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2025年11月3日のRIZIN神戸大会、大規模改修工事前最後の年末のさいたまスーパーアリーナ大会(※26年1月から最大18カ月休館)に向け、RIZINフェザー級戦線が揺れ動いている。
9月28日の『RIZIN.51』で王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)が、挑戦者ビクター・コレスニック(ロシア)を1R わずか33秒 TKOで退け、王座防衛。
11月の『RIZIN LANDMARK 12 in KOBE』では、元フェザー級王者のヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)と、初参戦の松嶋こよみ(IDEA ASAKUSA)が対戦。摩嶋一整vs.木村柊也、萩原京平vs.秋元強真も組まれている。
そんな中、朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)が9日、SNSでライブ配信を行い、年末の『RIZIN』参戦について言及した。
視聴者から大晦日の試合について問われた朝倉は「大晦日、誰と戦いたいとかは別にないんだけど、まだ試合に出るか分からない、そもそも。まだ決まってないっていう時点でヤバいでしょ。やるならやるで早く決めてもらわないとっていう感じだし。まあ、何かファイトマネーの交渉とかも色々あるんで、どうなるか分かんないです。そんな期待しないで待っててもらえたら」と、参戦自体が決まってないとしたうえで、かねてから希望していた王座挑戦についても語った。
「シェイドゥラエフとやる勇気ありますか?」と問われた朝倉は一笑に付して、「あの……あなたたちの感覚と違くて、“誰とやると怖い”とかそんなんないですよ、格闘家は。誰とだってやろうと思えば出来るよ。
“シェイドゥラエフから逃げんな”みたいな、コメントがたまに来るんだけど、別に全然、逃げるとかはなくて、そもそも俺が(シェイドゥラエフに)勝てると思ってるヤツ、めっちゃ少ないじゃん。だったらやった方が得だよねってのはある」と、無敗の王者と戦い、アンダードッグの評価を覆す可能性のある試合を「得」と表現した。
一方で、ビッグマッチ成立のために、プロモーションと両選手の条件を合わせることが容易ではないとし、「俺も今まで何試合もやってきてるじゃん。“誰が怖いとか、試合に負けるのが怖い”“誰から逃げる”とか、そういうのは無いんですよ。ただそのファイトマネーとかの交渉とか、色んな別のところで問題が起きたりすると思うんで“いま、してる”んで。そこはまた待ってもらって。試合が決まれば発表しますんで」と、交渉のボールはRIZIN側に渡してあり「早く決めてもらわないと」と提示を待っていることを示唆した。
“絶対王者”に挑戦の意欲を持ち続けながらも一方で、約1年2カ月前に敗れた平本蓮へのリベンジも忘れていない。平本戦での1R TKO負け後、鈴木千裕、クレベル・コイケを撃破するなど、完全復活を遂げている朝倉は、「平本(蓮)が復帰するんだったら、年末俺がやるけどね、さすがに。(平本との前戦が)終わってから2戦勝ってるんで権利はあると思うし、負ける気、一切しないね」と、リベンジに自信。
「まあ、どっちにしても、俺らがやる・やらないとか、そういう問題以外の──平本自体もそうだと思います。格闘技ファンがいくら“誰々とやってくれ”って言ったとて、団体との交渉みたいなのは個人個人であるんで、だから組まれなかったから逃げた、とかではないんでね」と、様々な要因が重なり、試合が実現しないことはあるとした。
「平本が復帰するんだったら、年末俺がやる」という朝倉が発言したこの日、平本もSNSに次戦に向けて動きがあったことを投稿している。
25年2月に右肩の「外傷性肩関節不安定症」による手術を受けている平本は9日、「来たるべき平本蓮復帰戦の話を榊原社長としてきました。やっとRIZINのメインストーリーが進みます。今年は意味のないサブストーリーばかり見せて申し訳ありませんでした」と投稿。復帰に向けて具体的な話し合いに入っていることを明かした。
来たるべき平本蓮復帰戦の話を
— 平本蓮Jr. (@renhiramoto1998) October 9, 2025
榊原社長としてきました
やっとRIZINのメインストーリーが進みます。
今年は意味のないサブストーリーばかり見せて申し訳ありませんでした🙇@rizin_PR pic.twitter.com/1ePVdFleee
その平本にとっての「メインストーリー」はどんな相手との試合を指すのか。
シェイドゥラエフの試合を目前で解説した平本は「前に出てプレッシャーかけさせずに、真っ向からレスリングとボクシングの勝負するしか勝てる方法ないなって。俺しかいないっすね。それが出来るのは。それは自信あります」と、中央アジアの強豪相手にもスタンドのプレッシャーで下がらないと自信を見せている。
また、2日前には、MMA12勝3敗の“タシケントの闘犬”イルホム・ノジモフが唐突に、タイのジムで平本蓮の顔写真を正拳で突き破り、中指を立てる動画をアップしたばかり。日本語で「この小僧を年越しの夜にくれ 俺が最高の花火を見せてやる」と投稿し、平本との対戦をアピールしている。
この小僧を年越しの夜にくれ🔥@renhiramotoX
— Ilxom Nazimov イルホム ノジモフ (@IlxomNazimov) October 7, 2025
俺が最高の花火を見せてやる💥@rizin_PR @nobu_sakakibara @MmaShingo @RIZINTV_ #イルホムノジモフ pic.twitter.com/WS6vy2BJte
1人抜けた強さを見せるシェイドゥラエフ以外のコンテンダー争いは「群雄割拠」だ。
「クレベル、ケラモフ、朝倉未来の3人と1日でやってもいい」「(ライト級王者の)サトシのベルトを獲ろうか」という自信に満ちた王者への挑戦について、榊原CEOは「チャンピオンはコレスニックに33秒で勝っている。ケラモフが松嶋相手に33秒以内にフィニッシュすれば、一気にタイトル戦線に浮上するんじゃないか。ただ、前回の木村(柊也)戦を見る限りでは、(現段階では)次のコンテンダーの最右翼だとはなかなか言えない」と、厳しい見方を示し、6月の新居すぐる戦で衝撃KOを決めたノジモフについては、「このままいけば大晦日にノジモフの試合を組もうかなと思っているので、そこでそれなりの相手を用意してノジモフが圧倒的な強さで勝ってくれば、当然、チャンピオンに挑むコンテンダー争いに入ってくる」と、上位戦線への査定試合となる「それなりの相手」を用意するとしていた。
ケラモフには「“勝ち方”が問われる。プロモーターだけでなく、ファンが“いや、次は彼でしょう”という勝ち方をすれば、大晦日(王座挑戦)もワンチャンあるかもしれない」と、フィニッシュ勝利でも“ワンチャン”という狭き門を示していた榊原CEO。
果たして、次の挑戦者は誰になるのか。朝倉未来はベルトと、平本へのリベンジとどちらを先に望むか。そして平本の復帰戦の相手は誰になるか。






