2月23日を見て3月17日を見た方がいい
――2月大会もそういった選手が集まる中、3月の「RISE ELDORADO」にも若い選手たちたくさん出るので、そういった選手たちについてもちょっと触れていただきたいと思っていて、花岡竜選手、陽勇選手、田中佑樹選手も2000年以降に生まれですし、松本天志選手や那須川龍心選手、有井渚海選手と松下武蔵選手、この辺もまだ全然若い選手たちですけど、大会は違いますけどこの選手たちはどういう風に見てますか?
「もちろん2月23日同様期待してますし、近い将来彼らもRISEのトップに立つと思うんですね。特に対抗戦に出した陽勇と田中、彼ら自身も全勝で新人王を経験してて、ある意味ここは彼らが2、3ステップ上がるためのマッチメイクです。龍心と松本天志はお互いリターンもあるけどデメリットもいっぱいあるので、ある意味厳しいマッチメイクなのかな。でも勝負ってそういうものなので、ビッグマッチらしい試合が組めました。有井と松下は前回2人とも負けてるんですけど、僕はいつも言ってるんですけど『負けたら終わり』じゃなくて、やっぱりいい試合したら負けてもどんどん試合を組むよって。前回2人とも本当に良い試合したのでそういう意味でもこの2人のマッチメイクを組みました」
――新人王の2人は対抗戦の相手のこともあったと思うんですけど、試合のテーマって部分では彼らにもちょっと刺激を与えるというか?
「ここで刺激をもらってそれをクリアして一気に行く選手っているじゃないですか。そういう部分を見たいですね」
――この辺の世代とか上の選手って化ける瞬間って見ててやっぱりありますか?
「あると思いますよ。まさに対抗戦ですし、龍心も今くすぶってますけどもしかしたら松本天志を倒すことが出来たら上に行くかもしれないですし、色んな仕掛けをかけてるっていう感じですね(笑)」
――各選手にここを勝ったり良い試合すると何か変わるんじゃないかっていう。
「どうなるかわからないけどそこに仕掛けを置いています」
――でもそういう仕掛けを置いて試合を組んでると見てる伊藤さんも予想してない結果だったり内容だったりで跳ね方する選手もいるんじゃないですか?
「それがYA-MANです。YA-MANはオープンフィンガーやるまでは全然注目されてない選手だったんで。元々オープンフィンガーも彼のためやったわけじゃなくて、対抗馬として彼を入れたら彼が跳ねました」
――いわゆる青コーナー側で使ったと。
「そうです」
――先ほどの2月も含めてこの中からこの試合を経て選手がどう変わっていくか、そういった意味でも2月、3月いろんなマッチメイクがある中で、あえて若い選手に期待することとか、こういう試合を見せてほしいっていうものはありますか?
「今の子達って育ちがいいというかRISEのファイターは良い子ばっかりなんですよ。良い意味でもっともっとガツガツギラギラしてほしいです。オラつけとは言わないですけど、もっとガツガツとギラギラしてほしいというか、そういう部分では塚本なんかそうですけどそれで実力が伴ったら素晴らしくなるだろうし、安本なんかももっともっとギラギラガツガツしててもいいのかなって。そういうのが見てて面白いじゃないですか」
――そういった物って持って生まれたもんなんですか?
「持って生まれ持ったものもあるだろうけど、もっと自己主張するべきですね」
「野心というんですかね、欲がすごいというか。これやったら次これ、また次これって、クリアしていくんですよ彼は。ここをクリアしたらこうしようっていうのを有言実行していく。それをクリアしていけばどんどん試合内容だったりいろんなことが変わってくるじゃないですか」
――伊藤さんからしてもこうなりたい!とかこうしてください!ってどんどん言う方が試合の組みがいもあるんじゃないですか?
「わからない部分もあるじゃないですか。最近僕すごい選手と話すようになったんですけど、そういうのも必要だなと思いました。話すと上手く意気投合できるというか」
――じゃあ若い選手たちはもっと野心を持って?
「もっともっと野心を持ってギラついてほしいです」
――あとは僕の立場であえて聞きたいことだったんですけど、上に選手がいると若い選手って「自分たちはこのぐらいでいいかな」みたいなちょっと遠慮がちなところもあるのかなと思っちゃうんですけど、もっと若いとか下の世代じゃなくて「自分たちが主役だ」ぐらいの気持ちを持って戦ってお客さんにも見せていってほしいという気持ちはありますか?
「もちろんですよ。やっぱり上の選手を食わないとダメですね。試合は順番もありますけど、やっぱりその中で一番いい試合したやつがメインだと思うので、ある意味野心というか思いですよね。絶対もう来年にはここのチャンピオン食ってやると、そういう選手がたくさん欲しいです」
――そこも含めてやっぱりこの選手たちはまだ若いですし、ずっとこれからも戦っていくと思うんですけど、いずれ彼らは何年後かにはRISE ELDORADOのメインとか、そういう選手たちになっていく可能性を持ってると思いますか?
「それはもちろんです。間違いなくなりますし、先ほど2月23日の話をしたけど昨年もそうですし今年も若手中心でやってますけど、ここに出てる選手たちが数年後多分ELDORADOに出てますし絶対そこのメインになってくると思います。2月23日はそれもセットで見た方が絶対楽しいです。青田買いじゃないですけど、やっぱりRISEは後楽園大会を見るからこそビッグマッチが面白いので」
――それで言うと年齢とかキャリアもありますけど田丸辰選手とかもう本当に1年後2年後にこういう選手になったわけじゃないですか。決して今の選手たちにとっても現実味がないことじゃないですよね。
「彼は先日22歳になりましたけど、まだ22ですから。20代前半でトップでやってるので、だからみんなにチャンスがあります」
――トーナメント優勝してから発言とかも変わってきましたよね。
「一時いろいろとグラついてたけど、なんて言うかチャンピオンとしての意識が変わったんですかね。雰囲気も変わってましたし頼もしくなりました」
――今後に繋がるっていう意味でもやっぱりこの選手たちのライバル関係とか勝ち負けとかがすごいストーリーに繋がっていくじゃないですか。感情移入するという意味でも今のうちから見といた方がやっぱりいいですよね?
「2月23日を見て3月17日を見た方がいい。そうすると本当にこれとこれがライバルだったり、こっちに勝ってるけど、こっちの負けたやつに勝ってるとか色んなストーリーがあるので、そこも本当に楽しめます」
――ここまでたくさんお話聞いてましたけど改めて2月大会に伊藤さんが期待すること、選手たちにも期待すること含めてどんな大会になってほしいと思いますか?
「やっぱり各選手に自分の存在を大いにアピールしていただきたい。『俺がRISEを引っ張っていく』そういう選手に出てほしいです」
――試合順はありますけどさっき言われたみたいにやっぱり良い試合する、存在感を見せた選手がMVPでありやっぱりメインになると思いますし、主役をみんなで争ってほしいですか?
「全員が主役になるチャンスがあるってのも忘れてほしくないです。先ほど言ったように『良い試合したやつが主役だよ』です」