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2024年6月9日(日)『RIZIN.47』(代々木第一体育館)で、ポーランドのシェミスラブ・コバルチェクとヘビー級(120.0kg)で対戦する、極真会館元世界王者の上田幹雄(BRAVE)が3日、都内にて公開練習。スダリオ剛の『BreakingDown』での敗戦、MMAにおける空手の動き、ヘビー級日本人ファイターとしての矜持などを語った。
公開練習では、シャドーで前蹴りやかかと落とし、ミット打ちでは左右スイッチしての上段の蹴り、後ろ回し蹴りなど、極真空手仕込みの空手を遠近自在に披露した上田は、質疑応答のなかで興味深いコメントを残している。
「試合のなかでかかと落としも見られるか?」の問いに、上田は現時点では難しい、と吐露した。
「かかと落としは、“イチ・ニ”なんで、MMAでは(イチとニの間が)怖いんです」(上田)
イチで踵を振り上げ、ニで落とす。このイチで間合いを詰められ組まれること、相手の打撃を被弾することのリスクを上田は語っている。
MMAにも多い“ワン・ツー”だが、そこに時にノーモーションのイチで打つこと、イチでテイクダウンに入ることが、MMAの「一挙動」として上下・内外と攻撃を散らすなかで生きて来る。
スダリオ戦で見せた、相手の入りにテンカオとは異なる、近い間合いでの廻さない上段の蹴り。このイチのタイミングの空手の打撃が、テイクダウンディフェンスに自信を得た上田のなかでMMAで開花しようとしている。その意味でかかと落としを“怖い”と表現した上田に、MMAの進化が見える。
しかし、空手家として上田は、「いずれMMAでも出せるように。それに身についている技なので出るかもしれない」と、MMAの動きがフェイントとなって、かかと落としも出るかもしれないとした。
上田との一問一答は以下の通りだ。