11R、ついにボクシングの間合いに持ち込んだランダエタは、左で虎之介からダウンを奪う。撮影/鈴木雄一郎
BreakingDown11.5
2024年3月30日(土)東京・四谷スタジオ
▼第10試合 フェザー級ワンマッチ 65kg以下 キックルール
〇ファン・ホセ・ランダエタ
[11R KO] ※左フック→左右ラッシュ
×虎之介
ランダエタは2006年8月に亀田興毅とWBA世界ライトフライ級王座決定戦を行い、判定2-1で亀田が勝利したものの、試合内容を巡って「ランダエタが勝っていた」との非難が殺到。社会問題にまで発展して日本中にその名を知られるようになった。再戦では亀田がきっちりと勝利したが、初戦のインパクトが大きく覚えている人も多いだろう。戦績は27勝(21KO)9敗1分。最後に公式戦を行ったのは2016年4月で現在45歳。
虎之介は『BreakingDown 8』のオーディションから参加し、この時から朝倉未来が「この子凄いよね、ハードパンチャーで。プロでやっていった方がいい。もったいないよね、地下格闘技でくすぶってるの」と、そのポテンシャルを高く評価。
『BreakingDown 8』では常連選手のとしぞうを破ったが、『BreakingDown8.5』では冨澤大智にKO負け。『BreakingDown 9』では右フック一発でフクタロスにKO勝ち、『BreakingDown 9.5』では尾田優也と無効試合に。2023年11月の「BreakingDownバンタム級王座決定トーナメント」では1回戦で冨澤との再戦に臨んだが、KOで返り討ちにあった。
両者の対戦は「パンチオンリー」と宣言していたはずの虎之介が、いきなり右ミドルを蹴る波乱のスタート。途中、ランダエタが左目上と鼻から流血してドクターチェックが入り、ランダエタはバッティングだとアピール、虎之介は「パンチや」と反論。長いドクターチェックの後、ランダエタの出血が止まらないため試合続行不可能として終了。VTR判定が行われ、レフェリー判断で鼻からの出血はバッティングとされ、無効試合となっていた。
この試合はお互いが望んでいるため、無制限ラウンドマッチ(決着がつくまで1分の延長戦を続けていく)で行われる。
1R、「まったく蹴らない」と言っていたオーソの虎之介は右インロー。サウスポー構えのランダエダは足が流れる。さらに右インローにランダエダは笑顔も中に入っていけない。虎之介は右ミドルも。ゴング。
2R、右ミドルから入る虎之介。ランダエタも右ローを返す。左ローから左ストレートの飛び込みを見せるランダエタだが単発。インターバルで水を求める。
3R、右ミドルを突く虎之介。さらに右インロー。上の蹴りも見せる。ランダエタは手が出せない。
4R、虎之介の左前手フックをかわすランダエタは詰めて左ボディストレート。虎之介の右インローの打ち終わりに左で飛び込むもクリンチ。虎之介が押し戻してゴング。
5R、左アウトローを突く虎之介。ランダエタの左ストレートはまだ遠い。右ミドルで前に出る虎之介に、ランダエタの左ローはローブローに。中断。再開。左の蹴りはランダエタ。虎之介は右インローも浅い。大きな右フックは空振り。ゴング。ここからインターバルは30秒に。
6、7R、右ミドルの虎之介。ランダエタの蹴りからの詰めに左回り。大きな左フックからの右の虎之介をランダエタはかわす。
8R、右リードジャブから左フックを振るランダエタ。その入りに右ヒザを突く虎之介! ランダエタも左前蹴りも、虎之介は右インロー、右ミドル。
朝倉は「40Rくらい行くんじゃないですか。飽きてきちゃったんで。そろそろ(白川)陸斗くんと解説替わっていいですかね」とコメント。
9R、ランダエタの左を避ける虎之介は右インロー。ランダエタの左に左フックを狙う。さらに右のテンカオ! しかしゴング。インターバル30秒に苦しそうな表情。
10R、ステップが少なくなる虎之介。ともにローから右インローの虎之介。
ここから「15秒」インターバルに。
11R、スタミナ落ちた虎之介に、ボクシングの間合いで戦うランダエタ。そこで詰めて左フックでダウンを奪うランダエタ! 立ち上がった虎之介を左右で金網に詰めてボディ打ち。さらにラッシュでダウンを奪い、KO勝ち。
朝倉未来は「バンタム級が面白くなってきた」とコメント。ケージの中でランダエタは日本語で「皆さんありがとうございます。やったね」と語ると、「この国に感謝します。このチャンスにBreakingDownに感謝します。これからまた頑張って自分のジムをつくって、BreakingDownの金の卵を作ります。アリガトウゴザイマス」と語った。