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【PANCRASE】タイトルマッチのSARAMI、能登半島地震時に富山に帰省「勝つことで地元に恩返しを」×沙弥子「色々助けてもらった彼女に成長を見せて、倒したい」=3月31日(日)立川

2024/02/09 14:02
【PANCRASE】タイトルマッチのSARAMI、能登半島地震時に富山に帰省「勝つことで地元に恩返しを」×沙弥子「色々助けてもらった彼女に成長を見せて、倒したい」=3月31日(日)立川

PANCRASE初代女子アトム級王者決定トーナメント決勝の王座戦の調印式に臨んだSARAMI(左)と沙弥子。(C)ゴング格闘技

 2024年3月31日(日)『PANCRASE 341』(立川ステージガーデン)の第2弾カードが2月8日、都内にて発表された。

 会見には、第1弾カード発表で日程が確定された女子アトム級クイーン・オブ・パンクラスタイトルマッチのSARAMI(パンクラスイズム横浜)と沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム)を含む、15選手が登壇。

 ライト級と女子フライ級の2つのタイトルマッチが追加されたほか、MMA21勝7敗1分の杉山しずかがでPANCRASEに初参戦する女子フライ級戦など、7カードが追加発表された。

 女子アトム級では、空位の王座を巡る4人トーナメントで、昨年末のクリスマス・イブ決戦を勝ち上がったSARAMIと沙弥子が、3月31日の立川大会で優勝を争う。

 勝者がベルトを巻くトーナメント決勝の両者は、現在、横浜をベースとする親友同士だ。

 MMA18勝14敗のSARAMI(アトム級1位)は、12年7月のJEWELSでプロデビュー後、DEEPを主戦場にアトム級王座にも挑戦。2021年11月には修斗で黒部三奈に判定勝ちで、第2代修斗女子世界スーパーアトム級王者に輝いている。2023年5月に渡辺彩華に敗れ修斗王座陥落後、2023年12月にPANCRASE電撃参戦。「初代女子アトム級王者決定トーナメント1回戦」でジェニー・ファンに判定勝ちした。2団体王座制覇を目指す。

 同級2位の沙弥子はMMA8勝2敗。SARAMI同様に柔道ベース。プロデビュー戦こそライカにKO負けも、その後はMMA6連勝。2023年12月のジェニー・ファン戦で黒星を喫するも、7月のPANCRASEでMIYUを相手にトップキープ&パウンドでドミネイト。判定勝ちで復活すると、2023年12月の「初代女子アトム級王者決定トーナメント1回戦」でV.V Meiとの接戦を制し、SARAMIとの決勝に進んだ。

 会見でSARAMIは、決勝で王座を争う沙弥子について、「『勢い』『体力』──それだけだと思っています。(前回の沙弥子の試合は)しっかり見させてもらいました。印象はまあ、勢いですごいな、という、それだけですね」と、あえて練習仲間の沙弥子を突き放すコメント。

 MMA11戦目でベテランのSARAMIと対戦する沙弥子も、「いよいよベルトを賭けての戦いになったので、私らしいドロドロになっても関係ない戦いをして、しっかり最後に私がベルトを巻きたいと思います。(SARAMIは)試合運びがすごい上手。でも自分も彼女のペースに飲まれなければ大丈夫だと思っているので、そこは見せられたらと思います。(前回の試合は)ざっくりしか見てないですね。ほとんど2、3Rと同じような展開が続いただけだったので、別に印象も変わらないし、やる練習も変わらないかなと思っています」と、対抗意識を見せた。

 しかし、トーナメントを通して3度目の会見となり、対戦相手にここまでフォーカスしたことは無いのでは? と問われると、「正直、練習環境に困ったときに(SARAMIが)すごい助けてくれて、練習中に体調が悪いときもすぐに気づいてくれたり、ほんとうに色々助けてもらってここまで来れて……」と、SARAMIとの関係を語ると、「なので今回、この決勝で戦うということは、彼女に今までどんだけ成長できたかを見せられるタイミングだと思うので、そういう誠意を持って彼女を倒したいと思います」と、覚悟を語った。

 SARAMIもここまでの沙弥子との軌跡を問われ、「ここ数年、見ていた沙弥子選手は、すごく優しくて、ほんとうにいい人、12月の試合はほんとう進化しているなと感じました。たぶん充実した練習ができているんだなという印象です」と吐露。

 その上で、「ただ、格闘技との向き合い方や深みという点では、まだまだ私とは比べものにならない低い場所にいると思うで、しっかり、ずっとMMAをやってきた実力を見せて勝ちたいと思います」と、越えさせない壁になることを語った。

 富山市出身のSARAMIは、柔道から富山クラブバーバリアンで格闘技を学び、地元で就職して3年半後に富山を離れた。「富山の人はみな優しくて人がすごくいい。だから自分で自分をすぐに甘やかしてしまう。もっと厳しい環境に行かないと、これ以上の成長はないって思い仕事も辞めて、関東に来ました」と、パンクラスイズム横浜への移籍を語っている。

 2024年1月1日は、実家に帰省し、能登半島地震に遭った。最大震度7の地震は石川、富山、新潟の各県に大きな被害を引き起こした。

「1月1日の元旦の朝から少し遊んでいたんですけど、家に帰って夕方、ほんとうにすごい揺れて。結構、ヤバイなという感じだったんですけど、ウチは山の方だったので、揺れただけで被害は特に無かったんです。ただ、同じ富山市でも海の方だったり、避難している友達とかもいて、大学が石川県だったので、その友達が災害に遭って避難している状態で、すごい大変な目に遭っています。私自身、何も出来ることはなくて、申し訳ないですけど、ちゃんと勝つことで恩返しになるかなと思っています」と、横浜に戻って練習することを応援してくれている地元のためにも優勝したいという。

「今回のベルトを獲ることが、ほんとうの私が格闘家としてやってきた証明になると思っています。勝ち獲りたいベルトです」と、決意を語ったSARAMI。

 沙弥子も「私はPANCRASEに強くこだわりたいっていう気持ちがあるので、ベルトを獲ってもこのPANCRASEで戦い続けたいし、新しいアトム級の選手がいっぱい増えて、私を倒したいっていう選手がいっぱい出てくることが、ベルトを獲ったあとの目標です」と戴冠の思いを語った。

 親友で練習仲間であろうと対戦が決まれば、互いを打ち倒し、夢を奪い合うのがこの競技だ。ベルトを巻くことができるのは勝者1人のみ。トーナメント決勝で最後にケージに残るのは、SARAMIか沙弥子か。

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