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【UFC】3連敗のアデサニヤ「私はまだ生きている」、解説のビスピン「彼がトップの座にいた時間は終わった」

2025/02/03 23:02

キック&MMAで15年のアデサニヤについてビスピンは「ファイトキャンプは試合よりも過酷だから──」

 7月22日に36歳の誕生日を迎えるアデサニヤの敗戦について、UFC解説の元ミドル級王者のマイケル・ビスピンは、「アデサニヤがトップに立つ時間は終わった」と、ピークアウトを指摘する。

 試合会場からホテルまでの道のりを自撮りのYouTube動画で撮影したビスピンは、アデサニヤのダメージの蓄積を語った。

「アデサニヤの序盤は信じられないようだった。超アグレッシブに攻め、いいショットを放ち、キックも素晴らしかった。スピードがあり、距離が短く、相手にダメージを与え、コントロールし、テイクダウンを阻止していた。

 でも“どう始めたか”ではなく、“どう行ったか”だ。1R終了間際にイマボフのアッパーが炸裂した。驚嘆の右アッパー。2Rに右オーバーハンドで、彼のアゴを打ち抜いた。そして左フック。さらに数発のパウンドを打ち込んで試合終了。アデサニヤはナッソーディンにノックアウトされて終わった」

 とくに、UFCのような世界最高峰の舞台でささやかれる「35歳限界説」。今年36歳になるアデサニヤが再び王座戦線にからむことは難しいとビスピンは言う。

「私は最大の敬意を持って言うけど、アデサニヤはこのスポーツで絶対的な伝説だ。もっと重要なのは彼が独創的だということ。彼は唯一無二だ。確かに、これまでも偉大なキックボクサーはいたし、これからも偉大なキックボクサーは出てくるだろうが、彼のような才能とカリスマ性を持つ選手がイスラエル・アデサニヤほどのショーを披露できるだろうか? アレックス・ペレイラを破ったときの退場からブレイクダンス、試合後のスピーチまで鳥肌が立つほどだ。あれは決して忘れないだろう。イスラエル・アデサニヤはそれを成し遂げたんだ。彼は伝説になった」と、最大限の賛辞を惜しまないが、一方で元王者の落日も語る。

「彼は殿堂入りするだろうし、また戦うことになるかもしれないが、UFCのミドル級王座やあらゆるベルトをかけて戦うことはないと思う。トップの座にいた時間は終わった」

 その理由は、キックボクシングとMMAを合わせた約15年にわたるキャリアで蓄積された身体的な負担にあるという。

「最高レベルでの長いキャリアは、試合だけでなく、身体に大きな消耗をもたらす。トレーニングキャンプは試合よりも過酷だ。試合に勝てばまた次の試合に出るが、アデサニヤが相手を圧倒し、レッグキックを使って、ただ相手を圧倒し、簡単に打ち負かすのを見てきた。

 しかし、トレーニングキャンプではそうはならない。そうでなければ、上達しない。悪い癖がついてしまうからね。プッシュされ、相手に倒され、レスリングされ、グラウンドで殴られ、チョークで絞め上げられる必要がある。足首や脚をひねられる。顎にパンチを受ける。最高レベルでこれをやるには、それに応じたトレーニングをする。それが身体に負担をかけるんだ。そして確かに、彼はオクタゴン内でいくつかの打撃を受けている。今夜もそうだった。さらに、このレベルに到達するために何年もトレーニングを積んできたことと相まって、それが問題となる」と、試合のみならず、トップに立ち続けるための練習が、アデサニヤを削らざるを得ないとした。

「おそらく、一つの時代が終わったのだろう」──そう語り、隻眼のビスピンはサウジアラビアを後にしている

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