▼第6試合 DEEP JEWELS ストロー級(52.2kg)暫定王座決定戦 5分3R
〇パク・シウ(KRAZY BEE)=51.9kg
[判定4-1] ※29-28×4, 28-29
×万智(フリー)=51.9kg
※パク・シウがストロー級暫定王者に
「DEEP JEWELS ストロー級(52.2kg)暫定王座決定戦」。同級暫定王者の松田亜莉紗(BLOWS)が防衛戦のスケジュール調整がつかずベルトを返上。パク・シウ(KRAZY BEE)と万智(フリー)の間で暫定王座を争う。
パク・シウは、2021年大晦日『RIZIN.33』のRENA戦の判定勝ち後、古賀愛蘭、浅倉カンナ、浜崎朱加をいずれもユナニマス判定で下し、4連勝。2022年大晦日『RIZIN.40』で「RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)ワールドGP決勝」を伊澤星花と2021年10月以来の再戦で戦い、スプリット判定負けで連敗。
しかし、2023年9月にスーパーアトム級でHIMEに判定勝ちで再起を果たすと、12月にストロー級(52.2kg)でプリンセス・ザ・ロケットを1R TKOに下し、2連勝中。
対する万智は、2023年10月の『RIZIN LANDMARK 6』で、現修斗スーパーアトム級王者の渡辺彩華にスプリット判定勝ち後、11月の『DEEP JEWELS 43』のストロー級(52.2kg)暫定王座決定戦で、松田亜莉紗にスプリット判定で敗れ、戴冠ならず。
ストロー級暫定王座についた松田亜莉紗だが、「防衛戦のスケジュール調整がつかず」ベルトを返上したため、万智に再び暫定王座挑戦の機会が訪れた。海外挑戦も視野に入れるパク・シウにとっても、UFCが階級を設けているストロー級への本格参戦のために、ベルトを手にしておきたいところ。
現DEEP JEWELSストロー級「正規」王者の伊澤星花は、3月大会でパク・シユンを2R ニンジャチョークで極めて「アトム級」王座を奪取したばかり。試合後には、ストロー級の身体作りにも取り組むことを語っており、一気に注目の階級になってきたストロー級でパク・シウと万智のどちらがベルトを巻くか。
柔道ベースの組みの万智と打撃巧者のパク・シウの構図ながら、近年のパク・シウはフィジカル強化を活かしたテイクダウンディフェンスおよびMMAレスリング力の向上が目覚ましく、本来パク・シウより階級上の万智をもってしても組みで困難な場面も想定される。
ともに練習経験もあるなかで、そこからどんな進化を遂げたか。万智は強い組みを軸に蹴りも織り交ぜた打撃を見せるが、出入りの巧みなパク・シウをとらえることができるか。
ストロー級では、魅津希がUFC参戦中に暫定王者となった本野美樹から伊澤星花がベルトを奪取しているが、その本野は『ROAD TO UFC 3』で女子ストロー級トーナメントに参戦中で、王座を返上した松田の動向にも注目の日本女子ストロー級戦線だ。
シウ「今年の試合が初めてです。ワクワクして楽しみです。試合内容は私もどうなるか分かりません。全力で戦います。見守ってください」
万智「明日は胸を借りるつもりで勝ちに行きたいと思います」
1R、サウスポー構えから右の前蹴り、左右で積極的に前に出る万智。さらに左の蹴りも。パク・シウも右ミドルを返す。左ミドルを当てる万智。左カーフを当てるパク・シウ。さらに右の飛びこみ。スイッチしてからオーソに戻すと、万智は右回り。パク・シウの右ストレートがヒット。万智も左ハイをガード上に返す。
パク・シウの右ミドルハイを掴んでテイクダウンした万智! 背中を着くも右腕を後方に送ったパク・シウは三角絞めを四角に組んで固めて下からパウンド。
しかし、下のパク・シウは金網背に上体を立てスイッチから足を抜き、立ち上がり。足にからむ万智にヒザ蹴りを突くもグラウンド状態でストップ。中断。パク・シウに「注意」。
再開。万智の右にパク・シウも左右を返すと距離が近くなり、万智がテイクダウンもスクランブルで立ち上がるパク・シウが上でゴング。
2R、万智の詰めての投げにオモプラッタを狙うパク・シウ。さばいて足関節の万智は内ヒールも、そのクラッチを掴むパク・シウ。かなり深く極まっているように見せるが、ずらしたパク・シウにセットを解いてトップを選択した万智。足を効かせるパク・シウにハーフで押さえ込む。
背中を譲って立ちに行くパク・シウ。万智はバックを奪いに行くが腰をずらすパク・シウ。互いに上の取り合いでトップは万智。パク・シウもフルガードに戻すと、足関節狙いの万智を潰して上に! 足を手繰る万智に三角に固めてパウンドでゴング。
3R、パク・シウの右ストレートに尻もちを着く万智。パク・シウはグラウンドには行かず。立つ万智も右の蹴りから左右を振る。右を振って頭が下がったパク・シウをがぶろうとする万智。すぐに抜いて離れるパク・シウ。万智の右の蹴りを掴んで右。さらに右三日月蹴り! 一瞬動きが止まる万智だが、再びステップ。
追う万智は左ハイも肩口で受けたパク・シウに万智がバランスを崩す。立たせるパク・シウ。万智はニータップでテイクダウンも立つパク・シウ。さらにダブルレッグの万智を押し倒して上はパク・シウ! マウントパンチに背中を見せた万智にリアネイキドチョーク! しかし後ろ手を組ませない万智が正対して、立ち上がりシングルレッグでパク・シウの尻を着かせる!
大熱戦。アームロックを狙いつつ立つパク・シウに万智はさらにシングルレッグで引き倒すが、そこに横三角絞めを合わせるパク・シウが固めてパウンド。万智もヒザを突いてゴング。
判定は4-1(29-28×4, 28-29)でパク・シウが勝利。ストロー級暫定王座についた。放送席の正規王者の伊澤星花は、「RIZINとの試合の兼ね合いで、決まればやります。私はいつでも決まればやります」と、タイミング次第で3度目の対戦も受けて立つ、とした。
試合後、パク・シウは、「私はもっともっとポテンシャルあるのに、出せないことが多い。2019年から今まで日本と行ったり来たりして、試合もお金も無くてなんども止めようと思いました。でも今日、止めなくて良かったと思いました。ほんとう自分の心のなかでは、今日負けたら格闘技引退も考えました。今日勝ったから、もっと強くなります
あともう一個あります。デビューから負けなしで、自分も2回負けて、アトムもストロー級のベルトも待っている伊澤星花選手。私は2回負けたけど、しっかり負けてないのでまた戦いたいです。待ってます」と語った。
放送席の伊澤はあらためて、「気まずいですね(笑)。タイミングとかもあるので、落ち着いたときに、またやります」と、タイミング次第で試合を行う意思があることを語った。