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【ONE】山北渓人がアディワンにグラウンドヒザで完勝! 手塚裕之はリーポンにTKO負け、プラジャンチャイがバルボーサをヒジでTKOストップ、フライ級転向のノンオーにゴントーラニーがスプリット判定勝ち、 ロボがセーマペッチを返り討ち! ソウザがグリッポに判定勝ち

2025/02/08 09:02
【ONE】山北渓人がアディワンにグラウンドヒザで完勝! 手塚裕之はリーポンにTKO負け、プラジャンチャイがバルボーサをヒジでTKOストップ、フライ級転向のノンオーにゴントーラニーがスプリット判定勝ち、 ロボがセーマペッチを返り討ち! ソウザがグリッポに判定勝ち

TD後にいかにダメージを与えるか。首、足を抱えてグラウンドヒザを打ち込む山北(C)ONE Championship

 2025年2月8日(土)日本時間朝10時からタイ・バンコクで『ONE Fight Night 28』(U-NEXT配信)が開催された。

▼ONEムエタイ世界ストロー級タイトルマッチ 3分5R
〇プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ/王者)125lbs
[4R 1分55秒 TKO] ※レフェリーストップ

×エリス・バダ・バルボーサ(英国/挑戦者)122.75lbs
※プラジャンチャイが王座防衛

 ONEストロー級ムエタイ世界タイトルマッチ3分5Rは、王者プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)がエリス・バダ・バルボーサ(英国)の挑戦を受け2度目の防衛戦に臨む。



 プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人。

 2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちでストロー級ムエタイ世界王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年6月にサムエーをKOして暫定王座に就くと、12月にラシリとの王座統一戦を初回KOでリベンジに成功し、王座返り咲きを果たした。

  さらに2024年6月には“人生無敗の男”ジョナサン・ディベラに挑戦し、判定勝ちでストロー級キックボクシング世界王座も奪取している。戦績は340勝52敗3分。ONEでは6勝1敗。また、プロボクシングでも3戦3勝。



 元WBCムエタイ欧州王者バルボーサはフェアテックストレーニングセンターでムエタイの修行を積み、2023年12月からONEに参戦。初戦は両者計量失敗によるキャッチウェイト戦に変更され、トンプーンにボディブローでKO勝ちしたが、試合後に禁止薬物の陽性反応が出たため無効試合に。

 2戦目は2024年7月で、アリーフにスプリット判定で勝利した。プラジャンチャイに挑戦するには実績不足な感は否めないが、大番狂わせを起こすことが出来るか。

 なお、プラジャンチャイはフライ級に階級を上げることを示唆しており、「フライ級に転向したら初戦で武尊と戦いたい」と発言。この試合を最後にフライ級に転向となれば新たな敵が武尊の前に立ちはだかることになる。

 1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブをこつこつ突いて、左ローのバルボーサ。ガード高くプラジャンチャイは右カーフ。慎重な入りのバルボーサはガード上にローと同じ初動で左ミドル。プラジャンチャイの右ミドルを掴んでヒジを突く。さらに右ストレート、左は相打ちに。

 圧力をかけるのはバルボーサ。プラジャンチャイも圧力をかけ直すと左ローから右の対角線攻撃で詰めてヒジもゴング。しかし首相撲に両者離れない。

 2R、中央を取るバルボーサ。右ロー。中央を取り返すプラジャンチャイは右ミドル。そこにクリンチのバルボーサはヒジ狙いもブレーク。

 ノーモーションの左から前手を伸ばしてバルボーサの前進を阻み組むプラジャンチャイ。組んで左ヒザを当て、ヒジでバルボーサを出血させる。バルボーサの蹴り終わりに詰めて首相撲ヒジを狙う。

 3R、右ミドルのプラジャンチャイ。さらに右アッパー、左ヒジ。ジャブの刺し合いから右を突くプラジャンチャイは左縦ヒジも。

 ジャブから右ボディストレートのバルボーサにヒジでブロックのプラジャンチャイは、両手を前に出しながらヒジを狙う。さらにバルボーサの入りに右アッパー、左フック。

 前に出るバルボーサは右ボディも、左から右を返すプラジャンチャイ、右ローの打ち合いから、左ジャブのダブルも当てるのはプラジャンチャイ。バルボーサも下がらず前に出るが、プラジャンチャイが左ヒザを当てる。

 4R、中央を取るプラジャンチャイ。左前蹴りはローブローに。再開。

 前に出て左ジャブを連打するバルボーサに、右ストレートを入れるが、バルボーサも右アッパー。しかすすぐに左右を返すプラジャンチャイ。

 右ヒジに「切った」とアピールするプラジャンチャイ。ワンツーから右に、再びバルボーサがカット。左目をドクターがチェック。試合ストップ。プラジャンチャイがTKO勝ち。10万ドルのボーナスを獲得した。試合後、プラジャンチャイは「このベルトをできるだけ長く保持したい」と語った。

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▼ONEフライ級 ムエタイ 3分3R
〇ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)135lbs
[判定
2-1]
×ノンオー・ハマ(タイ)134lbs

 第10試合ではゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)がノンオー・ハマ(タイ)とフライ級ムエタイ3分3Rで対戦。



 ゴントーラニーは2018年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年に同ライト級王座に就いているサウスポー。サオトーとサオエークにも勝利し、2021年4月にギンサンレックに敗れるも2022年3月の再戦ではTKO勝ちで制している。

 2023年2月の『ONE Friday Fights 6』に初参戦すると、ギンサンレックを左フックでKOして返り討ちにし、その後は内藤大樹やジャオスアヤイを相手に破竹の6連勝。しかし2024年6月、スーパーレックに判定で敗れて連勝がストップ。その後はタギール・カリロフ、ナックロップに再び連勝している。71勝16敗。同級4位。



 ノンオーは38歳で266勝57敗10分の驚異的な戦歴を誇り、ルンピニースタジアムでスーパーバンタム級からライト級まで四階級制覇、ラジャダムナンスタジアムのベルトも獲得している、まさにムエタイの伝説的存在だ。

 2019年2月にONEムエタイ世界バンタム級王者となり、鈴木博昭、セーマペッチ、ロードレック、リアム・ハリソンらを相手に7度の防衛に成功して絶対王者と呼ばれていたが、2023年4月の8度目の防衛戦でジョナサン・ハガティーにKOで敗れ王座陥落。

 12月にはニコ・カリロにもKO負けしてまさかの連敗を喫したが、2024年4月にクラップダムを技術で封じ込めて判定勝ちで再起したのも束の間、9月にカムラン・ナバティに判定負けを喫した。今回よりフライ級に階級を下げる。

 1R、先に前に出るサウスポー構えのゴントーラニーは左ハイ。右ロー。オーソのノンオーも右ハイ、右ミドルを返す。

 左ストレート、奥足ローで詰めてハイのゴントーラニー。ノンオーも右ミドル、右ハイをガード上に当てる。しかしノンオーも右の蹴りを上下に突いてロープに詰めると、右ストレートで押してゴントーラーニーを崩すもゴング。

 2R、グローブタッチからすぐに右前蹴りを突くノンオー。ともにオーソドックス構えになり、右の蹴りの蹴り返し。右カーフのノンオーは右ミドルから飛び込み。足をシャッフルさせて右ハイのノンオーに、ゴントーラーニーは左ストレートを狙う。

 右の蹴りを上下に突いて右ヒジはノンオー。左ミドルの打ち終わりにゴントーラーニーは右ストレート。そこから押し込んで蹴りまで繋ぐが、サークリングのノンオーは避ける。

 右ミドルをガード上に当てていくノンオー。右ストレートを合わせて尻餅を着かせるが、すぐに立つノンオー。左ミドルのゴントーラーニーに、右ミドルで腕を削るノンオー。

 3R、再びサウスポー構えになるゴントーラーニー。右ミドルのノンオーを組んでこかす。

 右ミドルのダブルのノンオー! ゴントーラーニーも左ミドルを放つが、チェックするノンオーは右ミドルの連打。その蹴りにゴントーラーニーは右を突いて尻餅を着かせる。

 右の蹴り合いは尻餅を着くゴントーラーニー。サウスポー構えから左ミドルを突くゴントーラーニー。ブロッキングのノンオーは右ミドル。ゴントーラーニーも左ミドルもチェックする。ノンオーは踏み込み右ミドル。首相撲もブレーク。

 中央を取るノンオー。ゴントーラーニーの左ミドルをスウェイバックでかわして前に。ミドルを突き、ゴング。判定は2-1でリズム良く攻めたゴントーラーニーが勝利。

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