パトリシオ「ヤイール戦用に空手のトレーニングを再開した」(会見)
――UFCのファイトキットを着てメディアデイに登場されました。今週のファイトウィーク、特に初めてUFCのショーツを着た感想を教えてください。
「俺のキャリアの中で、この瞬間をずっと待ってた。だから今、すごく嬉しいよ」
――ここまで、想像していた通りの展開ですか? もちろん試合がメインですが、記者会見やメディアデイなど、それ以外の部分については、これまでのBellatorでのキャリアと比べていかがですか。
「Bellatorでも良い経験をしてきたし、日本のRIZINも大きな舞台だった。でも、UFCにいるっていうのはやっぱり特別だよ」
――対戦相手のヤイール・ロドリゲスはダイナミックなファイターです。どんな準備をしてきましたか。彼がこれまでの相手と違う点は?
「今回のキャンプで一番大きな変化は、空手のトレーニングを再開したことだ。俺にはエリカ・サントス(※Karate Combat参戦中)っていう、ブラジルでも有名な空手の指導者がいてね。彼女と一緒に、ヤイールのスタイルに特化したトレーニングを積んできたよ。彼のダイナミックな動きや独特なスタイルに対して、しっかり準備してきた」
――マイケル・ビスピンが「パトリシオはこれまでに蓄積されたダメージが心配」とコメントしていました。それについてどう思いますか?
「マイケル・ビスピンは格闘技をよく理解してる人物だし、彼の意見には敬意を持ってる。でも、俺自身はキャリアの中でそれほど大きなダメージを受けてきてない。ノックアウトされたのは一度だけ(※2023年の『超RIZIN』に70kg契約で緊急参戦。鈴木千裕に1R TKO負け)。それも試合も含めて、ジムのスパーリングでもだ。身体のケアには常に力を入れてきたし、フィジカルの維持にも取り組んできたからな」
――アーロン・ピコがUFCと契約したというニュースが出ました。かつて対戦の噂もあった彼の参戦について、どう感じていますか?
「去年、日本で彼と戦う予定だったけど、それは実現しなかった。だから、今回のニュースはすごく楽しみだよ。あの試合を実現させたいと思ってる。彼は素晴らしい選手だし、どちらがBellator最強だったか、はっきりさせたいね」
――ファンの間では「2人ともUFCに来ないと試合が実現しないなんて面白い」と言われています。Bellatorでは長年できなかったのに、UFCに来た途端に期待されるという状況について、どう思いますか?
「正直、なんであの試合が実現しなかったのか、俺にもわからない。ピコがタイトル戦線に絡めなかったってのはあるかもしれないけど、あの試合は普通に成立してたはずなんだ。UFCでこの試合を実現させたい。ピコにとっては、ちょっと冷や水を浴びせる形になるかもしれないけどね」
――ケイラ・ハリソンやMVP(マイケル・ヴェノム・ペイジ)のように、他団体からUFCに来た選手たちは「ファンに知られているか不安だった」と言っていました。あなた自身は、ファンの反応に驚いたりしましたか?
「俺自身、そこまで気にしてなかった。試合に集中してるからね。ただ、格闘技を追いかけてるファンたちにはちゃんと認識されてると感じてるし、UFCっていう舞台は他の団体に比べて注目度も高いから、より多くの人が俺のことを知ってくれてるのは嬉しいよ」
――Bellator時代は、ブラジルで試合をしたいと言っていましたが、実現しませんでした。UFCは年に一度か二度ブラジル大会を開催しますが、UFCとはその点について話しましたか?
「俺としては、UFCブラジル大会で試合をしたいっていう気持ちは強く持ってる。これまで一度も叶わなかったけど、今なら可能性がある。UFCとはまだその話はしていないけど、俺はいつでも準備できてるよ」
――最後にもう一つ。何年か前にヴォルカノフスキーが100万ドルの賭けの話をしていましたが、それについて最近話しましたか?
「先月ラスベガスでの記者会見のときに、俺のほうから彼に声をかけて『まだその賭け、生きてるのか?』って聞いたら『まだ有効だ』って言ってたよ」
――PFLがBellatorを買収したとき、あなたは試合が組まれないことに不満を持っていました。もし違う状況だったら、今でもBellatorに残っていたと思いますか?それとも、UFCに来るのは元から夢だったんですか?
「俺はずっとUFCに来たいと思ってた。ただ、現実的にチャンスがなかった。でも、Bellatorにいた間は、契約通りにすべてが進んでいたし、チャンピオンとして契約が延長されていた。それが自分の責任だったから、俺はそれを守ってきた。俺にとって一番大事なのは、自分の言葉と名誉だ。でも、PFLが買収してからは、自分が求めている形で契約が尊重されていないと感じたんだ。だから、これはチャンスだと思って動いた。でも、俺は彼らの成功を願ってる。格闘技界が生き残るためには、他の団体も必要だからな」
――今UFCに来て、いろんな可能性が広がっていると思いますが、同じブラジルのレジェンド、ジョゼ・アルドとの試合の話も出ていますね。彼は今バンタム級ですが、あなたにとって興味あるカードですか?
「アルドは長い間チャンピオンとして戦ってきた。俺もそうだ。彼はUFCで、俺は別の団体で。今は同じ舞台にいるから、ブラジルでその試合をやるのも面白いかもしれない。俺の希望というわけではないけど、UFCがその試合を提案してくれるなら、俺は喜んで受けるよ」
――マイケル・チャンドラーがさきほど「あなたに謝った」と話していましたが、どういう内容だったんですか?
「ああ、さっき話しかけてきて、『あのときはちょっと言い過ぎた、いろいろ辛い時期だった』と言ってきたんだ。俺の兄貴と戦った後に、感情的になってたみたいだな。でも、彼のほうから謝ってきたし、俺はその謝罪を受け入れたよ。男として、そういう姿勢には敬意を持ってる」
――パディ・ピンブレットがUFC PIであなたに連絡を取ったそうですね?
「ああ、ベガスで連絡をくれて、PIでいろいろ見たりした。でもお互いスケジュールが合わなかったから、そこまで深く絡めなかった。彼はチャンドラー戦に向けて、俺の助けを求めてくれたんだ」





