キックボクシング
レポート

【NJKF】アグレッシブに攻撃し続けた波賀宙也が日本人4人目のIBFムエタイ世界王者に

2019/09/23 23:09
▼第9試合 S1ジャパントーナメント一回戦 55kg 3分3R
○馬渡亮太(治政館/ジャパンキック・バンタム級王者、チェンマイ・ボクシングスタジアム認定バンタム級王者)
判定3-0 ※30-28×3
×知花デビット(エイワスポーツジム/WMAF世界スーパーバンタム級王者)
※馬渡がトーナメント決勝進出。
 

「S1ジャパントーナメント」55kgには4選手が出場。一回戦の顔合わせは前日計量時の抽選によって決められ、ジャパンキック・バンタム級王者の馬渡(まわたり)亮太とWMAF世界スーパーバンタム級王者の知花(ちばな)デビットが対戦することになった。
 

 馬渡はジュニアキック出身で、小学生の時からタイ人選手と拳を交えるなど経験豊富。昨年9月にタイでチェンマイ・ボクシングスタジアム認定バンタム級王座を獲得し、今年5月に日本で同王座の初防衛も成功させると、さらに8月にはジャパンキック・バンタム級王座も手中に収めた。2018年は4勝(2KO)1分、今年は4勝(4KO)と、まさに絶好調だ。
 

 対する知花はこれまでにINNOVATIONバンタム級王座、WMC日本バンタム級&フェザー級王座、WMAF世界スーパーバンタム級王座を獲得してきた実力者。直近の2試合ではいずれもKO勝利を収めている。
 

 1R、知花の右ローに合わせて左ハイを振り抜く馬渡。前に出たい知花だが、馬渡は絶妙なタイミングの前蹴りで食い止める。馬渡は腹だけでなく、顔面への前蹴りもヒット。知花も終盤にようやく右フックをヒットさせ、馬渡がコーナーに詰まったところで一気にパンチをまとめた。
 

 2R、パンチで迫る知花に対し、馬渡は組んでいくが、バランスを崩したところでヒジ打ちが顔面をかすめる。しかし、その後は馬渡が落ち着いたディフェンスで被弾を免れ、知花が前がかりになったところで、コーナーを背負いながらの狙いすましたヒジ打ち。これが見事に決まり、知花の額から血が吹き出る。
 

 ドクターチェックからの再開後、知花はパンチの乱れ打ちで攻めるが、馬渡は打ち下ろしの左ストレートから間髪入れずに前蹴りや左ミドル・ハイも飛ばす。すると知花は再び接近戦で馬渡のヒジ打ちを被弾。知花は2度目のドクターチェックを受けた。
 

 3R、逆転を狙う知花は間合いを潰しながらのパンチ連打。馬渡は左右ミドル・ハイ、さらにヒザ蹴りを巧みに合わせていく。知花は終盤に猛打で馬渡にロープを背負わせたが、ガードをこじ開けることはできず。馬渡が盤石の戦いぶりで判定勝ちを収め、トーナメント決勝進出を決めた。
 

▼第8試合 S1ジャパントーナメント一回戦 55kg 3分3R
○大田拓真(新興ムエタイジム/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
判定3-0 ※29-28、29-28、30-29
×岩浪悠弥(橋本道場/INNOVATIONスーパーバンタム級&バンタム級王者)
※大田がトーナメント決勝進出。


「S1ジャパントーナメント」55kgの一回戦。優勝候補と目される大田拓真が、INNOVATIONの三階級王者である岩浪悠弥(ゆうや)と激突した。

 大田はNJKFの若きエースとして期待を集める20歳。ジュニア時代にタイトルを総なめし、2015年4月に国内プロデビューを果たすと、昨年6月のWBCムエタイ日本統一フェザー級タイトルマッチで新人(あらと)を判定で下し、新王者に輝いた。ヒザ蹴り、右ミドル、前蹴りを得意としており、ムエタイの本場タイでの試合経験も豊富だ。


 岩浪は21歳ながら主戦場のINNOVATIONで初の三階級(フライ級、バンタム級、スーパーバンタム級)制覇を成し遂げた実績の持ち主。空手で培った足技を武器に、これまでに奥脇一哉(元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)、石川直樹(現ジャパンキック・フライ級王者)、山田航暉(元WMC日本スーパーフライ級王者)といった他団体の王者たちからも勝利をあげてきた。


 1R、岩浪は左の蹴りを散らしながら、大田が蹴ってくるとすかさず右ローを叩き込む。大田は相手の様子を見つつ、時おり左フックから右ハイや右ミドルに繋げる攻撃を見せる。互いに蹴られるとしっかり蹴り返す両者。岩浪のヒット数が勝った印象だ。


 2R、岩浪が左フックの二連打から即座に右ハイ。大田も同様の攻撃を返す。岩浪が左ボディストレートと右ボディフックも突き刺させば、大田もワンツーで対抗。両者は荒々しく組んでのヒザ蹴りを入れ合い、縦ヒジも交錯させる。


 3R、ここまで五分の展開であったが、大田が組んでのヒザ蹴りで猛攻を仕掛けると、岩浪がペースダウン。大田のヒザ蹴りの炸裂音に会場がどよめく。大田は至近距離からのヒザ蹴りと左右ミドルに加え、離れ際も左右ハイで狙うなど攻勢。手数が落ちた岩浪に対し、大田は右ストレートと左フックもヒットさせ、最後は足を使ってリングを回りながら試合終了を待った。

 大田が破壊力のある攻撃と試合巧者ぶりを見せ、強敵の岩浪を判定3-0で下し、トーナメント決勝進出を決めた。

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