僕はPRIDEを見て育った。RIZINルールに興奮している
──その動きにいまは自信を持って試合に「臨めているということですね。前回の試合はケージで、今回はリングです。その点については?
「18歳の時のデビュー戦がリングだったんだ。その時はカナダで戦ったんだけどね。まあ、その他にも自分自身ボクシングをたくさん練習するから、リングの中で戦うっていうことに関しての違和感はないと思う。当然、MMAをリングの中でやるのは久しぶりになるけれども、これが自分の選んだライフスタイルであり、“いつ、どこでもどんな場所でどんな環境でも戦える”ように準備するのが自分の仕事・職業さ。準備はできているよ」
──リングはケージよりもテイクダウンがしやすく、立ちにくいです。前回のようにもし堀口選手テイクダウンされた場合、立つ自信は?
「そうですね。ケージの方が当然立ち上がりやすくはなるけれども、逆の視点からすると、サークルケージの方が左右のサークリングとか、いろいろと動きやすくなる。リングの場合は思うようにフットワークで動くことができなくて、堀口みたいにたくさんのスペースをステップで使う選手に関しては、リングの方が打撃が不利なんじゃないかと思う。自分の真正面に立たざるを得ないような状況がたくさんできるんじゃないかなと思っているよ。
打撃面においては、リングだと自分の方にアドバンテージがあるんじゃないのかなと思っている。当然、やってみないと分からないんで何とも言えないところだけど、自分自身、今現在、自分に対してすごく自信持ってるし、打撃もレスリングもすぐには堀口は取れないかもしれない。そういう可能性もあると思う」
──今回は、ユニファイドMMAルールではなく、RIZINルールです。サッカーキックやグラウンド状態のヒザ蹴りが許されたこのルールのイメージは?
「100パーセント準備している。というのも僕はPRIDEを見て育ったので、そういったルールを理解してるし、どういう場合に出すのかも理解しているつもりだ。PRIDE時代にショーグンの踏み付けを見てるからね。ルーファスポーツのジムの人間も協力してくれて、何となく感覚は掴んでいるから、当然、そういう機会があれば自分からもどんどん積極的に使っていきたい。逆にこのグラウンドの定義──蹴り上げなどの制限が無いことで、自分が寝技で不利な状況になっても、自分の身を守る武器が増えたと思っているくらいさ。本当に機会があれば、ぜひこの特別なルールを使えればいいなと興奮しているよ」
──いまマウリシオ・ショーグンの名前が出ましたが、PRIDEで好きだった選手は?
「強いて言うなら、やっぱりミルコかな。ミルコの左ハイがすごく魅力的で、本当に美しい技だなと思っていたよ。ほかにもランペイジ・ジャクソンだったり、ヴァンダレイ・シウバ、ショーグン……本当に言い始めたらキリがないから、なかなか選べないけれども、その中でもミルコが自分のことをインスパイアして刺激してくれたね。彼のあのバーリトゥードショーツと左ハイキックっていうのはやっぱり忘れられないよ」
──今回のように完全アウェーの状況で戦ったことは?
「以前、メキシコシティでブランドン・モレノと、お互いまだすごく若かった頃、当時22か23歳だったと思うけど、あれは完全にアウェーだったね(※2017年8月5日『 UFC Fight Night: Pettis vs. Moreno』でペティスが5R 判定勝ち)。ただ、そういった部分は自分はあまり気にしなくて、やっぱりMMAファイターとしてしっかりと集中すれば、リングの外で起きていることは、あまり気にならない。なので、今回も日本で自分がアウェーになるのも覚悟しているし、彼のファンや周りの人たちがみんな堀口を応援するのは分かっている。そんな中で自分自身はやれることをやってしっかりと戦って、願わくば堀口からファンだったり、サポーターだったりを少しもらえたらいいかなという風に考えているよ」