2021年6月25日(日本時間26日)、米国コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナにて「Bellator 261: Johnson vs. Moldavsky」が開催された。
コ・メインイベント(セミファイナル)では、Bellator女子フライ級ランキング2位のリズ・カモーシェ(米国/15勝7敗)と、同級3位の渡辺華奈(日本/10勝0敗1分)が対戦した。
渡辺は、プロ11戦無敗。柔道で2016年アジアオープン準優勝、ヨーロッパクラブ選手権準優勝などの実績を残し、MMAに転向。DEEP JEWELS、RIZINで活躍後、2019年12月のRIZIN×BELLATOR対抗戦で、当時3連勝中だったイララ・ジョアニを3R、パウンドでTKO。2021年4月のBellator 255で米国デビューし、アレハンドラ・ララ(コロンビア)にスプリット判定勝利。Bellator2連勝を飾っている。
カモーシェは、米国ルイジアナ州ラファイエットで生まれた後、海兵隊員だった父親の仕事の都合で幼少期に日本の沖縄県で過ごし、沖縄クリスチャンスクールインターナショナルを卒業。20歳の時に自身も海兵隊に入隊し、航空電気技師として5年間任期を務めた経験を持つ。
2010年3月のプロデビューから11年間で15勝7敗。マルース・クーネンが持つStrikeforce女子ウェルター級王座、ロンダ・ラウジーが持つUFC世界女子バンタム級王座、ヴァレンティーナ・シェフチェンコが持つUFC世界女子フライ級王座に挑戦も、戴冠ならず。
無冠のウェルラウンダーとして2020年9月にBellator参戦。ディアナ・ベネットを3R、リアネイキドチョークで極め、2021年4月にはヴァネッサ・ポルトを判定3-0で下している。
事前インタビューでは、カモーシェが渡辺戦を前に、かつてUFC史上初となる女子の試合を戦った相手ロンダ・ラウジーの陣営にいた柔道コーチのジャスティン・フローレスの指導を受けていることを語り、渡辺は「私とロンダはスタイルが違う」と発言している。
7月16日(日本時間17日)の『Bellator 262』では、「Bellator世界女子フライ級選手権試合」として、ジュリアーナ・ヴェラスケス(ブラジル/王者)と、同級4位のデニス・キーホルツ(オランダ/挑戦者)のタイトルマッチが決定済みで、今回の渡辺vs.カモーシェ勝者は、次期王座挑戦権を得るといわれている。大一番を制するのは、渡辺かカモーシェか。
▼Bellator女子フライ級 5分3R〇リズ・カモーシェ(米国/2位)[1R 0分35秒 TKO]×渡辺華奈(日本/3位)
今回は入場時に柔道衣の上下ともに着用が許された渡辺。一礼をしてサークルケージの中に入る。続けてカモーシェが険しい表情でケージイン。コールに渡辺はガッツポーズにラブのサイン。カモーシェには「オキナワ・ジャパン、カリフォルニア」のコールも。
1R、ともにオーソドックス構え。グローブタッチ無しでともに中央に走ると、左ジャブの刺し合い。右インローを当てる渡辺だが、カモーシェは構わず詰めて、ガードが低い渡辺に右ストレートをヒット。
プレッシャーをかけるカモーシェは左インローを当てると、左右に頭を振りながら、じりじりと詰めてなおも前足に左インロー。左フックから右をもらった渡辺がバランスを崩して後退。そこを逃さず一気に詰めたカモーシェは右オーバーハンド! さらに右オーバーハンドで渡辺を金網に詰めると、右フック!
がくりと両ヒザが落ちる渡辺だが、マットにヒザを着かず上体を立て直すが、カモーシェの3連打にまたもヒザが落ちる。ここも上体を立てる渡辺だがケージを背に防戦一方に。カモーシェのラッシュにみたびヒザが落ちて打たれるがままの渡辺は、クリンチに行くことも出来ない。
最後は左を被弾した渡辺に、レフェリーが間に入った。カモーシェの怒涛の24連打に渡辺はケージに釘付けで立ったままゴングを聞いた。35秒で15発の被弾。
1R、0分35秒、カモーシェのTKO勝ち。無敗の渡辺に初黒星をつけたランキング2位の勝者は、ビッグ・ジョン・マッカーシーによるケージの中でのインタビューに、「何よりまず私のフィニッシュタイムを知って欲しい。ベルトを獲るために、私は何がなんでもフィニッシュしたかった。私は今日は派手なフィニッシュを出来ると思っていたしやり遂げた。そして彼女は戦績の中についた黒星を見るたびに私を思い出す、あれはキツかったって。(相手がケージを背にしたときにはもう自分はこれでフィニッシュしてやるぞと?)もちろん」と語り、王座挑戦をアピールした(※試合写真は後ほど追加)。