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2024年7月21日(日)『PANCRASE 346』(立川ステージガーデン)にて、「フライ級キングオブパンクラスチャンピオンシップ」(5分5R)として、王者・伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST)vs.挑戦者ムハンマド・サロハイディノフ(カトラン ジム/タジキスタン)が決定した(※伊藤インタビュー「サロハイディノフはすごく強いけど、自分なら全然、勝てる」)。
▼フライ級キング・ オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
伊藤盛一郎(日本/リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST)王者
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン/カトラン ジム)挑戦者
伊藤は初防衛戦。フライ級正規王者だった鶴屋怜が『ROAD TO UFC』優勝でUFCと契約したため、12月大会で同級3位の有川直毅(K-PLACE)との暫定王座戦で一本勝ちした伊藤が暫定から正規王者となった。
伊藤は、17勝4敗2分。うち11試合で一本勝ちを誇るグラップラーだ。ZSTを主戦場に2017年にRIZINに参戦し才賀紀左衛門に勝利も、階級上のマネル・ケイプと58kgで、続けて59kg契約で神龍誠に敗れたが、その後、ZSTで浜本“キャット”雄大に1R TKO勝ちすると、RIZINで橋本薫汰に2R 一本勝ち。2022年12月にPANCRASEに参戦し、上田将竜、秋葉太樹、有川直毅をともにリアネイキドチョークで極めるなど、5試合連続のフィニッシュ勝利を飾っている。
対するサロハイディノフは、タジキスタン出身の22歳で元IMMAF世界王者。アマチュア戦績は16戦14勝2敗。黒星の2つはいずれもスプリット判定負けで、ひとつは、2年前のIMMAFでザファーショ・ショミールサイドフに敗れるも2022年にリベンジ。もうひとつは2022年1月にバーレーンのモハメド・アルサミーアにスプリット判定負けで、その後、勝者はBRAVE CFで勝利している。2023年9月にPANCRASEでプロデビューし、秋葉太樹を2R、強いテイクダウンとパウンドでTKOに下すと、12月に松井斗輝の打撃を組みでねじ伏せ、判定勝ち。3戦目で王座挑戦を決めた。
【写真】7月21日の伊藤の試合の1カ月前の、6月30日ニューピアホール大会参戦が決定した同門のミドル級王者・内藤由良と。
初防衛戦決定の伊藤は、会見冒頭で、「PANCRASEさんが、強い海外の選手を用意してくれましたが。1位のサロハイディノフ選手はとても強い選手でしっかり勝って、みんなに違う舞台でも見たいと言ってもらえるように頑張ります」と語った。
伊藤は、『ROAD TO UFC』にエントリーするも、出場選手入りならず。サロハイディノフに敗れた松井斗輝が参戦を決めるなか、「『RTU』にエントリーするも通らず、でもチャンピオンになったことで世界への違う道も見えてきて、この試合が自分の実力を試すいい場になると思っています。この試合に負けるようじゃ、RTUでも勝てない」と、強豪のサロハイディノフを下すことで、自身の実力を証明したいとした。
PANCRASEでも同じ大会で戦っているサロハイディノフの印象を「世界でしっかり戦ってきている選手で、同じ体格のなかでも感じたことないパワーがあるだろうし、しんどい展開のなかでも競り勝って根性ある選手」と語り、自身との試合を「自分もPANCRASEに出てから、ダメージなくうまく勝てているけど、綺麗に勝とうとは思っていない。鼻が折れても怪我しても『絶対に勝つぞ』という思いで戦う」と、競り勝つのは自分だと語った。
勝負ポイントは、「お互いに組みが得意。ポジション取りのなかで簡単にはお互い取れない・取らせてもらえない。5分5Rのなかでしっかり削って最終的に仕留めていけたら」と、チャンピオンシップの5Rのなかで極めたいとした。
30歳の誕生月に王者となった伊藤。RTUには選外となったが、サロハイディノフ戦で世界に実力を示し、新たなチャンピオンロードを歩むか。