スペインでグレコローマンレスリングを続けたくて母が見つけてくれたジムで、MMAに出会った
──UFC6連勝でフェザー級タイトルマッチにたどりついたトプリア選手です。あなたがいまスペインでMMAを行うまでいろいろな話があって直にお伺いしたいのですが、ご両親はジョージア出身ですよね。
「そう。両親がジョージア出身でドイツに移っていて、自分が生まれたのはドイツで6歳まで育った。それからジョージアに戻って、最終的に両親と一緒に15歳の時にスペインへ移ったんだ。だから過ごした時間としてはスペインが一番長くて、スペインで育ったと言えるかな。いろんな国と関わりがあるけれど」
──グレコローマンレスリングはどのタイミングで始めたのですか。
「ジョージアにいる頃だよ、8歳の時から」
──スペインに渡ってクリメントジムに入ったきっかけは?
「完全に偶然的なことなんだ、お母さんがジムを見つけてくれて。そこで今も練習しているんだよ。スペインに渡ってからというもの、グレコローマンレスリングを続けたかったんだけれど、スペインにレスリング文化っていうのがなくて。お母さんが長年レスラーだった人と知り合って、僕たちがグレコローマンレスリングを続けられるようなジムはないかを尋ねてくれたんだけれど、彼はブラジリアン柔術と、MMAのコーチだった。かつては空手とか柔道しか教えてなかった場所に柔術を持ち込んだクリメントコーチたちは、スペインMMAのパイオニアだった。それをきっかけにたまたまそのジムに行くことになったんだ」
──それがホルヘとオグスティン・クリメント兄弟だったわけですね。トプリア選手について「11年間、面倒見てきた。最初はパスガードもできずに大会に出てたのに今じゃすごい」と感心していました。
「スペインには有名なMMAファイターというのはあまりいなかった。僕のコーチたちはスペインでもパイオニアのような存在だから、すごく刺激を与えてくれたよ。その後も僕自身はUFCを観て、たくさんの選手を勉強して、ジョゼ・アルドや、ジョルジュ・サン=ピエール、アンデウソン・シウバ、そういったファイターたちがとても刺激を与えてくれたんだ。そういうこともあったから、一生懸命このスポーツを追いかけていられたし、必死にトレーニングしていられた」
──トプリア選手のようなトップランカーだと、北米に拠点を移す選手が少なくありません。トプリア選手がいまでもスペインで練習しているのはご自身のことをコーチたちが一番知っているからでしょうか。
「そうだね。正直言ってスペインで暮らすことが何より快適だから。ホームだと思えるからなんだ。世界中を旅して回った上でそう思ってる。それにスペインで練習し続けていても十分だと思える練習環境が整っている。ボクシングやBJJ、レスリングといった全てにおいてハイレベルな練習が出来ている。だから実際のところ、居心地がいいからだね」
──今回、同じ大会に出場するジョージア出身のメラブ・ドバリシビリ選手とも練習をされているようでしたね。
「もちろん! メラブとは幾度となく練習させてもらってる。とてもいい関係だよ。ファイトキャンプを手伝いに来てくれたことがあったんだ。それでたくさん一緒に練習して、すごくいいトレーニングキャンプだった。彼のテイクダウンはすごいからね。今回、ともにいい試合で勝てればと思っているよ」