MMA
インタビュー

【RIZIN】榊原CEO「シェイドゥラエフがフェザー級で1日に3試合と言ってるならば、サトシとやった方がいいんじゃないか」「朝倉未来とも話し合っていきたい」「大晦日はスタジアムverで」

2025/09/29 12:09
 2025年9月28日(日)愛知・IGアリーナにて『RIZIN.51』が開催された。  ライト級とフェザー級の2大タイトルマッチ、フライ級GP準決勝、ヘビー級GP決勝戦など全18試合が行われた同大会後、榊原信行CEOが大会総括で会見。記者からの質問に答えた。 扇久保と元谷には、いぶし銀のJMMAの底力、レベルの高さを ──試合後の総括をお願いします。 「名古屋大会、ありがとうございました。途中、もつれ込む試合が多くて重たい展開で判定も多くてどうなるのかなと思ったんですが。セミ・メインが、本当に度肝を抜かれるぐらいの、RIZIN王者として胸の張れる素晴らしい両階級の王者だな、と。この2人によってこのIGアリーナ初の興行をしっかり締めてくれたんで、プロモーター的には少しホッとしています。  後半戦、元谷vs.神龍も素晴らしい判定にはなりましたけど、もうすごいスリリングでレベルの高い試合を見せてくれましたし、まあ、フライ級GPの2回戦もう一つの扇久保vs.ガジャマトフもまあ、扇久保って本当強いんだなっていうことを改めて今日のガジャマドフトの試合を見て(感じた)。この扇久保のスタイルを凌駕するぐらいのフィジカルなのか、テクニックなのかを持ち併せる選手じゃないと、難攻不落の扇久保選手を攻略できないのかなというふうには思います。いずれにしても扇久保と元谷が大晦日、フライ級という階級の決勝でリマッチに挑むということになりました。  彼らもキャリアでは終盤に向かっている2人だと思いますので、いぶし銀のJMMAの底力というか、レベルの高さを見せつけるような。本当に世界中のファンを魅了するような試合を期待したいと思ってます」 ──初のIGアリーナでの開催については? 「さいたまスーパーアリーナが僕らのホームアリーナということで話をさせていただいているんですけども、日本のへそというか、中心地にこのアリーナができた。今日も大村(秀章)知事に来ていただいて、この地域の皆さんに、色々お力添えいただけたことを、この場借りて、御礼申し上げたいと思います。  昨今、本当にBリーグが活性化する中で、アリーナが全国地方都市にたくさんできていて、その中でも一際サイズが大きくて、今日も1万7千人札止めということで、2万人近いキャパが入るあのアリーナで、さいたまスーパーアリーナに次ぐ魅力的なアリーナだと思います。RIZINのプロダクション、ライブエンターテインメント、ライブコンテンツとしてし1試合目からメインまでノンストップでみせていくっていうRIZINのスケール感を表現するには素晴らしい会場で、場内にぐるりとリボンというビジョン、電光のLEDが入っていて、海外のアリーナはもう基本入ってるんですが、日本のアリーナは少なくて、さいたまスーパーアリーナが改修したら入るといいなと思ってるんですけど、そういうアリーナとしてのサイズ感とかスケール感とか広がり、奥行きが出るので素晴らしい。上方のビジョンも八角形になっていて、どの角度からも見やすいというところも含めて、機能も素晴らしいアリーナなんだなというふうに思っています」 [nextpage] シェイドゥラエフはあまりにも強すぎるから── ──先ほどのインタビューで、シェイドゥラエフ選手は、「次は大晦日に防衛戦をやりたい」と言っていましたが、あの強さを見せつけられて誰が挑戦者にふさわしいと考えますか。 「まあちょっとしっかり考えなくちゃいけないところだと思いますね。本当に仰る通り、あまりにも強すぎるし。これサトシにも言えることなんですけどね。やっぱり2人がやった方がいいんじゃないかなっていうぐらい、プロモーター的な感覚からすると、シェイドゥラエフが1日に3試合、3掛けしてやるぐらいのことを言ってるとするならば、シェイドゥラエフ自身も、階級上げてチャレンジするっていうことも前々から言ってる記事を読んでいますし、サトシにしても考えを教えてもらって、いろんな選択肢・可能性をしっかり考えて10周年の最後のトリとなる大晦日に相応しいラインナップを考えていきたいと思ってます」 ──ファンとしては、フェザー級でクレベル選手に勝っている朝倉未来選手がここに来るのかっていうのもかなり注目度高いと思うんですが。 「そうですね。その可能性も充分ありますし、未来自身も7月の時にも『シェイドゥラエフに勝てるのは自分しかいない』って言ったり、『大晦日、皆さんまたお会いに来てください』っていう言葉も残してますので、朝倉未来ともしっかりこのシェイドゥラエフの試合結果を受けて、本人の体調も含めて話し合っていきたいなと思ってます」 ──フライ級級決勝の2人が扇久保選手と元谷選手に決まりました。このベテランが結果的に残ったことについては、若手の奮起をもう少し促したりとか、そういう思いはありますか。 「やっぱり総合格闘技って奥が深いというか。若い選手たち、神龍も本当によく頑張ったし、レベルアップもしてますし。でもまだあの元谷と扇久保、この2人をもう一歩のところで越えられない。でも日本にこのレベルの選手がいてくれることっていうのは、今のフライ級の若い選手にとっては本当に未来のあることだと思っています。  この元谷と扇久保を比較をする気はあまりないですけれど、UFCのフライ級にももちろんトップ選手たちはたくさんいますけど、そのトップ戦線で戦うランカーの人たち、まあタイトルに絡むような選手たちとも引けを取らないだけのレベル、経験を持っている選手なので、近い将来、本当にこの2人の首を取る、圧倒的な強さで 時代を変える、できれば日本人選手が現れてきてくれたらいいなと、そう思ったんですけど、まだまだ、この2人のレベルは、本人たちも『今が最盛期だ』っていうぐらい総合格闘技って、実は年齢がいってからも、フィジカルの衰えを充分、経験とか技術などいろんなもので凌駕していけるスポーツでもあるので、まずはこの日本が生んだフライ級の宝の2人が大晦日、どんな試合見せてくれるか期待したいなと思います」 [nextpage] 佐藤将光に勝ったサバテロは「第一コンテンダー」だけど ──バンタム級でいぶし銀対決をサバテロ選手が制して、王者の井上直樹選手をコールアウトしましたが、それは年内にタイトルマッチの可能性もありますか。 「そうですね。まあ、いろいろ直樹とも話をしたいと思いますけど、今は『第一コンテンダー』でいいと思ってます。そのつもりで育てようと。今回の勝者に次の挑戦権を与える流れでがいいかなと思ってましたが、プロモーター的な、そしてファンの目線からすると、圧倒的に佐藤将光に一本勝ち、KOでサバテロが勝っていれば、この場で『サバテロで行きます』というふうに僕も言えるんですけど、どうかなっていう。まあもう1試合ぐらい誰か挟んでからにしようかな? とか色々考えちゃいますよね。それでいて結構、しつこい。あの“漬け”にみんな苦しむじゃないですか。あの試合展開もまあまあファンからすれば“殴り合えよ”っていう。“もう決着つけに行こうよ”っていう感じになりがちな試合なんで、ちょっと考えますね」 ──そうさせなかった佐藤選手が強かったんでしょうね。 「強かったですね、将光は。本当に僅差だと思います。スプリットですしね。最近スプリット判定が多いんですけど、本当にこれだけレベルを合わせて、JMOCの皆さんも日夜、(ジャッジの)レベルアップなり、自分たちの裁定基準っていうものを統一していく作業をしている中でもスプリットになるっていうのは、よほどの僅差ですから。佐藤選手もまた見たいなと。そう思ってます」 ──リザーブマッチのアーセン選手が勝利し、決勝進出の2人に何かあった場合は、リザーバーとして決勝に上がる、という認識でよろしいでしょうか。 「ちょっとそれも考えたいですよ」 ──まだ決まってないのですね。フライ級ではGP以外に、富澤選手と平本丈選手が熱い試合をしました。タイトルにはまだ遠い2人ではあると思うんですけど、やっぱりいろんな数字は高かったと思います。数字を求める試合だったり、勝負論のある試合とか、いろんなものがあってRIZINだと思うんですけれども、あの試合については? 「本当にすごく素晴らしい試合でしたよね。あの、これも判定ではありますけども、本当に負けたくないんだなっていう、男の意地みたいに最後、打ち合う姿も心打たれましたし、富澤も序盤、リアネイキドチョークで取られたというふうに、見てる皆さん、ほぼそう思ったところまで行ったところからオーバーして、判定勝ちをもぎ取る。こういう若手がハングリーにゴリゴリやってくれていることが本当、僕らの力というか、血肉になってるなと思いますし、あの試合を見て、若い選手たちがまた刺激を受けて挑んできてほしいなと思います。素晴らしかったです」 [nextpage] 改修前最後の大晦日さいたまスーパーアリーナはスタジアムバージョンで ──一般の人、格闘技のコアじゃない人を惹きつけるような試合というのも……。 「まあ、もちろんですね。本当に玄人好みの、“ザ・MMA”っていうものだけを追い求めるわけではないので。本当にそれぞれのファイターとファイター、今はRIZINのMMルールですけど、その試合、選手同士の果たし合いが、最も活きるルールにしたいというふうに思っていますので、基準としてはMMAルールのRIZINルールっていうものをベースに置きながら、ケースバイケースで、いろんなルールでの試合があっていいというふうに僕らは思っています。リングの良さはそういうところでもあると思ってますから。  これからもいろいろ志の高い選手たちと共に──そういう意味で言うと、梅野と芦澤の試合もトップレベルのMMAファイターからしたら、まだまだ全然ですけども、やっぱりそこには互いに譲れないプライドというか、誇りをかけたしのぎ合いというか、戦いもまた、見る側からすると醍醐味があると思います。そういったいろんなものをラインナップしていきたいなと思います」 ──いろんなラインナップということで、一つは今日ヘビー級トーナメント決勝がゴールしました。「最後まで弾けることはなかったですけど、ただやり続けないとね。僕らはヘビー級という階級を諦めてはいないので。特に海外に届けていくことを考えると、やっぱりこのヘビー級をもう1回活性化させたいっていうのは、RIZINという舞台を作るプロモーターとしては一つの課題、テーマだと思っているので。今回、グランプリの覇者として、2025年のグランプリは終わりましたけど、引き続きヘビー級を磨いていく努力は諦めずにしたいと思っています」 ──11月3日に神戸大会もあって、大晦日もあっという間だと思いますけど、10周年最後の締めの大晦日としてはもういろんな仕掛けも? 「そうですね。まあ、ここからですけどね。もちろん11月の結果も踏まえてになると思いますが、いろいろ10周年にふさわしい。さいたまスーパーアリーナスタジアムモードで行こうと思っていますので。さいたまスーパーアリーナもそこから1年半ぐらいの改修に入ることもありますから。やっぱりみんなの記憶に残る祭りをまた大晦日に作りたいなと思っています」
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