕掛けるも判定負け。しかし神龍を後手に回らせるボトムでの攻めを見せた。今回は道衣ありのMMAに挑む。  この対決は普通に考えれば“離れれば清水、組めばメネギン”という図式になるだろうが、近年よく聞かれる“MMAグラップリング”=(打撃無しのグラップリングや柔術とMMAルールの中でのそれには大きな違いがある)という視点から考えれば清水が組みを有利に進める可能性もあり、逆にメネギンの必殺の柔術テクニックを警戒する清水が打撃を貰う事もありうるだろう。  道衣MMA。ともにオーソドックス構え、前蹴りから組んで引き込んだメネギンだがローブローに。中断。再開。フルガードから腕十字狙い、オモプラッタのメネギン。清水は前転させられずに凌ぐと、メネギンは三角からヒジ、さらに三角絞め! しかし清水も座って防御するが道衣で抜けず。最後はメネギンがタイトに絞めてタップを奪った。 [nextpage] ▼道衣MMA 65.8kg フェザー級 15分×松本大輔(X-TREME EBINA)[判定0-3]〇竹本啓哉(ALIVE)  ROMANCOMBATの開拓者・松本大輔vs.格闘の探求者・竹本啓哉の道衣MMA対決。いきなり余談になってしまうが、2人に共通するのはROMANの究極ルール=《指折りあり頭突き&金的攻撃解禁のバーリトゥード》にもエントリーしてきた男たちだという事。物静かで礼儀正しく清らかな彼らの心には同時に狂気が存在している。  竹本の師である名伯楽ALIVE代表鈴木陽一氏は『竹本は競技やルールに囚われずあらゆる強さを探求する男。競技を極めその中で強さを追求する日沖発とはまた違うタイプ』と評する。5月の前戦『Breakthrough Combat04』ではガドウィン・ランバヤンを横三角絞めで極めたばかり。  片や松本も同じく格闘技界のフロンティアとして新競技における新技や新展開を模索/開発する探求者にして先駆者と言える存在であり、近しい価値観や格闘哲学を持つ2人の勝負は試合内容や結果だけでなく、その前後の発言や立ち振る舞いも気になるところである。  道衣MMA。ともにサウスポー構え。シングルレッグの竹本に松本はクローズドガードで引き込み。上の竹本は松本の左手の裾を背中ごしに縛る。細かい左ヒジを落とす竹本。松本は片手・両足で煽る。ブレーク。  サウスポー構えから右ローの竹本。右の蹴りでスリップした下の松本に蹴り。松本は下から足関節狙い。ヒザ十字を狙うが、ヒザを抜いた竹本がバック狙い。仰向けになった松本が下に。二重がらみから潜り、再び足関節狙う松本に、竹本はバック狙い。50/50からヒール狙う松本に蹴り上げる竹本。ゴング。  判定3-0で竹本が勝利。 [nextpage] ▼道衣MMA 77.1kg 15分×押木英慶(アジカタンBJJ)[0分45秒 ボーアンドアローチョーク]〇大浦マイケ(IGLOO)  大浦は、JBJJF柔術現役全日本王者。ROMAN2では元UFCファイターを秒殺した天才柔術家マイケが再び道衣MMAに参戦。天才柔術家マイケは関係者でその才能を疑う者はいない超実力者であり、彼が目指すものは柔術のビッグタイトル獲得とROMANCOMBAT(道着MMA)初代ウェルター級チャンピオンの座。3大会連続出場となる今大会。過去の2試合ではまだ全くその強さの底を見せていないキュートな怪物は今回どんな驚きを私たちに見せてくれるのだろうか。  その天才と対峙する押木は、フルコンタクト空手、空道、敬天愛人、柔術など様々な格闘技・武術を渡り歩く武人。格闘技のみならず様々な武道をそのファイトスタイルに取り入れたハイブリッドの武道/格闘家であり、彼の出場する敬天愛人を主催する菊野克紀氏は『武道家は生死の狭間でこそ本領を発揮する』という旨の発言もしており(筆者の個人的な受け取り方や解釈を多く含む)このマイケという猛獣を眼の前にした時こそ研ぎ澄まされた押木の槍がその正確性を増し獅子の急所を撃ち抜くのかも知れない。マイケの電光石火の極めか、押木の一撃か。  道衣MMA。押木の右ローの打ち終わりにシングルレッグで組んだマイケ。押木の立ち際にバックを奪うと道衣ならでは、ボーアンドアローチョークを極めた。 [nextpage] ▼ROMAN柔術 77.1kg ウェルター級 7分〇岡本裕士(RJJ柔術)[判定2-1]×半谷泰佑(リバーサルジム横浜グランドスラム)  異常な程一本決着に拘り“鬼極”との異名を取る岡本裕士。現代の良くも悪くもゲーム要素が取り入れられた柔術では奇異に映るこのスタイルだが日本柔術界の父・中井祐樹や現代柔術の開祖グレイシー一族はこれを柔術の本来あるべき姿だと言う。そんな原点の追求者であり一本勝ちの山を築く極め職人岡本のROMAN柔術参戦が決定。  そして岡本とケージで向かい合うのはかつてゼロ年代の日本のブラジリアン柔術シーンに彗星の如く現れ“天才”と呼ばれた半谷泰佑。当時日本最速の3年半での黒帯昇格を果たした半谷の才能にはきっと柔術家の誰もが嫉妬や羨望の気持ちを持つことを禁じ得なかったであろう。時は流れ、しばらく柔術から遠ざかっていた彼が練習を再開している…そんな噂が囁かれるようになった。そして遂に天才は帰ってくる。   ROMAN柔術、岡本の投げに下を取る半谷は潜りから足関節狙い。キャッチへ。岡本のかつぎパスを凌ぐ半谷はハーフもパスした岡本。半谷が脇を差せば岡本は絞めを狙う。上四方から絞める岡本に半谷も凌ぎゴング。  判定は2-1に割れ、パスして攻めた岡本が勝利した。  [nextpage] ▼ROMAN柔術 無差別級 7分〇市川公貴(トライフォース五反田)[1分36秒 キムラロック]×ランジェル・ロドリゲス(RJJ)  全日本アダルト、マスター、アジア大会をはじめとする数々の大会で優勝という国内トップ柔術家のランジェルロドリゲスがROMAN柔術ルールで連続参戦。対する市川は、名門トライフォースの柔術黒帯。2025年IBJJFアジア柔術選手権マスター2黒帯ヘビー級優勝の実績を持つ、トップ柔術家がROMANに参戦。  ランジェルは、ROMAN2の柔術無差別級トーナメントでは柔術レジェンド白木大輔との大接戦を制した。市川とは過去にブラジリアン柔術トーナメントで対戦経験があり、その時はランジェルの勝利となったが、後にIBJJFアジアのマスターを制するなど大きな成長を遂げた市川にとっては、再びランジェルに挑むリベンジ戦となる。  ROMAN柔術、ハーフのランジェルに市川は手首を掴んでパス、キムラで回してタップを奪った。 [nextpage] ▼ROMAN柔術 65.8kg フェザー級 7分×大脇征吾(リバーサルジム横浜グランドスラム/東京柔術)[判定0-3]〇八巻 佑(X-TREME EBINA)  ROMAN2で国内トップ黒帯のブラジリアン柔術家・鍵山士門から大逆転の一本勝ちを収め道衣着用ルールでもその強さを証明した期待の若手グラップラー大脇。今回の対戦相手は彼自身が『柔道の実績では試合をする事がないくらいの(差がある格上の)相手』だと言う八巻。  同じく柔道というバックボーンを持つ大脇にはその高みに到達した八巻の凄さが誰よりもわかる筈だ。しかしその上でも尚この新柔術ルールでは『必ず勝つ』と自信を覗かせる。  一方は前述したように柔道と柔術、その2つで輝かしい実績を残すオールラウンダーにして超実力者の八巻。立っても寝ても全局面で勝負出来る八巻はROMANの新柔術ルールに於いても高い対応力を示すと思われ、大脇の極めが八巻の牙城を崩せるかに注目だ。  ROMAN柔術、八巻は足払いの崩しからのアームロックに内側を向いて外して立つ大脇。八巻は払い腰テイクダウン、大脇の足関節を抜く八巻。スタンドで内股で崩し。さらに引き込む大脇を潰して上四方。大脇に潜らせず。大脇がケージウォークで足を触ると離れる。  最後もスタンドで八巻の内股の崩しに、大脇がクローズドに入れて腕を狙うが八巻がベースを作りゴング。判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼ROMAN柔術 61.2kg バンタム級 7分〇喜田隼斗(サブミッション塾/夕月堂本舗)[0分33秒 ストレートフットロック]×萩野貴旺(トライフォース東中野)  喜田はあの世界的グラップラー高橋“サブミッション”雄己も認める実力者であり軟体から繰り出されるあらゆる角度からの攻めで相手の関節を瞬時に破壊する。対する荻野はラペルの攻防などモダン柔術を使いこなし名門トライフォースの東中野支部でインストラクターを務め、目指すは『世界一の指導者』という高い目標をもつ男だ。新世代グラップラーvs柔術家の一戦。  ROMAN柔術1R、先にシッティングの喜田は、ハーフから引き込み、足がらみストレートフットロックで33秒、タップを奪った。 [nextpage] ▼道衣MMA 93kg 10分〇マルロン・ゴドイ(ボンサイ柔術)[4分24秒 襟絞め]×ダニエル・シルバ(Ogro Team)  ダニエルは道衣着用で寝技や金的攻撃までもが認められるという過酷な勇誠会主催の格闘空手トーナメントを2年連続で制するなどROMANCOMBATやバーリトゥードへも全く問題なく対応してくるであろうオールラウンダー。柔術やムエタイの指導者でもある彼は全局面で戦える男。  対するはボンサイ柔術マルキーニョスの義弟にして超攻撃型柔術スタイルを持つマルロン。SJJIF世界選手権のアダルト階級別と無差別の二冠他、数々の輝かしい戦績を誇る本物の柔術家だ。オールラウンダーvs.組技師の勝負の行方はいかに。  道衣MMA。1R、ともにオーソドックス。強い右ローのダニエルにマルロンもジャブ、右ロー、前蹴りを打ち返すと、打ち気のダニエルにダブルレッグテイクダウン。  亀から立とうとしたダニエルに引き込みからスープ。ハーフから右で脇差しパス。上四方からノースサウスの体勢で襟絞めを極めた。 [nextpage] ▼道衣MMA 93kg 10分×西村 刀(IMPACT)[判定0-3]〇テイラー・ラング(Clubber Lang)  ROMAN1で劇的なKO勝利を挙げた西村と、ROMAN2で同じく見事なKO勝利を挙げたテイラーがROMAN3で対戦。  MMA団体PFC王者にして百戦錬磨の西村だが懸念材料としてはヘビー級を目指す為の急激な増量による階級アップであろう。  一方ROMANを足がかりにRIZINなど日本のメジャー団体への出場も狙うテイラーとしては負けられない一戦。勝利後に周囲を驚かせる程感情を爆発させる西村と冷静沈着なテイラー。勝利を手にし次のステップに駒を進めるのはどちらか。  道衣MMA。1R、サウスポー構えの西村は右ジャブ、左ロー。オーソのラングはワンツーの右ストレートから組んで道衣を掴んで首相撲ヒザ。強い右ミドル。西村はシングルレッグで押し込むも、ケージで凌ぐラングに左足シングルに移行する西村。その背中にラングはパウンド、ヒジを落とす。ブレークに、ラングは右ハイから左右ラッシュで攻めてゴング。  判定3-0でラングが勝利した。 [nextpage] ▼道衣MMA 70.3kg 10分×佐藤哉羽(クロスポイント吉祥寺)[0分36秒 腕十字]〇ギレルメ・ナカガワ(ボンサイ柔術)  MMA1勝を挙げている期待の新人同士の対決。DEEPで勝利の佐藤は、コーチ渡慶次幸平の話によれば『同門鈴木千裕タイプのハードパンチャー』とその打撃力に太鼓判を押す。  対するナカガワは『格闘代理戦争』を経て、PANCRASEで活躍。マルキーニョスの弟子でブラジリアン柔術黒帯を巻きアマチュア時代には8割以上の試合で一本を取るなど脅威の極め力を持つ。打撃VS組技という分かり易い図式の一戦。  道衣MMA。1R、ともにオーソドックス構え。佐藤は右ローから。ギレルメは右フック。佐藤は左右で詰めるが、ギレルメは組んで引き込み、四角から腕十字。36秒で極めた。道衣ありで滑りにくいなかでの腕十字一本勝ち。 [nextpage] ▼道衣MMA 無差別級 10分〇ハシモト・ブランドン(JAWS WEST)[1分20秒 TKO]×田馬場貴裕(IMPACT)  前大会ROMAN2にてMVP級の活躍を見せた田馬場は選手としてだけでなく自身も団体を運営し、更には他団体のスタッフまでこなすという超マルチな男。  対するハシモト・ブランドンはGRACHANを主戦場に活躍する選手。そのファイトスタイルはまさにJAWSの如き獰猛さでBULLSHARKが獲物を引き千切る姿を想像させる。8月10日のGRACHAN75で見事KO勝ちしたブランドンをケージ下から見つめるのはGRACHANスタッフの田馬場。その両者が道衣MMAで激突する。  道衣MMA。ともにオーソドックス構え。ハシモトの左の蹴りに田馬場が組むが、出足払いのハシモトが崩してテイクダウン。道衣を掴んで押さえつけてパウンド。TKO勝ち。
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