▼第9試合 バンタム級 5分3R
〇平川智也(同級環太平洋8位/マスタージャパン東京)
[判定2-1] ※29-28×2, 28-29
×青井心ニ(心技舘)
[レフェリー]鍋久保雄太
[ジャッジ]
片岡誠人 29-28(1R 10-9/2R 9-10/3R 10-9)
渡辺明伸 29-28(1R 9-10/2R 10-9/3R 10-9)
石川喬也 28-29(1R 9-10/2R 9-10/3R 10-9)
青井心ニ(心技舘)は、元環太平洋王者の遠藤雄介の秘蔵っ子として兄・太一と共にキッズ、ジュニア時代から活躍。8月31日に行われた新潟大会ではメインに抜擢され、ベテランの一條貴洋を相手に1R KO勝利を飾り、現在2連続KO勝利と勢いに乗っている。昨年から今年にかけて大躍進を遂げた一人と言っていいだろう。
一方、最激戦区と呼ばれるバンタム級で長年に渡りランキングに名を連ねる平川智也(マスタージャパン東京)が約1年ぶりに修斗復活。24年11月の修斗で杉野光星に判定0-2で敗れた平川は、25年2月の前戦で豪州『Eternal MMA 92』に参戦。アラン・フィルポット(アイルランド)にスイッチしての左ハイでTKO負けを喫している。ホームで再起なるか。
また、平川は昼は別の顔を持っており、普段は格闘技の聖地・水道橋に居を構えて30年になる「フィットネスショップ」の店長として従事。多忙な日々を送りながらもコンスタントに試合を行っており、格闘技関係者からは“戦う店長”と呼ばれている。昨年は勝ち星に恵まれなかったがここから巻き返しをはかる。
両選手ともにパンチを中心に試合を組み立て、フットワークよりもプレッシャーを掛けて仕留めに行くスタイル。サウスポー構えの平川に、オーソドックスの青井には跳びヒザの武器もある。両者はどんな位置取りで先に当てて主導権を取るか。トップ戦線に上がるのは平川か、青井か。
1R、サウスポー構えの平川は前後のステップから左の飛び込み。青井は広いスタンスで、平川の入りに右ヒザをかすめる。
ワンツーの右を突く青井に、左を刺す平川は青井の左をかわして左! 青井は右に回る。さらに平川は左前蹴りを腹に。青井の左前手フックをかわす。
右から左の入りでボデイから顔面を突く平川に、右ヒザを狙う青井。右外足を取る平川だが入りに青井の右ヒザがまたもかすめる。
左インロー、前蹴りの平川。青井も右前蹴り、ワンツーの右がヒット! ワンツーで入る平川は青井の打ち返しをダックでかわす。
2R、前後に小さくステップする平川は右前手フック。青井は右オーバーハンド、左フックは空振り。左インローの平川は右の飛び込み。左ボディをヒット! 青井のヒザを警戒し、右外足を取って左の入りに、青井も右を返す。
右ストレート、右の蹴りの青井の圧力に潜って組んだ平川。ボディロックから小外刈テイクダウン! サイドに回った瞬間に青井がスイープで上に。残り20秒。平川は顔面から出血。足をさばく青井に、平川も立ち上がりゴング。平川のラウンドか。
3R、右のストレート、右蹴りの青井に、平川も左右で前に。レベルチェンジを見せて青井の左フックを潜って入るが、そこに青井はシングルレッグで尻を着かせる。コーナー背にすぐに立つ平川。首をがぶり、ブレーク。
レベルチェンジを見せて入る平川は左フック、右フック。さらに左を突いてからダブルレッグへ。スプロールする青井に先に頭を上げてがぶりは平川。
立った青井は振りが大きい、平川は左、青井も左を突くが、そこにダブルレッグからボディロック&小外がけテイクダウンは平川!
ハーフから胸に頭を当てて背中を着かせた平川げがぶりヒザ、さらに立ち上がりに右を振ってコーナーに押し込んでそこに青井がヒジを落としてゴング。
判定は2-1(29-28×2、28-29で平川が勝利。接戦を制した平川は「マスタージャパン東京、フィットネスショップ水道橋店長の平川智也です。心技舘の青井心二選手、師匠にあたる遠藤雄介さん、ずっと見てきて、(ラスカル時代の師匠の)五味(隆典)さんとの繋がりもあって、自分のなかでは“修斗伝承”だと思って、ずっと準備してきました。明日は子供の運動会、『勝ったぞ!』。タフファイトを制せて良かったです」と語った。




















