MMA
レポート

【UFC】ドバリシビリがオマリーをドミネートし判定勝ち、バンタム級新王者に! シェフチェンコがグラッソに完封勝利で女子フライ級王座奪還、ロペスがオルテガからダウン奪い5連勝、フライ級でロドリゲス、ヴァンが激闘勝利

2024/09/15 09:09
 2024年9月14日(日本時間15日)米国ネバダ州ラスベガスのスフィアにて、『UFC 306: O'Malley vs. Dvalishvili』(U-NEXT配信/UFC Fight Pass配信)が開催された。  メキシコ独立記念日を祝う『ノーチェ(※スペイン語で『夜』を意味する)UFC』とも呼ばれる同大会のメインイベントは、UFC世界バンタム級タイトルマッチ(5分5R)で、王者ショーン・オマリー(米国)に、同級1位メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)が挑戦した。 『UFC 306: O'Malley vs. Dvalishvili』速報 ▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5R〇メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)18勝4敗(UFC11勝2敗)※UFC11連勝 134lbs/60.78kg[判定3-0] ※49-46、48-47×2×ショーン・オマリー(米国)18勝2敗(UFC10勝2敗)135lbs/61.24kg※ドバリシビリがバンタム級新王者に  メインイベントは、UFC世界バンタム級タイトルマッチ(5分5R)で、王者ショーン・オマリー(米国)に、同級1位メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)が挑戦する。  オマリーは、MMA18勝1敗1NC。登竜門大会『DWCS』を経てUFCと契約し、プロスペクトとして期待され、KO勝ちの山を築いて、2023年8月の『UFC292』で当時バンタム級王者だったアルジャメイン・スターリング(米国)に挑戦。2Rに右ストレートでダウンを奪い、パウンド連打で王座を獲得した。  2024年3月の『UFC299』での初防衛戦では、同級5位のマルロン・ヴェラ(エクアドル)と3年7カ月ぶりに再戦し、スタンドで攻勢となり判定勝ち。唯一の黒星を喫していた相手にリベンジを果たしている。今回は2度目の防衛戦。  一方のドバリシビリは、MMA17勝4敗。強靭なスタミナとノンストップレスリングを武器に、直近でUFCの歴代王者を3連破してタイトル戦を迎える。  2022年8月に元フェザー級王者ジョゼ・アルド(ブラジル)に判定勝ちすると、2023年3月に元バンタム級王者ピョートル・ヤン(ロシア)に判定勝ち。2024年2月には、北京五輪のレスリング・フリースタイル55kg級金メダリストで、フライ&バンタム級の元二階級制覇王者ヘンリー・セフード(米国)にも組みで譲らず判定勝ちを収めている。2018年9月から負けなしの10連勝で満を持してオマリーに挑む。  1R、グローブタッチした両者。サウスポー構えのオマリーが中央に。オーソのドバリシビリは、セコンドの言葉に激高。ハーブ・ディーンから注意を受ける。  再開、右ミドルを打つドバリシビリ。オマリーの蹴りをかわしておどけて見せる。ケージを背負わずサークリングのオマリーはオーソと交互にスイッチし左ジャブ。右ミドルのドバリシビリ。オマリーは左ジャブ。  インローのドバリシビリ。オマリーの右をかわすが、ステップインしての左は被弾。遠いオマリー。最初のテイクダウンで尻を着かせるが、すぐに立つオマリー。片ヒザ立ち。バッククリンチから左で腰を脱き、右でパンチも、離れるオマリー。  詰めるオマリーはサウスポー構え。左の飛び込み、さらに右をかわしたドバリシビリがテイクダウンから立ち上がりにがぶりからギロチンチョーク狙い。落ち着いて外して立つオマリーは後ろ廻し蹴りもドバリシビリがかわしてホーン。ジャブはもらったドバリシビリだがテイクダウンからパンチ連打でドバリシビリのラウンドに。  2R、サウスポー構えで中央を取るオマリー。右回りのドバリシビリはステップから右ミドル。右ボディストレートのオマリー。遠間に立つドバリシビリにスイッチして右を打つオマリーは右ボディストレートを伸ばす。  ジャブが減るオマリーの狙いは? 徐々に詰めるドバリシビリにワンツーも、そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンはドバリシビリ! マット中央。下のオマリーは4の字ロックから外してオープンガード。上体を立ててパウンドで飛び込むドバリシビリ。オマリーのラバーガード、三角絞めをかわしてかつぎ狙いも、オマリーのグローブ掴みに注意。  オマリー下のまま再開。かつぎパス狙いのドバリシビリ。オマリーは下からシングルレッグ狙いで立ちに。しかし潰したドバリシビリはサイドバックからパウンド。送り手を掴んでコントロールして背後からヒザ。さらに上体を立てたオマリーにギロチンチョーク狙い。ドバリシビリががぶったままオマリーの背中にキスをして挑発。レフェリーの注意を受けて離れて背中を見せると、まだ試合は終わっておらず、そこにオマリーは殴り掛かるもホーン。  3R、左右にステップするドバリシビリ。サウスポー構えのオマリーはスイッチして前に。ドバリシビリは遠間に立ち、スイッチ。オマリーはテイクダウンを警戒し、手数が減る。右ボディストレートも遠い。ドバリシビリはシングルレッグから足を抜いたオマリーを組み伏せてニンジャチョーク狙いからがぶりに変えてヒザ。  肩ヒザ立ちになるオマリー、首を抜くと右を振るも遠い。左前蹴りのオマリー。かわすドバリシビリは右ヒザをかわして組むが、ここは切ったオマリー。右ハイから前に出るドバリシビリはインローも。  オマリーからの左右はかわすと前足にシングルレッグ。切るオマリーにドバリシビリはニータップ狙いも。ワンツーの右を突くオマリーだが、ドバリシビリはは動じず。オマリーは左を当てて左ヒザで前に。組みのドバリシビリに後半当てたオマリー。拮抗したラウンド。  4R、遠間から圧力をかけるドバリシビリは右ロー。左右ボディストレートを見せるオマリーの右は遠い。ステップを踏みながら左のオマリー。ドバリシビリの2度目のダブルレッグテイクダウンに下に! 背中を着かされたオマリー。  右で差してハーフで押さえ込むドバリシビリに「動け」とレフェリー。細かいパウンドからヒジを突くドバリシビリに足を」戻そうとするオマリーだが、すぐに右足をまたぐドバリシビリ。オマリーは背中を見せて立ち上がり。そのバックについてヒザを突き、両ヒザを突かせると、尻を着いて正対したオマリーは背中を着いてガードに。オマリーが上体を立てると首をがぶり削るドバリシビリはパウンド。残り4秒で立つオマリーはケージに両手を乗せて疲労を見せる。ドバリシビリのラウンド。  5R、中央に出るオマリー。ドバリシビリは左右にステップ。テイクダウンのタイミングをうかがう。サウスポー構からオーソにしたオマリーは右ボディストレートも遠い。スイッチするオマリーにニータップからテイクダウンはドバリシビリ! 金網まで這って立とうとするオマリーにバッククリンチからヒザを突くドバリシビリ! オマリーの立ち上がりにパンチ。  離れたオマリー。残り半分。中央に立つオマリー。右回りのドバリシビリに左ハイ。ブロッキングのドバリシビリはローシングル。ここは切るオマリー。  立ち合うドバリシビリに、右三日月蹴りを効かせたオマリー! さらに追って右三日月蹴り。効いているが、ドバリシビリはシングルレッグへ。突き放したオマリー。ドバリシビリは笑顔を見せて時間を使い、最後にシングルレッグテイクダウンでオマリーに尻を着かせてホーン。ケージの上に登った。最終ラウンドはオマリーのラウンドに。  判定は3-0(49-46、48-47×2)でドバリシビリが勝利し、跪いて歓喜の雄叫び。11連勝でベルトを巻いた。  アルジャメイン・スターリングやレイ・ロンゴらとハグをかわしたドバリシビリは、インタビューで「今までと同じ1日だった。常にステップ・バイ・ステップでやってきた。今回もオマリーを倒すことだけを考えて来た。特別な感慨は一切ない。今日は自分が一番強いと証明できた。このまま15Rくらい戦える。12年かかってベルトを獲った。デイナのことは尊敬している(次はウマル・ヌルマゴメドフ? デイナと話したい。彼に人生を変えられた。『Dana White: Lookin' for a Fight'』(※ラフェオン・ストッツ目当てのデイナの前で15秒KO勝ち)で見つけてUFCに連れてきてくれて、いま、ここでベルトを巻いている。夢の中を生きている。普通の男だったんだ。誰が指名されても戦う。彼が何を望むかに従うつもりだ。彼をリスペクトしているし、その決定をリスペクトしている」と語った。 [nextpage] ▼UFC世界女子フライ級選手権試合 5分5R〇ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(キルギス)24勝4敗1分(UFC13勝3敗1分)125lbs/56.70kg[判定3-0] ※50-45×3×アレクサ・グラッソ(メキシコ)16勝4敗1分(UFC8勝4敗1分)124lbs/56.25kg  コメインは、女子フライ級タイトルマッチでTUFコーチ対決。2023年3月、9月に続く3度目の対戦となる。初戦はグラッソがチョークで逆転一本勝ち。  ダイレクトリマッチでは、シェフチェンコのテイクダウン&バックに、グラッソが右でダウンを奪う拮抗した試合で三者三様のドローに。3戦目は、ノーチェUFC=グラッソのホームでの試合となる。この試合で初めてグラッソのオッズがフェイバリットに。  1R、サウスポー構えのシェフチェンコが中央へ。オーソのグラッソは細かくステップ、シェフチェンコの右に出入りでワンツー。そこに右を狙うシェフチェンコ。  右ジャブのシェフチェンコ。グラッソの入りにダブルレッグテイクダウン! クローズドガードのグラッソは手首を掴もうとするが外したシェフチェンコの入りに再び腕十字狙い。ヒジを抜くシェフチェンコ。下のグラッソは左でオーバーフックを解いてギロチンチョークへ。首を抜くシェフチェンコだが、なかなかパウンドを打てない。ならばと右ヒジを突いたシェフチェンコ。マウントにグラッソは背中を見せて亀に。シェフチェンコがリアネイキドチョーク狙いでホーン。  2R、サウスポー構えでじりじりと近づくシェフチェンコ。左ミドルハイをかわしたグラッソは遠間から頭を振って左右。左に回ってかわしたシェフチェンコは右をかぶせてダブルレッグテイクダウン。グラッソは左足でラバーガード狙いも。すぐに抜くシェフチェンコは右枕でハーフ、肩固め狙い。  戻したグラッソは下から腕十字狙いもシェフチェンコはかつぎパス。サイドからバック狙い。そこで頭を押して切ったグラッソだが、間を置かずシェフチェンコはすぐにダブルレッグテイクダウン。グラッソも足を効かせてスペースを作る。  1試合前に試合をしたロペスがグラッソのセコンドにつく。  3R、ともにサウスポー構えから。右前足でミドルのグラッソは左ローも。グラッソのワンツーに右前手を突くシェフチェンコは右ハイもガード上に。さらにスーパーマンパンチも見せる。ダブルレッグから切るグラッソに右前足の蹴りはシェフチェンコ。さらにグラッソの足が揃ったところにダブルレッグテイクダウン!  ハーフから右枕で右ヒジを上げようとする。グラッソのブリッジにマウント狙い。背中を見せたグラッソのバックを奪いホーン。  4R、右のダブルで前に出るグラッソにダブルレッグテイクダウンのシェフチェンコ。そこにカウンターのアームインギロチンチョークはグラッソ。絞めてマウントになるが、徐々にずらしたシェフチェンコが上になり首を抜く。  下で背中を着けるグラッソ。ブリッジするが、そこにシェフチェンコは肩固めを合わせに行く。サイドを奪うと押さえ込んでクルスフィックスで片腕を両足でからめてパウンド狙いもホーン。ここまで全ラウンドでシェフチェンコが優勢に。  5R、ともにサウスポー構え。左ローのグラッソ、右ローを蹴り返すシェフチェンコだが、後ろ蹴りは出さない。ダブルレッグを見せるシェフチェンコ。ワンツーの打ち終わりに組んだグラッソはボディロックテイクダウン! そのままニアマウントも、シェフチェンコはケージを蹴って後転して離れるとボディロックへ。ここは突き放してグラッソだが、シェフチェンコはダブルレッグテイクダウン! 金網背に立つグラッソ。  ケージに押し込むシェフチェンコは足払いで崩してテイクダウン。右小手巻き立つグラッソは離れる。  ジャブの刺し合いから四つも崩すのはシェフチェンコ。サイドを奪い、亀になって立とうとしたグラッソからバックを奪い、背後からパウンド。危なげなくグラッソを完封し、判定は50-45×3のフルマークでシェフチェンコが勝利し、王座奪還。勝利のダンスを見せた。   試合後、シェフチェンコは「スフィアで試合ができるなんて夢みたい。皆に感謝。今回の戦略はできることをすべてやることだった」と語り、ロシア語、スペイン語、タイ語で挨拶をした。 アレクサ・ グラッソ(女子フライ級王者)「私たちは一分一秒を全力で戦おうとしてる。私自身は入場は特別な演出は不要」 ──今回のイベントはUFCにとっても、スポーツ全般にとっても、ある意味で未開の領域です。メキシコ独立記念日に合わせて行われる今イベントで、プロモーションのメキシコMMAの顔のひとりとして迎える心境は? 「大きなイベントになるわね。私たち全員にとって、全く新しい体験になるのよ。片側に観客がいて、私達の後ろには大きなスクリーンがある。普段のアリーナとは全然違うけど、すごくワクワクしているわ。このイベントに参戦させてくれたUFCには本当に感謝しているの」 ──試合間に映画が流れたり、映像が動いたりするらしいが、戦っている最中にそのような演出があるのは想像できる? 「数カ月前にスフィアに行ってショーを見たんだけど、魔法みたいよ。巨大なスクリーンで、とてもリアルに見えるの。本当にクールな体験になると思う」 ──ワレンチナとの三度目の対戦。手を怪我したらしいが、トレーニングに本格復帰するまでに時間はかかった? 「試合でケガをして、手術が必要になったの。本会く復帰までは数ヶ月かかった。ボクシングが大好きだし、私の最大の武器だから、本当に大変だったわ。でも今は完全に回復して準備万端よ」 ──前回の試合前後に互いをリスペクトしているジ・アルティメット・ファイターでワレンチナと長い時間を過ごしている感じはあった、彼女がファイターとどう接しているかを見て、尊敬するようになった? 「あの番組で一緒に過ごす時間が本当に長くて、何度も何度も撮影があって、ちょっと面白かったわ。でも気づいたのは、二人とも本当にプロフェッショナルだってこと。私たちはお互い、できる限り最高の仕事をしようとしていたし、ファンやスタッフが仕事をしやすいようにも心がけていた。お互いプロ意識が高くて、競い合うのが好きだし、常に全力を尽くしているということは改めてわかったわ」 ──ドロー判定だった前戦に関して、ワレンチナは自分の勝利を主張しているけど、彼女から直接言われた? 「彼女はメディアに話しているだけよ。私たちが直接話すことはあまり無いわ」 ──昨年のノーチェのイベントも特別だった。去年と比べて、今年はどう感じている? 「去年はテストみたいな感じだったと思う。最初のノーチェで、100%メキシカンなグラフィックで、選手も雰囲気も音楽も試合も最高だったわ。今回はペイパービューで、場所も違うし、すべてが新しい。何もかもが特別だと思う。ほかの国には独立記念日にこんな大きなイベントをやる機会はないよね。私たちメキシコ人のハート、戦い方がこれを実現させているんだと思う。私たちは一分一秒を全力で戦おうとしてる。それが本当にクールだと思っているわ」 ──特別な入場も? 「いや、そういうことはやらない。私はそういうタイプじゃないの。オクタゴンに向かう時の目標はただ一つ、試合だけだから、入場に特別な演出は不要よ」 ──憧れのあったメキシコ人ファイターは? 「ブランドン・ モレノね。メキシコ人初のUFCチャンピオンだし、すごく刺激を受けたわ。知らない国の誰かが何かを成し遂げるのを見るのとは違って、自分と同じ国の人で、しかも実際に会って一緒に練習した人が成功するのを見るのは、特別な感じがするの。多くのメキシコ人ファイターにとって、本当に大きなインスピレーションだったと思う」 ワレンチナ・ シェフチェンコ(女子フライ級1位)「新しいトレーニングパートナーや新しい技術が増える。こういう移動型のトレーニングキャンプが私をベストな状態にしてくれる」 ──1年ぶりに戦うことになるが、ジ・アルティメット・ファイターの番組出演を経て、このイベントに参戦することになりましたね。 「本当に良い一年になったわ。旅をしたし、ジ・アルティメット・ファイターでコーチもできたし、たくさんの経験を経て、試合の準備ができている。自分に力強さを感じているし、本当に自信を持てているの」 ──アレクサが、ジ・アルティメット・ファイターを経て、あなたへのリスペクトが増したと言っていた。あなた自身は、彼女に対する印象に変化はあった? 「私はいつも対戦相手をリスペクトしているの。間違えても、誰かを侮辱することなんて決して無い。だから、ただ一緒に過ごす時間が増えたからといって、特別にリスペクトが増すことはないわ。ただ、ファイターとして毎日トレーニングしてオクタゴンに立つことがどれだけ大変か、その事実だけでもすごく尊敬に値するの。確かに、アレクサや彼女のチームとはたくさんの時間を過ごした。今年は家族よりも彼女たちを見ていたかもしれない(笑)」 ──アレクサとの3戦目を前に、これまでと違う準備はした? 「いや、特にしていない。2試合目は、みんなが見てた通り、私が勝った試合だったけど、結果はドローになった。だから、何を変えるべきかなんて正直わからないけど、ただ自分のパフォーマンスに集中して、できる限りの準備をしたわ。今回のトレーニングキャンプは本当に素晴らしかったし、自分を限界まで、そして限界を超えるまで追い込んだの」 ──MMAが盛んとはいえないエルパソで練習した理由は? 「エルパソは本当に素晴らしい街で、そこに住んで育った人々は、心が温かくてスピリットが強い。だから私はこの街にすっかり惚れ込んだ。私のコーチの友人が、エルパソで格闘技のジムを経営しているから、そこで練習したの。エルパソの気候はラスベガスに似ていて、高地だからトレーニングや心肺機能向上にはすごく良いのよ。それに素晴らしいトレーニングパートナーたちとも一緒に練習できた。エルパソ出身の選手たちもいたし、毎日国境を越えて練習に来てくれたファイターたちもいた。トレーニングだけじゃなく、その街の文化も深く知ることができたし、素敵な川があって、ほとんどの時間をその川で過ごした。本当に最高の場所だったわ」 ──エルパソが、今後のキャンプのメインになることはある? 「毎回、試合をする場所が違うから、それは難しいわ。例えば、今回のキャンプも最初はタイで2か月間、タイガームエタイで過ごしたの。その後、ラスベガスに移動して、ムエタイジムのアンドラーデムエタイでトレーニングをした。そしてエルパソに行って、今はまたラスベガスに戻ってきている。毎回移動しているの。毎回違ったトレーニングパートナーと練習できるのは素晴らしいことよ。長い間同じ場所にいると、トレーニングパートナーが何をするか予想がついてしまうけど、違う場所に行くと、全く違う相手に適応しなければいけない。それが好ましいの。ラスベガスからエルパソまで車で移動したんだけど、その帰りにアリゾナ州フェニックスにも寄って、別のジムでトレーニングをした。新しいトレーニングパートナーや新しい技術が増える。こういう移動型のトレーニングキャンプが私をベストな状態にしてくれるんだと思う」 ──多くのファイターは、特定の場所にとどまってトレーニングをするけど、あなたは世界中で試合も練習もしている。その経験はあなたのスタイルに影響している? 「間違いない。トレーニングで世界をまわることで、私の故郷と無縁の場所に生まれながら、私と同じ情熱を持つ人たちと出会える。それが、今の私を形作っているわ」 ──昨年は、メキシコの観客が判定に影響を与えた可能性を話していた。今回も観客がメキシコ贔屓になることを心配している? 「私が心配しているのは、試合をフィニッシュできるかどうかということ。それが最優先よ。チャンスをモノにして、100%フィニッシュを決めることが重要。私は5歳から格闘技をやっていて、もう31年のキャリアになる。今までたくさんの場所で、いろんなファイターと戦ってきたけど、地元の観客だけじゃなく、時にはレフェリーと戦わなきゃいけないこともあった。例えば、ムエタイの世界選手権の決勝でタイ人と戦った時、女性レフェリーが私に不利な判定を下そうとした。ルール内の技術まで禁止しようとして、ポイントを奪ってきたわ。でも、どんな状況でも私は勝った。試合が終わって、その女性レフェリーが勝者コールで私の腕を上げる時に『あなたはとてもラッキーね』って言ってきたくらいだけど、私はそれを跳ね除けたわ」 ──前回の試合から1年の間隔は、あなたに有利に働くと考える人が多いが、どう考えている? 「どっちにとって有利かは分からないけど、私にとっては確実にプラスになったわ。前回の試合でケガをして手術を受けた後、今は完全に回復した。無理にトレーニングを急がなくてもよくなった。だから、この試合は前回とは違うわ。十分な時間が経ったおかげで、怪我も完全に治って、準備が整った」 ──ローズ・ ナマユナス(女子フライ級5位)とは一緒にトレーニングしてきた友人でもあるけど、対戦することは問題ない? 「今週末の試合に集中していて、次の対戦相手のことは考えていないわ。ナマユナスは11月に試合も決まっているから、その後で考えれば良い。今の私にとっては今週末のアレクサとの試合が全て。他の人たちのことは気にしてない」 ──スフィアでの試合中、ケージの後ろで映像やグラフィックが動くことに対して、集中を乱す懸念はある? 「それは全く心配していないわ。もちろん観客にとっては大きなイベントだけど、ファイターとして私は試合に集中しているから、それが気になるなんて絶対に無い。前にも言ったように、これまでのキャリアでいろんな場所、いろんなイベント、いろんな団体で戦ってきたけど、何があっても私の集中力を乱すものはないと断言できる」 ──あなたが以前にキックボクシングルールで敗れたワン・ツォンが、数週間前にUFCデビュー(*日本時間8月25日のUFC Fight Night: Cannonier vs. Borralhoで、ビクトリア・レオナルドに62秒KO勝利)をしたけど、試合は見た? 「見ていない。でも、何を聞きたいかはわかるわ(笑)。面白いのは、時々『あの選手はワレンチナに勝ったんだ』って言う人がいること。私たちが戦ったのは中国で、あの年の中国では、外国人選手が中国人選手に勝つには、相手をノックアウトして30分以上立たせてはいけないって冗談みたいな話があったのよ。そうじゃないと、レフェリーが無理やり立ち上がらせて試合は続行し、最終的に負けにされるの。中国のあの時代のジャッジと比べると、前回のアレクサ戦のジャッジすら天使みたいなものよ(笑)」 ──この歴史的なイベントに、6人の女性ファイターが参戦する。女性ファイターの先駆者として、こうした瞬間を経験できることの意味は? 「本当に素晴らしいことよ。前にも言ったように、格闘技は私の人生そのものだから。この歴史的なイベントに出場するチャンスがあるのは、本当に、何にも代えがたい意味があるわ。でも、今はまだそんなことを考えられる状態じゃないの。これから5年、10年後くらいに、その意味をもっと実感するかもしれないけど、今はただ前に進んでいる状態ね」 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ディエゴ・ロペス(ブラジル)26勝6敗(UFC5勝1敗)※UFC5連勝 146lbs/66.22kg[判定3-0] ※30-27×2, 30-26×ブライアン・オルテガ(米国)16勝4敗(UFC8勝4敗)146lbs/66.22kg   フェザー級では、3位のブライアン・オルテガ(米国)が、12位ながら4連勝中のディエゴ・ロペス(ブラジル)と対戦する。  オルテガは、2024年2月の『UFC Fight Night 237: Moreno vs. Royval 2』でヤイール・ロドリゲスに3R肩固めで一本勝ちして以来の試合。  ロペスは6月の『UFC 303: Pereira vs. Prochazka 2』で緊急出場のダン・イゲに判定勝ちして以来の試合となる。ともに柔術黒帯の戦いとなる。  1R、ともにオーソドックス構え。ジャブを突くオルテガ。ワンツースリーをガード上に。ロペスはインカーフから右から左で崩して左ラッシュでダウンを奪うと、立ち上がり際にパウンド。バック狙いにガードにするオルテガ。そこにロペスはパウンド! オルテガの三角狙いを離れ、立ち際にバックを狙うロペスに仰向けになるオルテガは、ガードもロペスは離れる。  スタンド勝負のロペス。オルテガの打撃はダメージからまだ軸がブレる。左のオルテガに、ロペスは左をヒット。さらにジャブの打ち終わりに右をかぶせる。ボディから左フックを当てるロペス。オルテガは左目周辺から出血も左ミドルを当て返してホーン。ロペスのラウンド。  2R、オルテガのジャブの戻しの間にワンツースリーとまとめるロペス! 右で入るオルテガにボデイ打ちのロペス。カーフ狙いもオルテガもワンツーを突く。さらにシングルレッグへ。  ここは切るロペス。オルテガは右の蹴りを上下に。ロペスは右オーバーハンド。かわすオルテガは右ジャブもその打ち終わりに右を伸ばすロペスは右ハイも。ブロッキングのオルテガ。ロペスは右の足払い。オルテガは下に。付き合わないロペス。右カーフのロペス。足を流すオルテガは右ジャブを伸ばす。ロペスのラウンドに。カーフのダメージはいかに。  3R、右ローのロペス。左ジャブを突くオルテガはどこで仕掛けるか。オルテガの右ジャブに右を伸ばすロペス。圧力をかけるオルテガに右の蹴りのロペス。オルテガはシングルレッグで右差しも左小手から突き放すロペス。右を当てたオルテガは左も当てるが、ロペスは左をヒット!  顔を押さえて下がるオルテガにロペスは詰めて組むが、深追いせず。ジャブの刺し合いのオルテガに左でダウンを奪ったロペス! 前に詰めてサイドバックからパウンド。立つオルテガの左右に打ち返してホーン。  判定は3-0(30-27×2, 30-26)でロペスが勝利、UFC5連勝をマーク。「圧倒的な勝利だったと思う。タイトルマッチを」と王座挑戦をアピール(※10月27日の『UFC 308』でイリア・トプリアとマックス・ホロウェイが王座戦)した。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇エステバン・リボビクス(アルゼンチン)14勝1敗(UFC3勝1敗)155lbs/70.31kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ダニエル・ゼルフーバー(メキシコ)15勝2敗(UFC3勝2敗)155lbs/70.31kg  1R、ともに『DWCS』出身。オーソドックス構え。長身のゼルフーバーにワンツーから右ハイで詰めるリボビクス。ゼルフーバーは左ハイ。ガードするリボビクスは、踏み込みボデイ打ちから右ロー。ゼルフーバーも左ボディ。リボビクスは右ローを突く。  右ボディ、右ヒザを腹に当てたゼルフーバー。リーチを活かし自身の間合いでジャブ&ロー。リボビクスはワンツーから左で飛び込みもさばかれる。ゼルフーバーはそこに右ヒザ。リボビクスはワンツースリーで前に。そこに右ヒザを狙うゼルフーバーは前蹴りも。  2R、ともに打って打ち返し、ゼルフーバーが左右からヒザで前進。押し戻すリボビクスは左から右。前蹴り、右ハイのゼルフーバー。リボビクスは左右ボディ打ちをヒット。さらに左ミドル。  ゼルフーバーも左顔面からボディ打ち、さらに顔面に右ヒザ! ジャブでリボビクスの額を止めて右の蹴り、しかしリボビクスも足を止めず左右で前に。左ハイをガード上に当てるゼルフーバー。前蹴り、左ハイ。パンチ勝負のリボビクスは左ジャブを当てる。  3R、ジャブから右ハイのゼルフーバーに詰めて左前蹴りからバックフィストと繋ぐリボビクス。しかしゼルフーバーも右を返し、一進一退の攻防に。右を当てたリボビクスに、右ヒジでダウンを奪うゼルフーバー! 立ち上がるリボビクスに左前手がアイポークに。  再開、前に出るリボビクスは右オーバーハンドを当てると怒涛のラッシュ! ガードを固め、頭を振ってサークリングのゼルフーバーだが足はもつれる。左右のリボビクスにケージ背に反撃に出るゼルフーバーも右! さらに右から前蹴りで押し戻すが、リボビクスも右アッパーを返すと、残り1分。  ゼルフーバーのシングルレッグ狙いを切るリボビクスは右で前に。ゼルフーバーの打ち返しにリボビクスも無酸素ラッシュ。ゼルフーバーも打ち合いに応じ、ホーン。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)に割れ、リボビクスが、UFC3連勝中だったゼルフーバーとの接戦を制し、自身がUFC3連勝をマークした。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇ロナウド・ロドリゲス(メキシコ)18勝2敗(UFC2勝0敗)125lbs/56.70kg[判定3-0] ※29-28, 29-27×2×オデー・オズボーン(ジャマイカ)12勝8敗(UFC4勝6敗)125lbs/56.70kg  1R、サウスポー構えのオズボーン。オーソのロドリゲス。先にワンツーのオズボーンは左ミドル、左インロー。ワンツー、右ロー、右ストレートで前に出るロドリゲスに右でダウンを奪うオズボーン! ダウンから上を取り返しに行くロドリゲスにオズボーンは三角絞め! ヒザ裏で組んで引き付けるが、極まったかに見えた三角絞めにひざを立てて凌いで首を抜いたロドリゲス。  ホームの歓声を受けてインサイドガードからヒジ! 下のオズボーンは鉄槌。アームロックでスイープ狙いも外したロドリゲスは、身体を起してパウンドもホーン。  2R、右の蹴りを上下に突くオズボーンに、詰めてシングルレッグのロドリゲス。そこにハイエルボーのギロチンのオズボーンだが、前転して仰向けになり外したロドリゲスが、バックを奪い、バックマウントからパウンド! 正対したオズボーンにパウンド。トップを奪い返そうとするオズボーンに下にならずにバックをキープしたロドリゲスはおたつロックからフェイスロックでアゴ上から絞めに。これは凌いだオズボーンにおたつロックで正対を許さないロドリゲス。おたつロックを解除するオズボーン。正対して上に。残り20秒でパウンドへ。そこに腕十字も狙うロドリゲス。  3R、右ハイからシングルレッグ狙いのロドリゲス。切るオズボーンはロドリゲスの大きな左フックをかわして、サウスポー構えから左インローを突く。  詰めるロドリゲス。右ジャブのオズボーンに、サウスポー構えになりロドリゲスは左オーバーハンド。オーソから後ろ廻し蹴りは空振り。オズボーンはダブルレッグに入るが、切るロドリゲス。オズボーンの押し込みも剥がす。  サウスポーからのワンツーをかわして右を突くロドリゲスにカウンターのダブルレッグテイクダウンはオズボーン! 下のロドリゲスはアームロック狙いから立ち上がり。  ロドリゲスの左の強振をかわしオズボーンはシングルレッグ狙い。がぶるロドリゲスに、引き込んだオズボーン。ロドリゲスのパウンドの動きにともにかわすオズボーン。ホーン。  判定3-0(29-28×2, 29-27)で初回の三角絞めのピンチをしのいだロドリゲスが勝利。“ホーム”での勝利に「俺は何者でもないストリートの少年だった。ここに立てていることに感謝している。『ビバ、メヒコ!』」と叫んだ。 [nextpage] 【プレリム】 ▼女子バンタム級 5分3R〇ノルマ・ドゥモン・ビアナ(ブラジル)12勝2敗(UFC8勝2敗)※UFC5連勝 136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27××アイリーン・アルダナ(メキシコ)15勝8敗(UFC8勝6敗)136lbs/61.69kg  1R、ともにオーソドックス構え。スイッチするドゥモン。圧力をかけるアルダナに左インロー。ガードを固めて追うアルダナは左ジャブ。左回りで左前蹴りのドゥモン。オーソでワンツーの右で押し戻す。  右カーフを当てたドゥモンは左インローも。追うアルダナにドゥモンは右前蹴り、下がりながらも左から右。右前蹴り。詰め切れないアルダナの左右をさばいて、ワンツーを狙う。  2R、ドゥモンの左に右をかぶせるアルダナ。右ローのドゥモンに、右ボディストレート狙いも。右から左を振るドゥモン。右ストレート、右ロー。詰めるアルダナの入りにボデイストレートで出足を止める。  詰めるもリーチを活かせないアルダナ。右ボディストレート、左ボディも。アルダナの右の打ち終わりに左ボディを当てるが、すぐにドゥモンの打ち返しに遭う。  アウトキックボクシングのドゥモン。右の刺し合い。左回りながら左から右アッパーのドゥモン。入ってきたところに左ボデイ打ちから右。さらにジャブにアルダナは出血。ペースを上るアルダナだが額を切る。バッティングによるカットか。  3R、左右から足を取りに行くドゥモン。切ったアルダナだが右オーバーハンドも単調か。回ってさばくドゥモンはジャブ。アルダナの組みにもヒジを打って剥がす。  ジャブを突くドゥモン。アルダナは圧力をかけ続けるが、連打に繋げられず。前蹴りでストップピングのドゥモン。アルダナは自身のラッシュガードで顔の血をぬぐい前へ。しかし、ジャブを被弾するアルダナの右は空を斬る。最後にシングルレッグに入ったドゥモンが時間を使ってホーン。  判定は3-0(30-27×3)のフルマークでドゥモンが勝利。UFC5連勝を決めた。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇イグナシオ・バーモンデス(チリ)17勝5敗(UFC6勝2敗)156lbs/70.76kg[1R 4分02秒 KO] ※右ストレート×マヌエル・トーレス(メキシコ)15勝4敗(UFC3勝2敗)156lbs/70.76kg  1R、ともにオーソドックス構え。中に入るトーレスに、長身のバーモンデスは前蹴り。スイッチするバーモンデスに、トーレスは右ミドルから圧力をかけて左右。サウスポー構えにするトーレス。前に出るトーレスに右ハイはバーモンデス! 一瞬崩れたトーレスに右ヒザ、さらにトーレスの右にカウンターの右ストレート! ダウンしたトーレスにパウンドのバーモンデスだが、凌いだトーレスは立ち上がり前進。  しかしトーレスの左の打ち終わりにまたもバーモンデスが右ストレート! 今度はレフェリーがすぐに間に入った。3連勝中だったトーレスをKOしたバーモンデスは「いつ何時誰とでも戦う、最高のチームがいるから」と、ベラル・ムハメドらとハグをかわした。 [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇ケトレン・ソウザ(ブラジル)15勝4敗(UFC2勝1敗)115lbs/52.16kg[1R 3分02秒 リアネイキドチョーク]×ジャスミン・ハウレギ(メキシコ)11勝2敗(UFC2勝2敗)115lbs/52.16kg  1R、ともにオーソドックス構え。ハウレギはパンチから蹴りのコンビネーション。ワンツーから右ロー、左右ボディの対角線攻撃。中に入ろうとするソウザに左右ロー、跳びヒザと声を挙げながら打撃を打ち込んで行く。ソウザの前蹴りがローブローに。再開。  近い間合いにしたソウザは、ハウレギの右ローに右フックを当て、さらに返しの左フックを当ててダウンを奪うと、パウンドではなくリアネイキドチョーク! ハウレギを失神させた。  ソウザはストロー級転向2連勝。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇ジョシュア・ヴァン(米国)11勝2敗(UFC4勝1敗)※11日前代打 125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※29-28×3×エドガー・チャイレス(メキシコ)11勝6敗(UFC1勝2敗)125.5lbs/56.93kg  日本の平良達郎、鶴屋怜も参戦で注目のフライ級。  1R、ともにオーソドックス構え。チャイレスは右ロー、右ミドルを当てて、左フック。ブロッキングのヴァンは右ハイをガード上に返す。長い右を刺し込むチャイレス。さらに右カーフに少しヴァンは身体が崩れる。飛び込む右ストレートはチャイレス! 左ジャブも。スロースターターのヴァンは後手に。右カーフを当てて近づけば首相撲ヒザのチャイレス。ヴァンは右を返すが単発。右ローのヴァン。しかし、右カーフを蹴り返され足が止まる。  ヴァンの入りに左ミドルのチャイレス。右ローから一転上に右ストレート! ダウンしたチャイレスはすぐ立ち上がるが、チャイレスはスタンドで左ミドル。ヴァンは詰めて左右もチャイレスは後ろ蹴り。  2R、右の蹴り合いから鋭い右ハイを突くチャイレス。ヴァンは間合いを詰めて右から左のダブル、ボデイ打ちも。チャイレスは左ジャブで距離を開けるが、間合いを詰めるヴァンは左ボディ! さらにヒザ蹴りで腹に効かせて前に! 下がるチャイレスに左右連打から右! 連打にチャイレスはバックフィスト! ヒザ蹴り。そこにテイクダウンを合わせたヴァン。チャイレスは下から仕掛けて離れたヴァンに立ち上がり。  両者ともに軸がぶれ始めるなか、前に出るのはヴァン。後ろ廻し蹴りも見せるヴァンに、長い右を当てたチャイレス! 突っ込んできたヴァンにギロチンチョーク! しかしヴァンは中腰でずらして首を抜き上に。手首を掴んで仕掛けるチャイレス。下から右ヒジを滑らせる。  3R、右を突き合い、右前蹴りも打ち返し。ワンツーで間合いを取るチャイレス。左ジャブも。右をかわして右アッパーを狙うヴァン。チャイレスの打ち終わりに足払いテイクダウンはヴァン! ガードの中に入ってパウンド。チャイレスの立ち上がり50/50から内ヒールへ! しかしヒザを抜いて両者立ち上がりでヴァンはギロチンチョークを怖がらずにダブルレッグテイクダウン! チャイレスの四角の絞めに両腕を入れてパウンド。右で差してパウンド。最後は上体を上げてパウンドでホーン。  判定3-0(29-28×3)でスクランブル参戦のヴァンが、実力者チャイレスを下した。ショートノーティス参戦のヴァンは「ボディ打ちから流れが変わった」と語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ラウル・ロザス・ジュニア(メキシコ)10勝1敗(UFC4勝1敗)136lbs/61.69kg UFC3連勝[判定3-0] ※29-28×3×アオリ・チロン(中国)25勝12敗(UFC3勝4敗)136lbs/61.69kg  1R、サウスポー構えのロザス・ジュニアは、スタートダッシュせずにスイッチを交えてワンツー、右ローから喧嘩四つで前足にシングルレッグテイクダウン。左脇差し右足をパス。さらにサイドへ。右で枕に。ブリッジを誘ってバックに。4の字フックからマウントに移行しパウンドもホーン。  2R、サウスポー構えから入るロザス・ジュニア。アオリ・チロンは前蹴り、左ジャブから大きな右もかわすロザスジュニアは右前得蹴りを見せる。  左ロー、シングルレッグを見せたロザスジュニア。アオリ・チロンのワンツーに左右で押し戻すロザスジュニア。圧力をかけるアオリ・チロンはロザスジュニアのワンツーに右をヒット。さらに右を刺す。打ち返しはかわすアオリ・チロン。ワンツーも左右を強振してからダブルレッグもまだ遠い。切るアオリ・チロン。  3R、ハグをかわすアオリ・チロン。圧力をかけて中央を取る。走り込んでシングルレッグテイクダウンのロザスジュニア。アオリチロンの立ち際にボディロックで中央側にテイクダウン。背中を見せて立とうとするアオリチロンの肩口にヒザ蹴り。アオリチロンは前転してフルガードに入れるが背中を着く。インサイドガードをキープして細かいパウンドのロザスジュニア。最後にアオリチロンは下からヒジも、ロザスジュニアも中腰でパウンドでホーン。判定3-0でノーチェオープニングをロザスジュニアが勝利し、トップ15との戦いを希望した。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.333
2024年7月23日発売
UFC6連勝で日本人初の王座を射程に入れた平良達郎、ペティス下した堀口恭司ら軽量級の雄を特集! RIZIN井上直樹×高木凌、K-1から金子晃大、玖村将史らを直撃。武尊×野杁×与座も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント