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【ONE】王者アンドラージvs.挑戦者バータルフーのバンタム級王座戦、アリーフがオンダッシュからダウン奪う判定勝ちでプラジャンチャイに挑戦へ、ジエゴ・ヘイスが米倉大貴に判定勝ちでフライ級SUB世界王者に、ペッディージャーがTKO圧勝、ジャイルズがマルセリーニョに一本勝ち、ホルミルザエフが6連勝! 鈴木真治が判定負け=速報中

2025/12/06 11:12

▼第5試合 ONEフライ級(-61.2kg)サブミッショングラップリング世界王者決定戦
〇ジエゴ・ヘイス(ブラジル)
[判定3-0]

×米倉大貴(TEAM AL LEONE)


“ベイビーシャーク”ジエゴ・ヘイスは、ブラジル・マナウス出身のブラジリアン柔術黒帯、サブミッショングラップラー。童顔に爆発的なスピードと極めの精度から、その愛称は世界中に知られる。所属は Melqui Galvão Jiu-Jitsu。指導者メルキ・ガウバンのもと、少年期から一貫して育成を受けてきた。

 10歳で柔術を始め、2015年にイエローベルトとしてガウバンの門を叩く。以降すべての帯位を同門で昇格し、2020年12月には茶帯からわずか7か月で黒帯を授与された。昇格後すぐに国際大会で頭角を現し、アブダビ・ワールドプロやAJPグランドスラム(マイアミ、リオデジャネイロ)で優勝を重ねた。

 2022年にはADCC南米予選を制し、本戦66kg級で初優勝。2024年大会でも同階級を制して2連覇を達成し、サブミッショングラップリングの世界で確固たる地位を築いた。IBJJF世界選手権では2022年と2023年に銅メダル、ブラジル選手権では金メダルを獲得。パン選手権やヨーロピアン選手権などでも表彰台に上がり、柔術とグラップリング双方で常にトップを維持している。

 2024年にはFLOグラップリング主催のWho’s Number One(WNO)でフェザー級王者となり、BJJ Starsなど主要大会でも勝利を重ねた。同年、世界最大の格闘技団体 ONE Championship と契約し、2025年3月の「ONE Fight Night 29」で石黒翔也と対戦。キムラロックによるサブミッションで勝利を収め、デビュー戦から世界レベルの実力を証明した。ムンジアルとパン柔術はどちらも準優勝に。

 柔術を通じて確立された競技への情熱と明確な目的意識は、今なお彼を進化させ続けている。ジエゴ “ベイビーシャーク” ヘイスは、現代グラップリングを象徴する存在として世界中から注目を集めている。23歳。

 米倉大貴は、いま世界の舞台で存在感を強めるアジア屈指のグラップラーだ。

 徳島県藍住町で生まれ育ち、17歳のときに自宅近くの道場でブラジリアン柔術と出会った。クラスを見学したその日に入門を決め、以来、柔術を中心に人生が動き出した。

 高校時代は、学校・アルバイト・練習の生活を続けながら、翌年のヨーロピアン選手権出場を目標に寝技を磨いた。高校卒業後はサラリーマンとして働いたが、柔術で生きる夢を諦めきれず、20歳で上京。練習環境を求めて柔術道場に所属し、清掃スタッフとして働きながら世界レベルの選手たちと汗を流し、その後インストラクターとしてのキャリアも積んでいった。

 2021年に黒帯を授与されると、全日本(ノーギ/道着)、UWW世界選手権優勝、IBJJFパンパシフィック(無差別級)優勝、AIGA Global Qualifier優勝など、国内外で数々のタイトルを獲得。2024年にはADCCアジア・オセアニアトライアル準優勝、各地のADCC大会優勝など、国際戦線でも急速に存在感を示している。

 米倉の武器は、世界レベルのヒールフックを中心とした足関節技、そして勝利への強烈な執着心だ。「足関節は自分の一番の強み」と語る通り、多くの試合を脚絡みの攻防で制してきた。

 言葉も分からないまま初めて海外へ一人で遠征した経験は、彼の精神的な強さを形成した大きな要因となった。建設業、ホテル清掃、引っ越し業、飲食店など、多くの仕事を経験しながらも、唯一続けてきたのが柔術。その歩みは、努力と覚悟そのものだ。

 そして今、米倉は世界最大の舞台ONEチャンピオンシップで、フライ級サブミッション・グラップリングの世界王座を狙う。29歳。

 先に詰めて組む米倉の引き込みをさばき、ダブルレッグテイクダウンのヘイス。素早いパス狙いに足を戻す米倉。しかしヘイスは右に飛び込み、右腕で枕から左脇差しクラッチからパス。マウント。肩固め狙いも米倉は右手を側頭部に当てている。

 外したヘイスに、シッティングガードの米倉は足をからめようとするが、足首をつかんでさせないヘイスが上四方狙い。ヘイスはインバーテッドで足を戻す。

 激しいパス狙いのヘイス。その都度足を効かせる米倉は、ヘイスの足を手繰ろうとする。レッスルアップからトップに移行した米倉は足関節狙いからトップを狙うが、そこにギロチンチョークを合わせるヘイス。首を抜く米倉は、上からヒール狙い。そこにトーホールドを仕掛けるヘイス。最後も米倉がストレートフットロックを狙うもゴング。

 判定3-0でジエゴ・ヘイスが勝利し、ONEフライ級サブミッション・グラップリング世界王座についた。

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