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【PFL】渡辺華奈、勝負かけるも最終回残り8秒で敗れる、カモーシェと死闘リベンジならず。元UFCサントスが判定勝ちでBellator王者カモーシェと対戦へ。ヴァッセルがモルダフスキーからダウン奪い勝利もプレーオフ進出ならず。ローブロー受けたジョンソンが逆襲のTKO勝ち

2024/06/14 06:06

渡辺華奈がカモーシェと死闘、最終回残り8秒で一本負けでリベンジならず

 渡辺華奈が、2021年6月のBellatorで35秒 TKOで敗れたリズ・カモーシェ(米国)とPFLリーグ戦で対戦。

 同会場でのリベンジ戦にして、プレーオフ進出をかけたリーグ戦2戦目に向け、渡辺は、U-NEXTでの川尻達也との対談で、「何が何でも勝つ」と必勝を誓う。

 前回のカモーシェ戦で渡辺は、オーソドックスに構え、カモーシェの左インローを受けてからの右クロスを浴びて後退。右オーバーハンドを被弾し、金網に詰まり、左右ラッシュにスタンドのままレフェリーが間に入ってTKO負けを喫した。

「ボコボコにされてブッ殺されました。今回は同じ会場。あのときはそれまでのカモーシェの試合と異なり、最初の段階でプレッシャーをかけられた。いま思えば“よくこの段階でやったな”と」と振り返る渡辺は、カモーシェ戦後の取り組みを明かす。

 打撃トレーナーの矢口哲雄氏に習い、オーソドックス構えからサウスポー構えに変化。「タックルもその方が行きやすい」という右足前のスタイルでレスリングも強化し、ONEで活躍した鈴木隼人の指導で、得意の柔道の四つ組み以外にも、上下の組み・テイクダウンが加わった。フィジカルトレーニングもパーソナルに変えて、上田貴央HCのもと、自身の強み・弱みを把握し、PFLでの戦いに準備してきた。

 カモーシェ戦後、Bellatorでデニス・キールホルツを三角絞めに極め、イリマ=レイ・マクファーレンにアウェイでスプリット判定負け。ヴィタ・アルテイガとの接戦をモノにし、PFLに参戦した渡辺は、2024年4月のレギュラーシーズン初戦で体重超過のシャナ・ヤングに判定勝ちで「3P」を獲得している。

 対するカモーシェも4月のPFL初戦は宿敵ジュリアナ・ヴェラスケスとの3度目の潰し合いを判定勝ちで「3P」獲得に留まっている。

 リーグ戦2試合目ではトップ候補のディッチェバが0点のハケットと対戦。サントスとビショップが6点同士で潰し合いとなっている。

 渡辺もカモーシェも、1R勝利で合計9P、2R勝利で合計8P、3Rフィニュシュで合計7P。3R判定勝ちの場合、ボーナスポイント無しの6Pに留まる。6P獲得選手とはマッチアップされなかった渡辺が確実にプレーオフに進出するためには、下位選手が届かない7P以上。3R以内のフィニュシュ勝利を決めたいところだが、対戦相手の現Bellator王者は、勝ち方を選べるほど甘い相手ではない。

 渡辺は、「前回組めずに終わったので、乱打戦をさせずに組みたい。最初のプレッシャーで絶対に負けない。1Rで上を取って極めに行くのが理想ですが、そう簡単には行かないだろうなと思っているので、上を取れれば腕十字か肩固め、後ろを向いたらチョーク。上になったら極めます」と、ボトムではトップほどの動きを見せていないカモーシェを相手に、ポジションを制したら一本勝ちを狙いに行くと宣言。

 しかし、それはプレーオフ進出よりも、この3年間、思い続けたカモーシェへのリベンジを成し遂げるためのものだという。

「正直、いまはプレーオフのことも(優勝賞金)100万ドルのことも考えていない。カモーシェを倒すだけ、ほんとうに死闘になってもいい。骨が折れても、そんな気持ちで試合してはダメかもしれませんが、骨の一本くらいくれてやるくらいの気持ちで戦う」と、覚悟をのぞかせる。

「記憶の上書きをしに来た」という渡辺は、最後に、「6月14日にPFLで試合をします。3年前に負けた選手ですけど、そこから自分が積み上げてきたものをしっかり答え合わせできるいい機会なので、自分の成長具合と“何が何でも勝つ”という姿勢を見ていただけたらと思います」と、必勝を誓った。

 果たして、渡辺はカモーシェにリベンジし、100万ドル(約1億5600万円)獲得のプレーオフ進出を決めることが出来るか。

▼女子フライ級レギュラーシーズン 5分3R
〇リズ・カモーシェ(米国)22勝7敗 126lbs/51.15kg 3P+4P
[3R 4分52秒 腕十字]

×渡辺華奈(日本)13勝3敗1分 125.75lbs/57.03kg 3P

 笑顔で入場した渡辺。力強くガッツポーズし、一礼でケージイン。カモーシェは落ち着いた表情。渡辺は蹲踞から立ち上がりコールを受けて胸を叩く。カモーシェはコールに両手を合わせる。

 1R、サウスポー構えの渡辺は走り込んでいきなりダブルレッグへ。スプロールするカモーシェをドライブしてそのまま金網まで押し込もうとする。

 がぶりながら金網から体を入れ替え、逆に押し込むカモーシェは立つ渡辺をがぶりヒザ。ネックロック。亀から片ヒザ立ちの渡辺にギロチンも狙うカモーシェ。頭を下げさせるカモーシェに頭を上げて四つに持ち込む渡辺は小外刈テイクダウン!

 しかし下のカモーシェはキムラ狙いから腰を切り、腕十字へ! 両足をかけられた渡辺だが、足を外して潰して上に! 残り1分をトップから右で細かいパウンド。ハーフになるカモーシェに背中を着かせるが、カモーシェも右で差すとその頭に鉄槌を入れてゴング。がぶりと十字狙いのカモーシェ、後半は渡辺が攻勢のラウンドに。

 2R、低いダブルレッグで2度飛び込む渡辺を切るカモーシェ。渡辺の得意の内股をかわしてバックテイク。亀の渡辺にシングルバックに。

 左で落とそうとする渡辺は右足はかけさせず、前に落とすとかつぎパス! しかしカモーシェもシングルレッグ狙いからハーフガードに。背中を着けさせた渡辺は肩固めへ! 右足を抜こうとする渡辺だが抜けず。

 カモーシェは右で腹にパウンドも渡辺は足を抜き、サイドに出て肩固め! しかしカモーシェは横を向いて脱出。そのバックにつく渡辺はリアネイキドチョーク狙いもアゴ上でゴング。明らかな渡辺のラウンドに。

 3R、初回が接戦のなか2Rにフィニュシュを狙った渡辺のスタミナはいかに。カモーシェの左ローにバランスを崩す渡辺だが、ダブルレッグで前に!

金網まで詰めるとカモーシェはヒザ蹴り。渡辺はダブルレッグに移行すると切るカモーシェに渡辺は片ヒザ立ちで動きが止まる! そこにラッシュのカモーシェに立ち上がる渡辺だが、カモーシェの左を受けてダウン!

 立とうする渡辺は、意識が朦朧か、座り込む形で立てず。そこに殴り掛かるカモーシェだが、ダブルレッグは渡辺。そこにカモーシェはギロチンチョーク! 首を抜いた渡辺はとうにスタミナが切れているようだが、インサイドガードからパウンド。

 下からパウンドし、両足でスイープ狙いであおるカモーシェにも渡辺は正面に戻して拳を振るが、下のカモーシェはここで腕十字! 中腰なった渡辺だが左ヒジが伸びてタップ! ヒザを着いて茫然とする渡辺にカモーシェは抱きついて健闘を称えた。

 ジャッジは2Rまでは渡辺を支持。最終回の残り8秒で一本勝ちを決めたカモーシェは2戦で7ポイントを獲得。「予想外の展開だった。柔道で来るかと思っていたらすぐにテイクダウンに来て、プレッシャーも強かった。とても強いファイターです。(残り8秒での一本勝ちだが?)どんな困難があっても打ち勝ちます」と語った。

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