2026年4月11日(日本時間12日)、米国フロリダ州マイアミのカサヤセンターで開催される『UFC 327』で「UFC世界フライ級選手権試合」(5分5R)として、同級王者のジョシュア・ヴァン(ミャンマー)に、同級3位の平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)が挑戦することが22日、正式発表された。
初防衛戦に向け、「次は平良達郎と戦う」と語っていたヴァンは、UFC男子初のアジア人王者。この試合はUFC初のアジア生まれの男子ファイター2人によるタイトルマッチで、平良が勝てば日本人初のUFC世界王者となる。平良は「チャンピオンを倒してベルトを日本に持って帰ってきます」とコメントを寄せた。
▼UFC世界フライ級(56.7kg)選手権試合 5分5R ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)王者 16勝2敗(UFC9勝1敗)※UFC6連勝中平良達郎(日本)18勝1敗(UFC8勝1敗)3位
平良は、Theパラエストラ沖縄(現THE BLACKBELT JAPAN)に入門し、2017年の全日本アマチュア修斗フライ級優勝から18年にプロデビュー。21年に修斗世界フライ級王座を獲得し、22年からUFCに参戦。オクタゴンで6連勝を記録後、24年10月に同級1位のブランドン・ロイバルにスプリット判定で敗れプロ初黒星を喫したが、25年8月に当時無敗のパク・ヒャンソンに2R リアネイキドチョークで一本勝ちで再起。
25年12月の前戦で2位のブランドン・モレノに2R TKO勝ち。王座挑戦をアピールしていた。身長170.2cm、リーチ177.8㎝。MMA18勝(6KO・TKO/8一本)1敗。沖縄のTHE BLACKBELT JAPAN所属、26歳。
ミャンマー出身のヴァンは、母国の情勢悪化のため、10歳の時にマレーシア難民キャンプへ移住し、2013年に米国テキサス州ヒューストンへ移り住んだ。21年のMMAデビューからわずか1年2カ月の8戦(7勝1敗)でUFCとの契約を決めると、23年6月から3連勝。24年7月にチャールズ・ジョンソンに3R TKO負けで初黒星を喫した。しかし、その後も連勝街道に。エドガー・チャイレス、コーディ・ダーデン、鶴屋怜に判定勝ちすると、25年6月にブルーノ・シウバを3R 右フックでTKO。わずか3週間後、マネル・ケイプの負傷欠場による緊急オファーを受けて1位のブランドン・ロイバルと対戦。残り10秒でダウンを奪い判定3-0で勝利。25年12月、王者アレシャンドレ・ パントージャに挑戦し、1R、右ハイキックを掴んでテイクダウン、パントージャがマットに着いた左ヒジを脱臼した為、棄権TKO勝利。6連勝でミャンマー人及びアジア男性選手として初のUFC世界王者となった。身長・リーチともに165.1cm。MMA16勝(8KO・TKO/2一本)2敗。4oz. Fight Club所属、24歳。
ヴァンは近い距離でパンチを交換させて、相手の組みを切って殴るストライカー。対する平良は、近年進化が著しい長い打撃から組んでサブミッションを極める、あるいはポジションを奪って削るグラップラー。ともに性格の異なるスタイルを持つ。
ヴァンの2敗はキャリア初期の3戦目のリアネイキドチョークでの一本負けが一つ。もう一つは前述の自身より長身のジョンソンの右アッパーでのKO負け。一方の平良は、ロイバルとの立ち合いの末にスプリット判定で敗れた1敗のみ。
互いの短所が相手にとっての長所となる相性だが、ヴァンは平良と同門の鶴屋の組みを切り、テイクダウンされても立ち上がることに成功し、平良も打撃巧者のモレノを組みのプレッシャーのスタンドで下がらせている。
【写真】平良のロングインタビューが掲載された本誌『ゴング格闘技』NO.342
平良とヴァンは2024年6月の『UFC 302』で一度マッチアップされたが、平良は5月のティム・エリオット戦からヴァン戦に変更&スライド。さらにそれが変更となり、2週間後に当時5位のアレックス・ペレスと戦い2R TKO勝ちしている。ヴァンもスムダルジ→平良→タギール・ウランベコフに変更となった末に、7月にジョンソンと戦い、苦い敗戦を喫した。ヴァンにとっては、そこから6連勝で這い上がっての戴冠となる。一度は対戦する予定だった相手をそれぞれがチームとともにどんな分析・研究を経て、王座戦に向かうか。
UFC初の2000年代生まれの2人によるタイトルマッチ。ともに20代半ばで試合毎に成長を続ける両者が、今回の世界の頂点をかけたアジア対決でいかに進化を見せるか、平良に戴冠のチャンスもある、注目のフライ級世界タイトルマッチだ。