数島は試されている
――今そういうRISEの流れがある中で2月大会はメインイベントが数島大陸選手とクンスック選手の試合ですけど、数島選手は昨年10月にチャンピオンになって、今回タイ人との対戦というところでまずこの試合を組んだ意図を教えてください。
「先ほど話したように2月23日は若手中心の中で、若手の中で今トップが数島なので、チャンピオンになって第一戦ですごい重要だと思います。彼自身が我々やファンに求められてるものに応えられるのか、そういうところをしっかり見たいです」
――伊藤さんから見て数島選手の良さや特徴ってどんなところにありますか?
「やっぱり攻撃的なところと倒せるところじゃないですか。非常に攻撃的で倒しに行く姿勢があるので、そういう選手がトップに立ってるというのは非常に良いことだと思います」
――相手がタイ人の選手っていうところでは、ファイターとしてもチャンピオン一発目の試合でこういう強敵が相手という部分もテーマがあると思うんですが、ここはこういう相手を当てようと思ってたんですか?
「いろいろ考えたんですけど数島もある程度の相手とやってる中でトップなので、ちょっとチャレンジマッチというか。あの階級だとやっぱり強いのはタイ人なのでそれでやらせてみようかな。試されているというのもわかるだろうし、そういう試合をしてもらいたいなという我々の気持ちもあります」
――競技者としてもタイ人と真剣勝負の中で戦うのは成長に繋がったり、一つのターニングポイントになると思います。伊藤さんも現役時代にタイ人と戦うということはどうお考えですか?
「ターニングポイントというより数島はタイ人とはあまりやったことないと思うので、戦績も彼の3倍4倍あるので。その時に彼がどこまでのものを出せるかだと思うんですよね。キャリアとしてはすごくいい経験だし。ここの結果次第で彼の今後の方向性というか、スパって行っちゃうとバッていく可能性もあるし、苦戦したらそこを修正していかなきゃいけないし、テストマッチじゃないですけどそんな感じで私は見てます」
――この試合ももちろんですしここから数島選手がどうなっていくかっていう。
「それを彼自身に試合で見せてもらいたいなって思いがあります」
――タイ人とやる意味では長谷川選手とサンチャイ選手もありますけど、この試合は伊藤さんから見てどうですか?
「サンチャイって非常にテクニシャンで相手の光を消すのが上手なんですよ。長谷川はどっちかというと攻めなので、前回トーナメントの決勝で負けてしまいましたけど、ここでどれだけ成長してるのかを見たいです。長谷川にとってはサンチャイは非常にやりづらいですよ。ぶつかってくれないので。その部分で長谷川がどういう風に対応するかを見たいです」
――数島選手の場合は勝ってこういう相手にチャレンジするという試合で、長谷川選手は負けてまたチャレンジという意味では、負けた選手がここから這い上がってくるかって部分でも注目ですか?
「彼のこれからの復活ストーリーと言いますか、将来的にはタイトルにチャレンジしていくと思うので、そういうところをやっぱり見届けたいですね」
――同じ日本人vsタイ人という部分でこの2人の試合を見比べられるかなと思うんですけど、その辺で二人も競って良いものを見せてほしいですか?
「それはもちろんです。お互いどっちが良い試合できるかっていうのがあるので、それはいい試合した選手が勝ちですよね。やっぱり我々と、もちろんお客さんにも魅せる。参戦選手もそうですけど、私たち『RISE』とも戦ってほしいですよね、『伊藤見てろよ!』みたいな」
――対戦相手に対してだけじゃなく主催者に対しても勝負というか。
「こういう相手じゃない、もっとすごい相手だと。この選手とやって勝ってしまったらもっと強い相手をぶつけないといけないじゃないですか。日本人とやらせられないレベルだなとかそういうのを見せてほしいですね」
――そういう意味ではいろんな意味でそこの中に勝負があるわけですね。他にも今大会で言うと塚本選手とJIN選手の試合だ、末國選手と麗也選手の試合、安本選手も年齢的にはまだ若い選手ですし、他のカードの中で伊藤さん的に特に注目している試合はありますか?
「やっぱり塚本、安本です。期待された部分もあったんですけど伸びきれていない、2人とも良いところまでは行ってるんですけど、イマイチ伸びきれていないじゃないですか。だからこそ若手の中で思いっきり輝いてもらえたらと思います。選手それぞれいろんな理由がありますけど、やっぱり期待されてる選手ではあるんじゃないですか。その中で何かが止まってるんですよね。それが何かは分かりません、思いきりなのか彼ら自身の考え方なのか、何かが引っかかってるような気がします。それを取り払うような試合をしてもらいたいです」
――やっぱり若くて勢いがあってもその状況によっていろんなシチュエーションも違うから、そういったところでそこを超えられるかどうか、それぞれみんな課題やテーマが分かれてる大会なんですか?
「塚本と安本の2人以外にも選手はいますけど彼らもまさに同じようなテーマですね」