王者パントージャの首を狙うヴァン、平良達郎、堀口恭司
バックステージでU-NEXTのインタビューを受けた堀口は、「しっかりとフィニッシュで勝てた、いいパフォーマンスできたんで、日本のファンの皆さんに、喜んでもらえたと思います」と落ち着いた表情。
ランキング11位のウランベコフを相手に“ちょっとこれ危ないな”という場面は? と問われても「もう全然(無い)。落ち着いて全体的に対処できた。最後、自分がチョークを取れて勝てたのも手応えありますね。普段からケージで練習やってるんで、あまり(練習と試合の)違いは感じない」と、9年ぶりのケージ、オクタゴンでの試合の手応えを語った。
そしてあらためてケージで宣言した同門対決について、「本心ですよね?」と問われ、「まあまあまあ、それはやっぱそこ(王者)を目指して。やっぱりね、ジョーク交えてそこにチャレンジしたいっていう意志を伝えたいなと思って」、パントージャもチームも織り込み済みの頂上対決に向かう決意を宣言したとした。
堀口の目標は、アジア人初のUFC世界王座獲得。その頂きに現在立っているのは、前述の通り、同門アレッシャンドレ・パントージャで、12月6日(日本時間7日)の『UFC 323: Dvalishvili vs. Yan 2』ではジョシュア・ヴァンを挑戦者に迎え、5Rの王座戦を戦うことが決定している。
堀口はそのパントージャとの同門対決の可能性について、本誌の取材に「チャンピオンとすごい仲いいんですけど、『お前、俺が行ったらブッ飛ばすから』なんて、すごい言ってます。で(パントージャも)『いいよ。いつでも来い』みたいな感じで」と、勝ち進んでいった場合の同門対決が、ATT内で認められていることを語っていた。その再出発の第一歩が、堀口にとってはアウェイのドーハで刻まれた。
現在、UFCフライ級には、堀口を含め3人の日本人選手が名を連ねており、5位の平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)が12月7日に2位のブランドン・モレノ(メキシコ)と対戦。UFC1勝1敗の鶴屋怜(THE BLACKBELT JAPAN)は8月の試合を負傷欠場し、3月のジョシュア・ヴァン戦以来の再起を目指している(※2連敗の朝倉海はバンタム級転向を表明)。
同階級には、元RIZINのマネル・ケイプ(6位 ※12月13日に3位のブランドン・ロイヴァルと対戦)がランキング入りしており、堀口恭司の勝利により、さらにフライ級戦線が激化することは間違いない。
最後に「応援、皆さん本当にありがとうございました。おかげさまで、こういうしっかりと極めて勝つことができました。またどんどん、UFCのベルト目指して頑張っていくので、皆さん引き続き応援よろしくお願いします」と、力強く語った、元RIZIN二階級制覇王者。
今回の勝利でランキング入りは確実。今後の流れによっては、もう1、2試合をいい形で勝利すれば、一気に王座戦争にからんでくることも予想される。
現フライ級王者はパントージャ、2位が平良と対戦するモレノ、3位がケイプと対戦するロイバル、4位が8月の平良戦を欠場したアミル・アルバジ、5位が12月7日にモレノ戦を迎える平良、そして6位に元RIZIN王者のケイプがランキングされている。
平良が勝利すれば同日のパントージャvs.ヴァンの勝者との対戦が濃厚だ。26年春にUFCフライ級のベルトを巻いているのは誰か? ひょっとすると日本大会で夢の日本人同士の王座戦の期待も高まる、堀口恭司のビッグカムバックだった。





