キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】原口健飛の弟子・和田哲平の鮮烈なKO王座奪取劇に観客席から「ヤバいよ」、FUJIMONが引退試合

2024/05/05 21:05

▼セミファイナル DEEP☆KICK-58kg契約 3分3R
×FUJIMON(=名前の後ろにハートマーク/京都亀岡キックボクシングジム)
判定0-3 ※25-30×2、26-30
◯拳剛(誠剛館)


 セミファイナルでは地元亀岡で生まれ育ち、いまもこの地をこよなく愛するFUJIMONがラストマッチに挑んだ。青コーナーからの登場は第5代DEEP☆KICK-55㎏王者の拳剛。かつてRISEのタイトルに挑戦したこともあるだけにFUJIMONの苦戦が予想されたが、亀岡のお祭り男は気丈にふるまった。


「5年間、ありがとうございました。俺のアマチュアデビュー戦も(今回会場となった)ガレリア亀岡で、プロ引退試合もガレリア亀岡。最後はバシッと決めます」


 FUJIMONの覚悟は本当だった。1Rから介錯にかかる拳剛はワンツーからのローや右アッパーで攻め込むが、FUJIMONは打ち終わりにカウンターのワンツーを狙うなど一歩も引かない。続く2R、拳剛はタイミングのいい左のテンカオでFUJIMONから先制のダウンを奪う。


 しかし、その後も地元の大声援を背にFUJIMONは右ハイを引っかけたり、打ち合いに挑むなどやる気満々の態度を見せる。3Rになっても、その勝利に対する執念はすさまじく離れ際に右フックを決めるなど場内を大きくどよめかせた。それでも、総合力は拳剛の方が一枚も二枚も上。右で二度目のダウンを奪い、KO寸前まで追い込んだ。それでも、FUJIMONは最後の最後まで粘り、試合終了のゴングを聞いた。その瞬間、最後まで亀岡にこだわって現役を続けた地元の英雄に観客は惜しみない拍手を送り続けた。


 試合後、拳剛は6/15「RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA」への出撃に意欲を示した。果たしてその夢は実現するのか。続いてマイクを握ったFUJIMONは「勝つ気しかなかったので、何を喋っていいかわかりません」と予期せぬ敗北に悔しさを滲ませたが、気を取り直してラストメッセージを話し始めた。「正直、勝ったら引退セレモニーを辞めようと言おうと思っていました。でもこれで最後。拳剛選手とやれてよかった。納得して引退できます」


 その後、引退の10カウントを鳴らし、5年間のプロ生活に別れを告げた。

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