3度目の挑戦でついに王座決定トーナメントを制したKING剛(C)DEEP☆KICK
DEEP☆KICK 69
2024年3月31日(日)テクスピア大阪
▼メインイベント DEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R
〇KING剛(ROYAL KINGS)
TKO 1R 3分00秒 ※レフェリーストップ
×中田史斗(究道会館)
※KING剛が-53kg第5代王座に就く。
三度目の正直を地で行く戴冠劇だった。メインイベントではKING剛が中田史斗に1ラウンドTKO勝ち。第5代DEEP☆KICK-53㎏級王者となった。
剛は過去に2度DEEP☆KICKのトーナメントに出場しているが、一度目は長谷川海翔(誠剛館)に、二度目は上村雄音(BKジム)といずれもその後トーナメントを制した選手に敗れている。
これまでの33戦のキャリアの中でキック界の老舗MA日本キックやKOSの王座は奪取しているだけに、DEEP☆KICKのベルトだけには縁がないようにも思われた。しかしながら勝利の女神は日夜努力を続けるベテランを見捨てなかった。
しかも、ラウンド中盤まで試合の流れを握っていたのは中田の方だった。右フック、ワンツー、飛びヒザで攻め込み、いずれものアタックで剛のバランスを崩す。今回の試合が決まるまで中田は剛が所属するROYAL KINGSに何度も出稽古に行っている。お互い手の内は知り尽くしているだけに、中田にとってはそれがプラスに出た格好だ。
そうした中、終盤剛は劣勢の流れを突然断ち切るかのように右フックで先制のダウンを奪う。そして残り時間10秒を切ったところで、明らかにダメージの残る中田に再び右をクリーンヒットさせ究道会館期待のルーキーをキャンバスに這わせた。
この日、セミファイナルでは同門の後輩であるKING龍蔵が大樹との現役王者対決を制しているだけに、メイン、セミともROYAL KINGS勢が勝利を収めたことになる。
試合後、剛は「このベルトが似合うような男になりたい」と謙虚に話し始めた。「僕は-53㎏の選手だったら、デビュー仕立ての選手でもライバルだと思っている。誰とでも組まれたら試合はします」
試合中、何度もグラつかせられたことについて水を向けると、剛は「それがロイキンスタイル」と胸を張った。「何度ダウンを奪われようと、ゴングが鳴るまで試合は終わらないじゃないですか。キックは気持ちで勝てるスポーツなので」
タネ ヨシホ(直心会)、滉大(及川道場)、寺山遼冴(TEPPEN GYM)、長谷川海翔とそうそうたる面々が歴代王者として名を連ねる階級で、ROYAL KINGSが誇る努力の男はどんな歴史を刻むのか。