WBCムエタイ世界王者になった大田が1年1カ月ぶりのONE FF参戦(C)ONE Championship
2025年12月12日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 136』(U-NEXT配信)に、日本人選手3名の出場が決定した。
第1試合のONEバンタム級(-65.8kg)サブミッショングラップリングで、石黒翔也(日本)がジャック・シアー(英国)と対戦。

石黒は柔術衣を着た柔術も、道衣無しのノーギグラップリングも戦う柔術家。2023年12月のIBJJFシドニーオープンでは、ギ&ノーギともにメダルを獲得。
ギはフェザーで優勝、無差別では3位、ノーギはフェザーで優勝し無差別で準優勝という好戦績を挙げている。また、2022年のIREでは今成正和と掌底ありルールで戦い、勝利するなど柔術家の枠を超えた戦いを見せている。
ONEには2024年3月の『ONE Friday Fights 55』で初参戦。寒河江寿泰とサブミッショングラップリングで珍しい日本人対決を行い、判定3-0で勝利。5月にはブルーノ・アセベドに9分19秒、内ヒールフックで勝利を収め35万バーツ(約150万円)のボーナスを獲得した。9月には丹羽飛龍に判定勝ちでONE3連勝。

2025年3月に“ベイビーシャーク”ジエゴ・ヘイスとキャッチウェイトの135.5ポンド契約(61.46kg)で対戦し、6分50秒、キムラで一本負けを喫したが、7月にデニー・システィを6分20秒、リバースネックランクで極めて再起を果たしている。
第3試合ONEストロー級(-56.7kg)ムエタイ3分3Rでは、HIROYUKI(RIKIX)がペッダム・シテラワン(タイ)と対戦。

HIROYUKIは目の良さと身体能力の高さを活かし、打たせずに打つ試合が持ち味。時折、派手な蹴り技も見せる。新日本キックボクシング協会の第6代日本フライ級王者&第12代日本バンタム級王者。RIKIX移籍後は様々な団体に参戦して活躍している。
2024年8月にONE初参戦を果たすとシンサンパーを1R1分28秒、左フックでKOしてみせたが、10月の2戦目ではプラカイペットに惜敗。12月には3戦目に臨んだがパデッスクに初回KO負けを喫した。11月の『Bigbang』で板橋武留を98秒でハイキックKOし、Bigbangバンタム級王座に就いて今回4度目の挑戦。
そして、第4試合のフライ級(-61.2kg)ムエタイ3分3Rで大田拓真(新興ムエタイジム)とイズラエル・ドス・サントス(ブラジル)が対戦。

大田は2023年5月にメキシコ『IRON FIST』でムエタイ世界王座を2R TKOで奪取、7月は新日本キックで王者・瀬戸口勝也を撃破。2023年最終戦(11月)ではNJKFに凱旋、タフな難敵ルークワンを迎えたがボディを効かせ、4Rにローキックで沈めた。2024年2月には笹木一磨を大差の判定に破り、NJKFフェザー級王座に就いている。2025年2月にはTAKAYUKIを4RでTKO、初防衛に成功した。
ONE FFには2023年9月に初出場。従来のイメージを一新するハードな戦いを見せ、乱打戦の末に勝利した。2024年4月の2戦目では、コプターをロープに詰めての右ヒジ打ちで2R KO。8月にブラジルに判定2-1で惜敗してONE初黒星を喫したが、11月にウェイ・ズーチンから勝利を収めている。2025年6月、WBCムエタイ世界フェザー級タイトルマッチで王者アントニオ・オルデンを三日月蹴りでKOし、世界王座に就いた。前戦は10月にルーク・ニ・ミット・シンクロンシーに判定勝ち。
サントスはこれまでラジャダムナンスタジアムで『YOKKAO』などを主戦場にしてきたブラジリアンムエタイ戦士。左右ミドルを蹴り、荒々しい左右フック&ボディ、そしてヒジを打って来るタイプだ。首相撲もしっかり出来るようで大田としては一発をもらわないように注意して戦いたいところだ。
なお、メインイベントではパンパヤック・ジットムアンノン(タイ)がジャオ・チョンヤン(中国/X-Level Fighting Club)とフライ級(-61.2kg)キックボクシング3分3Rで対戦。

パンパヤックは2012年にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座、2013年に同ライトフライ級王座を奪取して2階級制覇を達成。2014年にはルンピニースタジアム認定バンタム級王座、2015年に同フェザー級王座を奪取してこちらでも2階級制覇を達成している。2013年から2015年タイスポーツ記者協会の年間最優秀ファイター賞を3年連続受賞(史上唯一)。
2019年9月からONEに参戦し、RISEフェザー級王者(当時)工藤政英を破ると2024年12月までは4勝2敗。この2敗はいずれもスーパーレックに付けられたもので、スーパーレックとは4勝3敗1分。また、スアキムに2勝、サムエーに2勝、プラジャンチャイとは1勝1敗というトップの実力者。前戦は8月にアサドゥーラ・イマンガザリエフにハイキックで初回KO負け。ONEでの戦績を6勝3敗とした。
チョンヤンは2018年7月のKrushで初来日し、レオナ・ペタスに2RでKO負け。2019年8月にはEnfusion -60kg級王者となっている。武林風を主戦場とし、朝久裕貴とは3度対戦して3度とも敗れた。2025年9月の『ONE Friday Fights 124』に初参戦し、アルマン・モラディをジャブからの右ハイキックで2RにKOしている。
キックボクシングルールは4年ぶりとなるパンパヤックが、60戦42勝をあげているチョンヤンを破り復活なるか。



