▼第11試合 NJKF スーパーバンタム級王者決定戦 3分5R
×一航 (新興ムエタイジム/同級1位)
判定0-3 ※47-48、49-47×2
○真琴 (誠輪ジム/同級3位)
※真琴が新王座に就く。
今や兄の大田拓真とともに、NJKFをけん引する存在となった一航は2023年も精力的に試合を積み重ねた。年明けに保持するBigbangスーパーバンタム級のベルトを防衛(1月)、Krushでは晃貴に苦杯をなめさせられたが(3月、初回KO負け)「もっと勉強と努力して絶対に追い越す!」と気持ちは折れない。7月も前田大尊に黒星を喫したが、10月はTKO勝利、12月は判定勝ちでBigbang王座を再び守り、後半巻き返して1年を終えた。
「倒す選手を目指している」という一航は10月をTKO、12月もダウンを奪って判定勝利し「少しずつ倒せるようになってきたと思います」と手応えを掴んでいる。今回は4冠王の威信を示し、KOで5冠目を手にしたいところだ。
対する真琴は2020年7月のデビューから、この階級では恵まれた175㎝の上背から繰り出す前蹴りやミドルといった蹴り技を武器に戦い、ここまで12戦9勝(1KO)2敗1分。昨年9月、初のタイ人戦となるカオパン・ゲッソンリットとの試合を判定でクリアすると、20日後の24日にはDEEP☆KICK-55kg暫定王座決定戦に臨み、鷹介(魁塾)を判定で降しベルトをものにした。
19歳、若さと可能性溢れる真琴だが、ここでスーパーバンタム級日本屈指の実力者・一航が立ちふさがる。試練か、あるいはジャンプアップの好機とできるか。
1R、ジャブと左ミドルの一航に真琴は左フックを強振しつつ右ローを蹴る。一航も右ローを蹴り返し、終盤はローの蹴り合いに。
2R、首相撲で一航がヒザを押し当てて真琴の動きを止めると、真琴は持ち上げてマットに叩きつける荒業。その後もボディロックからもち上げて投げるなどラフなファイト。 一航は左ミドル、右ローを蹴っていくが、真琴がヒジで飛び込んだり、左フックから右ローと手数で攻める。
3R,一航の強い左ボディに真琴はワンツーで対抗。パンチで打ち合う中、真琴が右ヒジをヒットさせて一航を流血させる。ドクターチェック後再開、右ストレート、左フックを強振していく一航だが真琴も一歩も退かず打ち合う。一航は2度目のドクターチェックに。ストップされる前に倒したい一航は猛然とパンチを打っていき、真琴もこれに応えて打ち合う。途中経過は29-29、30-29×2で真琴。
4Rは序盤から激しい打ち合いに。仕掛けていくのは一航。真琴は顔面前蹴りも。一航が前へ出てパンチを繰り出していく中、真琴が右フックのフェイントから右ヒザを顔面へ突き上げてダウンを奪う。
5R、逆転を狙う一航は前へ出て右ストレートを打っていくが、懐深く構える真琴はパンチが見えている様子。逆に左ボディ、右ストレートを打っていく。一航が右ストレートをヒットさせる場面もあったが、ダウンを奪った真琴が判定勝ちで新王座に就いた。
真琴はマイクを持つと「僕は知名度もなくて一航選手はいろいろなタイトルを持っている中でリスクしかないのに僕と試合してくださってありがとうございます。ニュージャパンのスーパーバンタム級のベルトを僕が獲ったのでベルトの価値を上げられるように頑張ります」と話した。