キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】松嶋こよみが“究極打撃格闘技ルール”に初挑戦「『誰だよ、こんな危ないルールを作ったのは!』と思われるような試合ができたら」

2025/08/22 11:08
【KNOCK OUT】松嶋こよみが“究極打撃格闘技ルール”に初挑戦「『誰だよ、こんな危ないルールを作ったのは!』と思われるような試合ができたら」

LFAと契約中もなかなか試合が組まれなかった松嶋がKNOCK OUTに初参戦

 2025年8月29日(金)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT.56 New beginning』(U-NEXT配信)にて、パウンド、サッカーキック、踏み付け、ヒジ打ちありの“究極打撃格闘技ルール”UNLIMITEDに初挑戦する松嶋こよみ(IDEA ASAKUSA)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 松嶋は散打とボクシングをバックボーンに持つ、MMA戦績7勝(3KO)2敗のジャン・チャオ(中国/中山拓武ジム/CFP)と対戦する。

こんなのやる人がいるんだと思ってた

──今回はUNLIMITEDルールで初参戦となりました。MMAの試合がなかなか組まれないという状況の中、でもまさかこのルールで、という感じだったのでは?

「そうですね。やっぱりMMAで試合をしたいという思いはすごくあったんですけど、とはいえ、待っている間どうしようかなという中でこういうお話をいただいて。キックボクサーだったりムエタイ・ファイターだったり、打撃の強い選手と戦えるということを考えると、自分のMMAにさらにいいアクセントになるなと思い、『いいお話だな』と思って試合を決めました」

──そこに至るのはどういうつながりだったんですか?

「以前から良太郎さんにセコンドについてもらっていて、team AKATSUKIにも練習に行っていたので、その流れでつないでいただいた感じですね」

──そのオファーが来るまで、UNLIMITEDの試合に関心はあったんですか?

「関心というほどではないんですけど、ONEだったりでムエタイがオープンフィンガーグローブ(OFG)でやるようになったりして、いずれはもっとMMAに近いものも出てくるんじゃないかなと思ってたんです。そこに、UNLIMITEDがさらにMMAに近くて過激なルールとして出てきて、『こんなのやる人がいるんだな』と思ってました(笑)。その頃は、まさか自分がやることになるとは思ってなかったですけど(笑)」


──UNLIMITEDも試合数を重ねてきて、選手や指導者の間でも「MMAに近い」「いや、そうじゃない」といろいろな意見があります。松嶋選手の実感で言うと?

「ラウンドの時間だったりブレイクの早さでいうと、『打撃にテイクダウンがついただけ』というイメージかなと思っています。シュートボクシングにグラウンドが加わった感じというか。とはいえ、MMAファイターの方が投げも組みもできるので、MMAに近いというよりは、『打撃寄りのMMA』という感じかなと思ってますね」

──KNOCK OUTというイベントについてはどうですか?

「僕はもともとキックボクシングの試合を見るのが大好きで、以前のKNOCK OUT、那須川天心選手とか、それこそMMA選手で言うと金原正徳さんが出ていた時代からよく見ていて、好きな団体でした。だからこういった大会に出られるのはすごくうれしいです」

──そして今回の試合は八角形リングで行われますが、そこは?

「たまに海外の大会でそういうところもありますが、そこはあまり気にはしていなくて。ケージじゃなくてリングなので、ロープの際のあたりは気をつけたいとは思っています」

──今回は中国のジャン・チャオ選手との対戦になりました。対戦相手候補は複数いたんですか?

「自分の希望としては、キックボクサーやムエタイの選手、打撃の強い選手と打撃で戦いたいと言っていたんですが、そこでは決まらず、こういう形になりました。ただ、あまり侮れない相手だなとは考えています」

──ジャン・チャオ選手の印象は?

「試合の映像をチラッと見た感じでは、フレームも大きいし、パワーも間違いなくありますよね。動きが固い分、パンチとかも力があるんじゃないかと考えています」

──一番警戒するのはそこですか?

「そうですね。まあ、スピードはそんなにないと思うんですけど、前手のジャブとかはけっこう鋭く打ってくるので、かち合う感じにはならないようにしたいなと思っています」


【写真】現在RIZINで活躍するダウトベック(右)と2024年1月に対戦している松嶋

──どう勝ちたいと思っていますか?

「せっかくKNOCK OUTのUNLIMITEDというルールなので、ただただ普通に勝つというのではなくて、このルールでまだ誰も使ってないであろう技とかを見つけたいなと思っています。加えて、自分のMMAをさらによくしていけるようにというのを考えて試合に臨みたいです」

──松嶋選手の場合は、本道はあくまでMMAということですよね。

「ですね。『今からUNLIMITEDの選手になります!』ということではないというか。もちろん、またいい相手との試合が組まれるお話がいただけるようであれば、また出ることもあるでしょうけど、基本的にはMMAを自分の軸にしていくというのは変わらないので」

──参戦が発表された時は、どういう反響でしたか?

「身内からは『いい試合なんじゃないか』と言われることが多かったですね。試合が組まれなくて、次がいつになるか分からない現状があったので、『こういう話をもらえてよかったね』という声もありましたし、それこそ良太郎さんは『このルールでも絶対強いはずだから楽しみ』と言って僕を推薦してくれていたみたいなので、そういうのを裏切らないように頑張りたいですね。まあ、MMAじゃないというところで、SNSでは批判的なことを言われたりもしましたけど」

──まあ、ネットはいろんなことを言ってくる人がいますからね。ただ松嶋選手はMMAでも実績があるので、こういうルールに臨むにはリスクもあるかと思うんですが、そこはいかがですか?

「リスクについてはあまり考えなかったですね。オファーをいただいてから今まで、『こういうリスクがあるな』というのは出てきてなくて。もちろん実戦ではあるんですけど、いい影響しかないんじゃないかと、自分の中では捉えてるんですね。負ける可能性もありますけど、それを気にしていたらどの試合もリスクになってしまうので、そのへんを考えると、そういうリスクはなく、挑めるんじゃないかと思っています」

──ところで、今回から所属が「IDEA ASAKUSA」に変わりましたよね。これは松嶋選手が代表になるということですよね?

「そうですね。以前の代表が亡くなって、ジムを潰すか今後どうしていくかというのを考えて、自分がやっていくということに決めました。ちょうど、自分でジムをやっていこうと決めた頃にこの試合のオファーをいただいたんですね。ジムを宣伝するにしても、やっぱり自分が試合をしないと、こういう風に話を聞かれることもないので、ありがたいなと思いますね」

──ジムとして一発目の試合としても、いい結果を出したいところですね。

「本当に。ジムの人たちも応援ができるというのが、一つになれる機会でもあるので、自分が戦うことで、みんながついてきてもらえるように頑張るしかないので、やっていこうと思っています」

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

「UNLIMITEDルールは、まだそこまで怖さとかが伝わっていない気がするので、僕の試合を見て他の選手たちが『これはやりたくないな』と思うような試合をできたらなと思っています。『誰だよ、こんな危ないルールを作ったのは!』と思われるような試合ですね」

──あまりにヤバくてUNLIMITEDがやれなくなってしまうような。

「はい、最後の試合になるかもしれません(笑)」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント