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【雷神番外地】対抗戦は朝倉未来軍が4勝3敗で平本蓮軍に勝利、安保が16.6kg差のカリミアンの反則暴走にも負けず判定勝ち、宇佐美パトリックがBD細川を悶絶KO、篠塚が野田にKO圧勝してヒロヤを挑発、朝久がYURAとダウン応酬の末に勝利もぎ取る、MMAで冨澤が三浦を113秒KO、安井が黒薔薇くんに判定勝ちで4戦無敗に、赤田がダウン奪うも五明が有効打と組み際打撃でスプリット判定勝ち

2024/12/31 12:12
 2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN DECADE』が開催。昼夜興行の夜の部『RIZIN.49』の前に、13時から昼の部『雷神番外地』が行われている。  榊原信行CEOは今大会で5大発表を予告。「朝倉未来BreakingDown軍」vs.「平本蓮BlackRose軍」が行われた第1部の「雷神番外地」オープニングで、2025年5月4日に『THE MATCH 2』を開催し、朝倉未来vs.平本蓮を行うことを発表した。  番外地の最初の試合は、伝統派空手出身で元DEEPタイトルコンテンダーの 五明宏人が、元K-1ファイターでNARIAGARI→DEEPアマチュア戦から今回プロMMAデビューとなる赤田プレイボイ功輝と対戦。  メインイベントの第7試合は、安保瑠輝也vs.シナ・カリミアンの「RIZINスタンディングバウト特別ルール:2分6R(100.0kg契約)」。81.15kgの安保に対し、カリミアンは97.75kgで計量。16.6kg差のボクシングマッチは10オンスのグローブ着用で行われる。 『雷神番外地』速報 ▼第7試合 RIZINスタンディングバウト特別ルール 100.0kg契約 2分6R〇安保瑠輝也(MFL team CLUB es)81.15kg[判定3-0]※60-54×3×シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY)97.75kg  安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。 2022年6月の『THE MATCH 2022』でRISEスーパーライト級王者の山田洸誓に勝利するとしばらく試合から離れていたが、今年2月の『BreakingDown』で元K-1ヘビー級ファイターのシリル・アビディと対戦し、KO勝ちすると、5月にRIZINでブアカーオとドロー。9月には宇佐美正パトリックに判定勝ち。戦績は26勝(14KO)5敗1分。 カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。同王座は2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れて手放したが、2021年3月のダイレクトリマッチでK-JeeをKOし、王座を奪還。その後は、反則勝ちも含めて5連勝。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でKO勝利も準決勝でクラウディオ・イストラテに敗れる。2024年3月、初防衛戦でリュウ・ツァーにKO負けを喫し、王座を手放した。10月にイストラテと再戦したが無効試合、12月14日の木村太地戦も無効試合に。200cm、105.8kg。戦績は16勝(8KO)4敗2無効試合。 カリミアン「皆さん、こんにちは。ハロー、RIZINファン。今回はチャンスをいただいてありがとうございます。来年はもっと活動するところを見せたいです。応援よろしくお願いします。押忍」 安保「対戦相手が替わった中で、今回、俺の試合を見たいと思ってくれてるファンの方がいるんで、俺は明日、全力で闘います。シナ・カリミアンは急におとなしくなって真面目ぶったこと言ってるけど、お前、対戦相手が替わった中で、俺の試合を見たいと思ってくれてる人たちがおって、ただその舞台に用意されただけの、でかいだけの短足サンドバッグなんやから、明日派手にブッ倒れとけ」 カリミアン「明日、俺の拳が語るって。押忍」安保「要するに頑張るってことです。まかしとけ」カリミアン「かわいそう」安保「また明日な、巨人」  カリミアンは“昭和の反則王”悪役プロレスラーであるタイガー・ジェット・シンの入場曲「サーベルタイガー」で入場。  1R、まずは安保がジャブでボディを突く。そのジャブをボディに打ってからの右フックをヒットさせる安保。右へ回り込みながらボディにしっかりパンチを当てていく安保。カリミアンの右フックは安保がダッキングでかわす。カリミアンが場内を見渡すようなパフォーマンスをすると、安保が一気に近付いて殴りかかる。安保がガードを下ろして挑発すると、カリミアンも顔を前に突き出して“打って来い”とアピールする。  2R、安保がスイングしての右フック、カリミアンがすぐに前へ出るが安保はフットワークでかわす。左右フック、ボディへのジャブと当ててステップで動く安保。左右ボディからの右ストレート、左フックをクリーンヒットさせた安保だが、やはり体格差が影響か、カリミアンは“効いてないよ”という顔をして前へ出ていく。安保がジャブをボディへ打つと、カリミアンは両手を広げて挑発。  3R、カリミアンが左右フックを打つと、安保は左右ボディから左右フックと手数を出す。カモンゼスチャーのカリミアンが右を出したところに安保が右のカウンターをヒットさせる。前へ詰めるカリミアンに安保は警戒に左右へ動く。ロープに詰められると安保はクリンチワークでカリミアンの動きを止める。ジャブ、ワンツー、ジャブとボディへパンチを集中させる安保。カリミアンには疲労が見える。  4R、カリミアンが右ストレートを打つと安保も右を合わせに行く。前に出るカリミアンがコーナーへ詰めて安保に連打するが安保は落ち着いた様子。安保がジャブを打つとカリミアンはノーガードで“効いてないよ”とアピール。さらに安保は左右フックもカリミアンは平気な様子。前へ出るカリミアンは顔を前に出して「もっと打ってこい」と挑発。安保が右を打ってくるとカリミアンはそこへ右を合わせようとしたが安保が空振りさせた。  5R、ジャブを突く安保に左右フックで突っ込むカリミアン。ここで互いに足を止めて打ち合いをし、安保の左右フックがカリミアンを捉えるが、カリミアンはのっしのしと前へ出て来る。安保は右ボディ、右ストレート、ボディへのジャブ。カリミアンは何かを喋りながらパンチを繰り出すが、もうスピードがない。ノーガードで誘うカリミアンに安保が右ストレートからの左フックを打つと、カリミアンが明らかに後退。  6R、「カモン」と安保を煽るカリミアンは反則のバックハンドブローを放つ。注意を受けるカリミアンだが片手を上げて観客にアピール。再開すると今度は安保がバックハンドブローをやり返し、またもカリミアンはバックハンドブロー。レフェリーが制止に入ると、これを無視してレフェリーを挟んで安保と打ち合う。  再開後、安保の左フックでカリミアンが明らかにグラつく。ここで安保が前に出て右ストレート、左右ボディからの左フック。するとカリミアンがまたしても反則のバックハンドブロー。カリミアンは全く悪びれる様子はなく手を挙げて観客にアピールする。カリミアンには警告。再開後、安保はワンツーで前に出て右ストレートをクリーンヒット。下がるカリミアンへパンチを繰り出すが、カリミアンも打ち返して試合終了。  カリミアンは堂々と右手を挙げてアピール。判定はジャッジ三者とも60-54で安保の完勝となった。なぜか大笑いするカリミアン。   安保はマイクを持つと「ぶっ倒すつもりだったけれど、弱いとか軽いとか言ってたけど俺に攻撃できなかったカリミアンの負けです。来年ガルシアと戦いますけど、5月に朝倉未来さんが平本と戦うので、俺に出来ることがあれば何でも協力します。日本の格闘技界のために未来さん、絶対に勝ってください。俺もガルシアと戦うためにアメリカへ行くのでよろしくお願いします」と朝倉にエールを送った。  この安保の勝利により、対抗戦は4勝3敗で朝倉未来軍の勝利となった。 [nextpage] ▼第6試合 RIZINオープンフィンガーグローブキックボクシングルール 77.0kg 3分3R×細川一颯(フリー)75.40kg[2R 2分59秒 KO]※3ノックダウン〇宇佐美正パトリック(Battle-Box)76.90kg  パトリックは極真空手、ボクシングを経て2021年9月の修斗でプロデビュー。2022年10月からRIZINに参戦し、佐々木信治にTKO勝利、ベイノアに失神KO勝ち。2023年4月、キム・ギョンピョに1R一本負け。9月にはキックボクシングルールで元K-1王者の安保瑠輝也から二度ダウンを奪われ判定負け。2024年6月には徳留一樹を1R右フックで沈め連敗脱出するも、9月には矢地祐介に完封された。12月のDEEPで元修斗ライト級王者西川大和に判定2-3で敗れ2連敗中。  細川は6歳から11歳まで極真空手を習い、全日本優勝。サッカーで特待生として高校進学をするも中退。2022年よりMMAを始め、2023年に全国の喧嘩自慢100人のトーナメント企画に出場、その頂点に立ちBreakingDown(以下BD)1,000万円の1年契約を結ぶ。2023年11月、9連勝で迎えたBDで才賀紀左衛門にKO勝利。2024年12月のBDフェザー級トーナメントではYURAに判定負けで初黒星を喫した。  1R、パトリックが右カーフで先制、細川も右ローを返す。じりじりと近付くパトリックが左右フックで細川にロープを背負わせるが、細川も右フックを一発返す。細川は胴廻し回転蹴りを繰り出すが空振り。回り込んでいく細川にじりじりと近寄るパトリック。  細川の飛びヒザにはパトリックが左フックを合わせる。細川は右のジャンプしてのハイキックを放つがパトリックはブロック。パトリックは前蹴りから左フック、パトリックの右ミドルには細川が右フックを合わせに行く。  2Rもじりじりと前に出るパトリック。細川は左三日月を蹴る。リングを大きく回り込む細川は左右に動いてロー、左ハイも放つ。ニヤリと笑うパトリック。左右ミドルを蹴る細川にパトリックは右フック。ロープを背負う細川にパトリックが飛び込んでの右ボディを打ち込むと、細川はロープに座るようにダウン。  再開すると前へ出るパトリックが首相撲からのヒザ蹴り。細川は蹴りを出して右へ大きく回り込んでいくが、パトリックが強烈な左ボディからヒザ、左右連打。さらにコーナーへ詰めると左右ボディの連打。細川は悶絶してダウンし、パトリックのKO勝ちとなった。  これで対抗戦は3勝3敗となり、勝敗は大将戦に持ち込まれた。  パトリックはマイクを持つと「対抗戦に選ばれてしっかり倒して、自分をアピールするというか勝って当たり前の試合やと思ったけれど、これだけ時間かかってまだまだだなと思ったし、これからまた頑張るので応援よろしくお願いします」と、満足していないと語った。 [nextpage] ▼第5試合 RIZINオープンフィンガーグローブキックボクシングルール 58.0kg 3分3R×野田 蒼(月心会チーム侍)58.0kg[1R 1分23秒 KO]〇篠塚辰樹(MASTER BRIDGE / 剛毅會)57.95kg  篠塚はボクシングを中学2年から始め、高校2年まで31戦24勝7敗。関東大会優勝、全国大会5位の成績を残す。高校中退後は名門ワタナベジムに入門し、プロ戦績は3勝(2KO)1敗。キックボクシング転向後、2023年10月にKrushフェザー級王座を奪取した。その年の大晦日にRIZIN初参戦を果たすと、BreakingDownの冨澤大智から大差判定勝利。2024年4月にはベアナックルルールに初挑戦、BKFCからの刺客マルティネスを右ストレートでKOした。  野田はアマチュアキックボクシングで12冠達成。2020年にK-1甲子園-55kgで優勝し、2019年8月よりK-1参戦。2022年7月、Krushバンタム級王座に挑戦も池田幸司に2R TKO負け。2024年3月にRIZINでTKO負け、6月のRISEでもKO負けと3連敗を喫したが、9月に初参戦のBreakingDownでナオキに判定勝利。10月は大野篤貴に判定1-2で惜敗。12月にはフェザー級キックトーナメントのリザーブファイトで体重差5.2kgのパトリック・コーネットに連打を浴びせ判定5-0勝利を挙げた。  両者リング中央に行くと、野田はヤンキー座り、篠塚は正座する。  1R、野田は右カーフを蹴り、圧をかけてくる篠塚に下がっていくと左フックもらってグラつく。もう一度篠塚が左フックを打つと右ストレートをフォローしてダウンを奪う。  篠塚は飛びヒザ蹴り。前へ出る篠塚は笑みを浮かべ、野田は左ローを蹴る。ジャブで前に出る篠塚が野田のヒザ蹴りに右フックを合わせ、野田は左右フックで前へ出てくると右カーフ、そこへ篠塚がジャブを合わせて2度目のダウンを奪う。立ち上がった野田に最後は篠塚が左フックを見舞い、篠塚の完勝となった。  マイクを持った篠塚は「野田くん弱かったから面白くなかったけれどさっきの赤田の試合、勝ってたよね? そういうこと。来年、俺はMMAやるから。来年ヒロヤやろうね。よろしく。やるんだろ、お前」とマイクアピール。  観客席にいたヒロヤが怒りの表情でリングに上がり、篠塚と額と額を押し付け合ってのフェイスオフ。ヒロヤは「やったるわ。お前が逃げんなよ」と言えば、篠塚は「打撃もロクに出来ないくせにへなちょこが」と挑発した。 [nextpage] ▼第4試合 RIZIN MMA特別ルール 63.0kg 5分2R〇冨澤大智(フリー)62.60kg[1R 1分53秒 KO]×三浦孝太(BRAVE)63.0kg  冨澤は2019年にABEMAの『格闘代理戦争』でTEAM武尊の一員として出場。2021年10月のKrushでプロデビューし、2連勝を挙げたのち、BreakingDownに参戦。11月、朝倉未来チャレンジ1期生のヒロヤと自身初のMMAルールでの対戦するも判定負けを喫した。  その後はキックボクシングルールで6連勝。RIZIN初参戦となった2023年大晦日、篠塚辰樹相手に判定で敗れた。2024年6月、井原良太郎が持つBDバンタム級王座に挑戦したが延長の末、判定0-5負け。引退宣言を撤回して12月、半年ぶりの再起戦で無敗の空手家よしきまるに判定3-2勝利を挙げた。 “キング・カズ”こと三浦知良の次男。高校卒業後、プロ格闘家をめざしBRAVEで研鑽を積むと2021年大晦日にRIZINでプロデビュー、YUSHIにサッカーキックでTKO勝利した。  その後、2022年9月はアームバーで2連勝を飾ったが、2023年5月にYA-MAN、大晦日には皇治にいずれもTKO負け。2022年にはブアカーオとエキシビジョンマッチも行っている。  1R、サウスポー構えの富澤とオーソドックス構えの三浦の喧嘩四つ。富沢は右ロー、ワンツーの左を刺しこむ。左の前蹴りの打ち終わりに組みに行く三浦。シングルレッグも切る富沢は、三浦の入りに右を当て左を突いて腰を落とさせる。再びタックルに行く三浦の顔面に、富沢はカウンターの左ヒザ! KO勝ち。 [nextpage] ▼第3試合 RIZINキックボクシングルール 66.0kg 3分3R×YURA(ダイヤタイガージム)65.95kg[判定0-3]※25-28×3〇朝久泰央(朝久道場)65.80kg  朝久は2021年7月にゴンナパーを延長Rで破り、第5代K-1ライト級王座に就いた。2022年2月、王者としての第一戦で与座に敗れ、怪我で長期欠場に。2023年3月、与座の挑戦を受けての初防衛戦に臨んだが、判定で敗れ王座を失った。拳の粉砕骨折から2024年10月に復帰し、龍華に判定勝ち。平本蓮の呼びかけに名乗りを上げてBLACK ROSE軍入りを志願した。無尽蔵のスタミナから繰り出す攻撃と変幻自在のファイトスタイルで戦績は18勝(4KO)9敗。 YURAはK-1甲子園準優勝、第4代IKCウェルター級王座、初代ジャパンカップ同級王座、突破70㎏以下級王座、RKSウェルター級王座を獲得。「一番手っ取り早く有名になるため」の手段としてBreakingDown出場を選び、2023年5月から出場。2024年2月には西谷大成にもKO勝ちしている。2023年12月の『RISE WEST』に出場し、ねぎ魔神とダウン応酬の末に判定勝ちしてRISEミドル級15位にランキング入り。2024年5月のBreakingDownライト級トーナメント準決勝で山本隆寛に敗れたが、10月のFIGHT CLUBでは木村”ケルベロス”颯太をKO撃破。12月、BDフェザー級トーナメントを制して初代王座に就いた。プロ戦績は14勝(6KO)無敗。RISEスーパーライト級7位。  1R、66kg契約戦。体格的にアドバンテージを持つYURA。左へ回り込もうとするYURAよりも先に右へ動いて左右ローを蹴っていく朝久。ステップを踏んで左右ロー、YURAも右カーフを返す。YURAは狙って右ストレート、左フック。朝久が飛び込んでの右フックをヒットさせてスタンディングダウンを奪う。  前蹴りで襲い掛かる朝久。右カーフから前蹴り、YURAも右ストレートで反撃。その右ストレートを朝久の左フックに被せるように打ち込んで朝久に膝をつかせてダウンを奪い返す。朝久が右フックを入れるとYURAが左フックを返す。朝久のパンチをブロックしてのパンチを狙うYURA。朝久は再びローで勝負するが、YURAはそこへ右ストレートを合わせる。  2R、ローの蹴り合いから互いにパンチに狙う。朝久は後ろ蹴りから左右フック、YURAも右フック。YURAは左右の前蹴りから右カーフ、朝久は構えをスイッチしながら前へ出ていき、強烈な右ロー。そこからボディを攻める。YURAは一気に前へ出て右ストレートを放つが、朝久は打ち合わずステップで距離をとる。 YURAが前へ出るところに朝久がワンツーをカウンターで打ち込み、パンチをまとめる。YURAも受けに回らず攻めの姿勢。YURAは左へ動きながらの左フックをヒットさせ、朝久は鼻から出血。前に出るYURAだが朝久がワンツー、顔面前蹴りをヒットさせてこのラウンドを優勢に終えた。  3R、右を同時に放つ両者。YURAのジャブに朝久は右を合わせに行き、すぐに右ロー。YURAは自身のフィニッシュブローである右を強打していくが、朝久は打ち合わずインローを蹴ってからの左右フック。飛び込んでのジャブに朝久はインロー。YURAの右フックをもらう朝久だが前に出ていき、組み付いてYURAを倒す。  YURAはあくまでも右ストレート、朝久はハイキックを見せてからのバックハンドブロー。朝久がボディをヒットさせればYURAも右ストレートを当てる。それでも前に出る朝久が右ボディストレート、YURAの右ストレートにカウンターの三日月蹴りを突き刺して2度目のダウンを奪う。ラッシュをかける朝久は左ハイ、1回転しての左ミドル。  ジャッジ3名とも28-25で朝久がYURAにプロ初黒星を付け、BLACK ROSE軍に初勝利をもたらした。  朝久はマイクを持つと「俺がRIZINに上がることでいろいろ言われましたが、楽しんでもらえましたか? ハッキリ言って一番強いヤツは俺がやったので、残りの三浦選手、篠塚選手、カリミアンもやってくれると思うので応援お願いします。K-1からRIZINに上がるのはK-1を誇りに思っている気持ちがあるし、K-1から乗り込んで来た身として世界中に病気で苦しんでいる人がいると思うので、ファイトマネーを全額寄付します。K-1最強を証明していくので朝久泰央とK-1の応援をお願いします。K-1最高!」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 RIZIN MMAルール 66.0kg 5分3R〇安井飛馬(JAPAN TOP TEAM)65.90kg[判定3-0]×黒薔薇くん(鈴木博昭/BELLWOOD FIGHT TEAM)65.95kg  黒薔薇くんこと鈴木はシュートボクシング出身。RIZINで奥田啓介を1R TKO勝ちデビュー後、萩原京平に判定負けも、昇侍に1R TKO勝ち。しかし、平本蓮、青井人に判定負けで連敗。2023年6月に西谷大成を1Rわずか56秒でTKOに下して再起を遂げると、続く2024年2月には芦田崇宏を1R4分29秒でTKOに仕留めた。7月にはYA-MANにKOで敗れている。  安井は中学1年から大学4年まで柔道を経験し、柔道の強豪校・宮崎日本大学高校で3年時に宮崎県ジュニア柔道体重別選手権大会にて優勝、関西学院大学3年時には兵庫県学生体重別選手権大会で優勝した。憧れの柔道家は同郷の丸山城志郎。大学在学中の2021年7月、BreakingDown第1回大会に出場して判定勝利。朝倉未来にスカウトされ、朝倉未来1年チャレンジ2期生としてプロを目指す現JTTに加入した。  BreakingDown戦績は6戦全勝。2023年からはDEEPに参戦し、アマチュアで2戦2勝後、2024年4月に1DAY開催のフューチャーキングトーナメント2023に出場し4連続フィニッシュで優勝(ライト級)。8月、降雨のDEEPサマーフェスティバル2024にて、フェザー級でプロデビュー。ベテランの劉獅を相手に3-0判定勝利を飾ると、12月には牧野滉風を1R1分1秒、裏十字固めで一本勝利を挙げた。  1R、サウスポー構えの黒薔薇くん。オーソの安井は左ロー。黒薔薇くんは左から右を当てる。さらに右の前手で飛び込んで右ロー。安井のローに、黒薔薇くんも左ローを返す。  安井は圧力をかけると左右からバックに。背負って立つ黒薔薇くんに両足をかける安井はグラウンドに引き込むが、ここは腰をずらして仰向けにガードを取る黒薔薇くん。サイドにパスする安井に足を戻す黒薔薇くん。立ち際を狙われないように半身を見せつつガードに戻して草刈から蹴り上げ。  下から鉄槌の黒薔薇くんに、なおも足をさばいてパス、マウントの安井は左枕で右パウンド。黒薔薇くんはブリッジでスペース作り立ち上がり。そこにギロチンチョークの安井に首を抜いた黒薔薇くんは、安井の内股をかわして正対して立ち合いゴング。  2R、左インローを当てる黒薔薇くん。左ボディストレートに下がる安井。追う黒薔薇くんに左差しで組む安井。右小手の黒薔薇くんを崩してテイクダウン。立ち際に再び首を抱えてヒザを突く。  右で差してスタンドの黒薔薇くんに大内刈でテイクダウンの安井! ハーフの黒薔薇くんは背中を着かされる。安井は前腕ギロチン。足を戻す黒薔薇くんは立ち上がり。首を抱える安井を突き放し、スタンドに。  左ジャブの安井に左インロー、ハイの黒薔薇くん。さらに安井の組み際に打撃も、組んだ安井は足技で崩してテイクダウン。下の黒薔薇くんは下から鉄槌。右のパウンドで飛び込む安井に下からシングルレッグでレッスルアップするが、ここも崩す安井が上に。ハーフガードの黒薔薇くんは、右で差して立ち上がり。またもがぶる安井に立つ黒薔薇くん。  3R、左インローを当てる黒薔薇くん。右ジャブで前に出て左インロー。右ジャブ。前足にシングルレッグの安井はテイクダウン。レッグドラッグでパウンド、ヒジ! しかし後頭部へのヒジで中断、「注意」。  再開。左インローの黒薔薇くん。踏み込んで右ロー、さらに左ハイを当てるが、その蹴り終わりに安井はテイクダウン。ハーフで左で差す黒薔薇くんに首を狙う安井。黒薔薇くんは仰向けに背中を着き、蹴り上げから立ち上がり。  その立ち際に首を抱え、シングルレッグから小内でテイクダウンを奪う安井! 残り1分20秒。左で枕で背中着かせ、パウンドに黒薔薇くんは動けず。安井は左脇を開けさせて頭を入れて、右ボディを連打! 黒薔薇くんは下から鉄槌もハーフのままゴング。  判定は3-0でテイクダウンからパウンドとポジションを奪い動き続けた安井が勝利。MMA4勝無敗とした。黒薔薇くんこと鈴木博昭は3連敗に。 [nextpage] ▼第1試合 RIZIN MMAルール 66.0kg 5分3R〇五明宏人(JAPAN TOP TEAM)65.85kg[判定2-1]×赤田プレイボイ功輝(剛毅會)65.90kg  五明は5歳の時から20年間、父親の道場で伝統派空手の鍛錬を積み、2019年の天皇盃・皇后盃第47回全日本空手道選手権個人組手にて優勝。朝倉兄弟に憧れ26歳でMMAに転向すると2022年3月、DEEPフューチャーキングトーナメント2021ライト級優勝。5月、DEEPフェザー級でプロデビューを果たすと3連勝で2023年5月、DEEPフェザー級暫定王者決定戦で神田コウヤと対戦したが判定で敗れプロ初黒星。その後4戦は勝ち負けを繰り返したが、再起戦となった2024年11月、初のメインイベンターとして韓国のミヨン・ジェウクに判定3-0勝利。  赤田は20歳よりキックボクシングを始め、2020年にKrushでプロデビュー。Krushで4勝(3KO) 2敗、K-1 WORLD GPでは北村夏輝と引き分けた。2024年7月の朝倉未来戦に向けて平本蓮のスパーリングパートナーを務め、11月のDEEPにて平本のプロデュース選手としてMMAデビュー。3分2RのDEEPアマチュアSルールで鳥次亜瑠に左フックを効かせ最後はパウンドで1R1分42秒TKO勝利を挙げた。  1R、ともにサウスポー構え。赤田は左ローを当てると、五明はダブルレッグへ。しかし切った赤田が上に。パウンドも五明の仕掛けに体を離す。  ブレーク。スタンド再開。右前蹴りの五明は赤田の左を潜って右で差して押し込む。クラッチを組ませない赤田にヒザ、細かい左のパンチの五明。クラッチして崩そうとするが残す赤田。五明は左ヒザに切り替え押し込むもブレーク。  左ローの赤田に、右ヒジは五明! 赤田は鼻血。五明の距離を潰す赤田に組んで左で差して押し込む五明。ブレークでドクターチェック。鼻血が多い赤田。再開。  左から右で前進する赤田に五明は出入りで左、さらにヒジをヒット。五明の突きに笑う赤田は前に。ゴング。  2R、赤田の入りに朝倉未来の「四つではなく足に入れ」と指示通り、五明がダブルレッグテイクダウン。フルガードの赤田に五明はガードの中から細かいパウンドの五明に、赤田はロープまで這って立ち上がりも、その立ち際に五明は左ヒザ2発! 被弾しながらコーナー背に立つ赤田。  さらに左ヒザを突く五明に突き放す赤田。しかし、赤田の入りに右縦ヒジは五明! 怯まず前に出る赤田に五明はシングルレッグから上組み。左で差して押し込むが赤田も突き放す。  左ローが遅くなった赤田。五明は間合いを保ち、赤田の左をかわして組み。右で差して押し込むがブレーク。赤田の入りに組みと際の打撃勝負の五明は左ヒザを突いて押し込んだままゴング。  3R、赤田のワンツーをかわし、左ローの打ち終わりに組んだ五明。コーナーまで押し込むと、赤田が右ヒザ連打。離れる五明は赤田のヒザに再び組み。ブレーク。  スタンド、五明の左の入りに赤田は右でダウンを奪う! 下から腕十字狙いの五明をかわすと中腰からパウンド。五明はそのスペースで立ち上がり、コーナーに押し込むと、離れてすぐにダブルレッグ。差し上げる赤田にヒザで押し込む。  残り2分。圧力をかける赤田に五明はサイドに回り左を突いて組み。左差しでロープに押し込み、右でパンチ。左ヒザも。コーナーでヒザ突くがブレーク。  互いに左の踏み込み。さらに左の赤田をかわした五明はダブルレッグからロープまで押し込み。赤田は左を振ってゴング。初の3Rにも最後まで気持ちを切らさず。  判定は2-1で五明が勝利。ダウンを奪った赤田だが、五明のコントロールと有効打が勝った形に。
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