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インタビュー

【UFC】アデサニヤの挑戦を受ける王者ドリカス・デュ・プレシ「最初のチャンスでフィニッシュするつもりだ」「チームメイトのセコンドでRIZINに行くよ」

2024/08/17 20:08
【UFC】アデサニヤの挑戦を受ける王者ドリカス・デュ・プレシ「最初のチャンスでフィニッシュするつもりだ」「チームメイトのセコンドでRIZINに行くよ」

(C)Zuffa LLC/UFC

 2024年8月18日(日)朝7時30分から、豪州パースのRACアリーナにて『UFC 305: Du Plessis vs. Adesanya』(U-NEXT配信)が開催される。

▼UFC世界ミドル級選手権試合 5分5R
ドリカス・デュ・プレシ(南アフリカ)21勝2敗(UFC7勝0敗)※UFC7連勝中 185lbs/83.91kg
イズラエル・アデサニヤ(ナイジェリ)24勝3敗(UFC13勝3敗)184lbs/83.46kg

 メインイベントは「UFC世界ミドル級タイトルマッチ」(5分5R)で、王者ドリカス・デュ・プレシ(南アフリカ)が、イズラエル・アデサニヤ(ナイジェリ)の挑戦を受ける。

 南アフリカ人初のUFC世界王者のデュ・プレシは、KSWウェルター級王者からEFCミドル統一級王者となって、2020年10月からUFCに参戦。2024年1月に ショーン・ストリックランドにスプリット判定で勝利し、UFC無敗の7連勝でベルトを巻いた。

 対するアデサニヤは、2023年4月にアレックス・ペレイラとの再戦で2R KO勝ちでリベンジし、王座奪還。しかし、2023年9月のストリックランド戦で右ストレートでダウンを奪われ判定負け。王座から陥落している。

 豪州の隣国のニュージーランドのシティ・キックボクシング所属のアデサニヤを相手に、デュ・プレシは「最初のチャンスでフィニッシュするつもり」と5R戦ながら短期決戦になることを予告した。また、試合後、来日の予定があることも明かした。

柔道は以前のルールの方が好きだ。MMAでも柔道技を使っている

──ハロー・チャンプ、日本の『ゴング格闘技』です。

「“コンニチハ”だっけ?」

──おお、こんにちは! いよいよ試合ですね。今回のトレーニングキャンプはどこで行ってきたのですか。

「実は現地(パース)に少し早めに入ったんだ。もうすでに2週間ここで過ごしていて。いつもの自分のTeam CITとモーン・ヴィッサーコーチらとトレーニングをしているよ」

──1月にショーン・ストリックランド選手に勝利して、南アフリカ人初となるUFC世界王座獲得に成功しました。地元に帰ったときは大変でしたか。

「そうなんだよ。実は、飛行場に着いた時、“格闘技ファンが数人来てくれているかな”とは思ったんだ。どんなにいても百人くらいだろうなと考えていたら、実際は数千人規模のファンが待っていてくれて、凄まじかったよ。ベルトを獲った瞬間と同じくらいの歓迎だった。素晴らしかったよ」

──5歳で柔道、12歳でレスリング、14歳の時にキックボクシングを始めた。当時、それらの競技ではフルタイムファイターとしてやっていくことは難しかったでしょうか。

「かつては難しかった。自分がその扉を開けた一人ではあると思う。きっと僕は南アフリカで初めてフルタイムでMMAファイターになった1人だ。柔道で食べて行くことは今でも難しいし、MMAでも南アフリカだけで戦おうとすると実際難しいかもしれない。少なくともチャンピオンにならないと。チャンピオンでも経済的にフルタイムで格闘技で食べていけるかというと、独り身なら可能かもしれないが、家族がいるとそうはいかないだろう。

 ただ、今はEFCという大きな団体がある。Extreme Fighting Championship だ。アフリカを率いる団体だと思うし、知っての通り、自分のキャリアもそこから始まっている。ダブルチャンピオンだったんだ。コロナの影響をかなり受けてしばらく大会が開催できなかったりもしたけど、今は色んなジムもできてきているよ。レスリングや柔道、空手にMMA──全てのジムがある。キッズや若い人達もこの競技を始めているし、今はアフリカの中でも世界王者になれる環境だからね。

 今、この国で起きていることは、世界中から“南アフリカは格闘技の王者を産み出せる国だ”という事で注目をされていることだ。だから、たくさんの選手が例えばRIZINやBrave CF、UAE WarriorsやBellator、PFL、もちろんUFCも。今、初めて世界中の団体が南アフリカの選手と契約をしようと注目されているんだ」

──RIZINの名前が最初に出て驚きました。知っているのですね。

「もちろん、自分のチームメイトのエンカジムーロ・ズールーがRIZINでもうすぐ戦う事になっている。その時、コーナーマンとして一緒に日本に行って日本のファンの皆に会えたらいいなと思っているんだ」

──おおっ、2016年のTUFで日本の扇久保博正選手と対戦した選手ですね。

「いまはEFC世界フライ級チャンピオンだよ!」

──それは実現したら楽しみです。ところで試合に向かう期間でしたが、パリオリンピックの格闘技競技などもご覧になったりしたのでしょうか。

「あぁ、見たよ。実はレスリングで1948年以降初めて南アフリカから選手(ニコラスヨハネス・デランジ)が出て、自分は若い頃柔道を5年くらいやっていた事もあるから、南アフリカの柔道選手(ジェロネー・ホワイトブーイ)も応援していたんだ。すごく楽しんで見たよ」

──デュ・プレシ選手も柔道出身ですが、柔道のルールが変わってきていることをどう感じていますか。

「そうだな、もっとグラウンドの攻防が見れるようなルールの方が望ましいのではないかな。そこがルールが変わった事で大きく違いが出たと思う。レッスル要素を更にまた除外していって、今まで起こりえた柔道の素晴らしい技とか、展開が見られなくなった。だから個人的には新しいルールはあまり好きじゃないね」

──かつて許されていた技が制限されていると。MMAファイターから見ると歯がゆいでしょうか。

「ただ柔道はアートであって。柔道は柔道であるべきなんだ。伝統のある競技としてずっと続いてきたものを、なぜルールを変えるのかが理解できないんだ。寝技も様々な投げも柔道の魅力のひとつだろう? だから、さっきも言ったように前のルールがいい。もしMMAを見たければMMAを見るし、柔道を見たかったら柔道を見るだけだから」

──あなたはMMAでもときに柔道の投げを使っていますが、現役時代の得意技は?

「自分が柔道をやっていた時は一本背負い投げが得意だった。ドロップ(ヒザ着き)背負い投げも良かったね。たくさん使った。とは言っても5歳から10歳くらいの年齢だったからその二つの技しか使わなかったけど(笑)、本当にこの二つがとても得意だったんだ。MMAでもまったく同じ技で相手を投げた事があるよ」

──UFCでもロバート・ウィテカー選手を払い腰で投げていましたね。

「そう、首投げと合わせて投げたり、アンダーフックに対処したり、いろいろ組み合わせて使っているんだ」

──柔道時代の組み手はサウスポー構えだったのですか。

「柔道時代からオーソドックスだったんだ。キックボクシング時代もだ。だから、スイッチをするようになったのはMMAを始めてかなり経ってからなんだ。サウスポーとオーソドックスをスイッチして両方を使って戦うようになったのだけど、この競技ではどちらでも戦えるようにすることが大事だと思っている」

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