ルオトロチンはグローブを着けても極められる
──グラップリングの前戦では、兄弟そろって“ルオトロチン”を極めましたね。あの技はMMAでも極まりそうですね。通常のリアネイキドチョークのシートベルトからのフェイントにもなると。
「そうだね。ハンドファイトで、シートベルトで脇の下から伸ばした手を、肩口からの手の上に重ねて相手が剥がそうとしたら、肩口からの手で首にリアネイキドチョーク。ルオトロチンの場合は、肩口からの手を上に組んで、その上の手を剥がされたら、脇の下からの腕を一気に対角上に差し込んでバイセップで組んで頭後ろでリアネイキドチョークの形で組んで絞める。
実はあの技、最初に兄貴がやって僕に見せてくれたんだ。特に名前は無くって。自分たちが開発した技ではないから、開発したっていう評価はいらないんだけど、説明がとても難しいんだよね。ダースチョークにとても似ているんだけど、同時にアームトライアングルにも似ている。3つくらいのチョークが融合してできた感じで、MMAでも絶対使えるよ。
トレーニングキャンプでもグローブをつけて何度も試している。ルオトロチンでサブミッションできるんじゃないかな。ちなみに言っておくけど、僕は“ルオトロチン”って名前本当は嫌なんだよ(苦笑)、自分で言うのは気が引けるんだけど皆がそう呼んでいるから仕方なくそれに乗っているだけ。“バック肩固め”と言ったりしてるよ」
──さて、今回の試合はケージ。グラップリングでもケージの試合を経験してきたことは、ケイドにとって、良かったとも言えるでしょうか。
「その通りだよ。青木真也ともケージで戦った。あの頃を思い出してね。壁を有効に使って、相手も壁を使ってくる。ケージになると簡単にクラッチを組めず、頭の位置によっては動き辛くなるし、立ちやすくなるともいえる。とにかくまたケージで試合できるのは嬉しいよ」
──Classic Figjt Teamで練習してきた打撃の自信は?
「とてもあるよ。特にこの数カ月間、コーチたちと共に磨いて上達してきた。自分でもこんなに早く上達するのかと驚いたくらいだ。だからなのか、この試合に向けて一切緊張をしていないんだ。柔術の試合に比べて凄く緊張するのかと思ってたんだけど、すごく不思議だけど全然緊張をしていない。きっとそれだけ準備をしてきたからだと思うよ」
──グラウンドで四点ヒザも認められるONEのルールセットは、ユニファイドとも異なりますが、グラップリングを発揮するのに役立つことの方が多いか、警戒することの方が多いでしょうか。
「どちらもだ。僕の戦いはとてもこのルールにフィットすると思う。他の団体でも禁止されているものってだいたいグラウンドの攻防に関係しているだろ? 頭部へのヒザ蹴りやエルボー……つまりポジショニングの意味が活きて来る。対戦相手はグラウンドにいたら僕のサブミッションにビビるだろうし、僕が上にいる間は他の団体では禁止されている事もできたりする。だからONE Championshipのルールは大好きだよ」
──ずばり、どのような試合になる?
「ぶっちゃけ、1Rより長くなる事はないんじゃないかと思っている。もしなったら自分でビックリするよ。判定になったらさらに驚くね。だからフィニッシュになると思っている、それが自分の打撃でなのか、柔術でなのかは分からないけど。いずれにしろ、1Rで終わらせるよ」