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元Bellator世界ライト級王者のパトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)が日本を主戦場にフェザー級で戦うことを表明し、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)に対戦をアピールした。
なら僕は66kgに落とすから、僕とリングの上で決着つけましょう!
— Patricky Freire (@PatrickyPitbull) August 6, 2024
男なら逃げないでしょう? @rizin_PR pic.twitter.com/jEbzIn34Wx
クレベルとパトリッキーには因縁がある。
2023年7月の『超RIZIN.2』で鈴木千裕とパトリシオ・ピットブルが70kgでともに緊急対戦した際に、鈴木がパトリシオを1R KO。そのアップセットに驚いたリングサイドのクレベルが立ち上がっているところに、セコンドについていた兄のパトリッキーがクレベルを突き飛ばして、控え室での乱闘に発展している。
その後、パトリッキーは、Bellatorライト級ワールドGP準決勝でアレクサンドル・シャブリーに判定負け。2024年からPFLライト級に参戦し、4月のリーグ戦でクレイ・コラードに2R TKO負け、6月の前戦でブルーノ・ミランダにスプリット判定負けで3連敗を喫している。
一方のクレベルは、2連勝中。
2022年の大晦日にパトリシオ・ピットブルに判定負け後、2023年6月に鈴木千裕を腕十字に極めるも体重超過で王座剥奪。同年9月に金原正徳に判定負けしたが、2023年大晦日に斎藤裕を、2024年6月にフアン・アーチュレッタをいずれも一本に極めて鈴木千裕が持つベルトへの挑戦を表明していた。
そんななか、7月の『超RIZIN.3』のリング上で、負傷欠場中のRIZINフェザー級王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が、パトリシオ・"ピットブル"・フレイレ(ブラジル)とBellator王座をかけて大晦日に再戦したいとアピール。榊原信行CEOは、年末のBellator日本大会のRIZINパートで、鈴木とパトリシオのマッチアップを実現させたい意向を示している。
しかし、フェザー級では6月にフアン・アーチュレッタに初回一本勝ちしたクレベルが挑戦者として名乗りを挙げ、鈴木もその場で対戦を承諾したばかり。
さらに、『超RIZIN.3』で元王者の斎藤裕にKO勝ちした久保優太が「王座挑戦者決定戦」をアピールしており、RIZIN王者の鈴木が、Bellator王座に挑戦することで、RIZINフェザー級タイトル戦線の停滞も危惧されている。
大会後、榊原CEOは、今後のRIZINフェザー戦王座戦線について「第一コンテンダーはクレベル」と語るも、鈴木がパトリシオ戦を優先した場合、クレベルとの王座戦は「年明けになる」と語っている。
「いまのままなら順当はクレベル。朝倉未来がああいう形で負けたけど、平本蓮のタイトル戦線は少し早い。久保優太が斎藤裕に勝ったからといって、あまり調子に乗る話でもない。またクレベルからすれば、久保が斎藤に勝ったからって、『俺と久保が挑戦者決定戦をするの?』って思うでしょうし。そうなるとクレベルとの王座戦は年明けになる。そこまでクレベルが試合をしないというのもないので、全体的な興行論も含めて千裕、クレベル、Bellatorと話をして、早いタイミングで決めて行きたい」(榊原CEO)
混沌とする状況下、鈴木のパトリシオ戦アピールを見たクレベルは、Xで「前に私と闘うと言った。でも彼は私から逃げた。彼は全然男じゃないな」と、自身の挑戦から逃げたと批判した。
そこに対戦相手として名乗りを挙げたのが、今回のパトリッキーということになる。「なら僕は66kgに落とすから、僕とリングの上で決着つけましょう! 男なら逃げないでしょう?」と。
2連勝中のクレベルとしては、一気に王座戦に進みたいところだが、3連敗中のパトリッキーとしては、クレベルとの因縁をきっかけに日本で再起のキャリアを目論んでいる形だ。もし、年末に鈴木vs.パトリシオとなると、クレベルは年明けまで待つのか、それとも階級を落としてくるパトリッキーを迎え撃つか。