▼第6試合 71kg契約 5分3R ※ヒジあり
○上迫博仁(70.75kg/チームクラウド/和術慧舟會HEARTS)
[2R 3分45秒 TKO] ※パウンド
×イーブス・ランドゥー(70.85kg/フランス/スネーク・チーム)
空手、柔道、レスリングをバックボーンに持つ上迫博仁は、専修大学レスリング部時代にはグレコローマンでインカレ3位入賞の実績を持つ。2017年7月に、DEEPフェザー級王座決定戦を石司晃一と争い、KOで王座獲得。2017年12月に芦田崇宏に判定負けし王座陥落後は主戦場をPANCRASEに移し、2018年10月からライト級に階級を上げ2連勝中だ。
ランドゥーは、キック&MMA王者のみならずブレイクダンスの世界王者にも輝くなど脅威の身体能力を誇る。2004年にブレイクダンスのフランス大会で優勝し、世界大会で2位入賞。05、06年には欧州チャンピオンシップで2連覇を達成している異色のキャリアを持つ。
格闘技では2009年にキックボクシングのフランス王者になると、10年4月に「100% Fight」でプロMMAデビューし7連勝を飾る。2011年にロシアで行われた「M-1 SELECTION 2011」ではシャビュラット・シャムハラエフに敗れて初黒星を喫するが、13年に散打でフランス王者となると、16年5月には30秒TKO勝利で「100%Fight」ライト級王者に。2017年3月にロシアで行われた「ProFC 62」では、「RIZIN.17」で川尻達也に判定負けしたアリ・アブドゥルカリコフに判定で敗れたものの、2019年5月には「Octo Fight」ライト級王座も獲得、現在二冠王者となっている。
1R、オーソドックス構えの上迫。サウスポー構えのランドゥー。右の前蹴りを放つ上迫はまだ遠い距離。飛び込みランドゥーの組みを切り、その立ち際にサッカーキックを狙う。しかし立つランドゥー。上迫の右ローに崩されながらも飛び込んでシングルレッグでしがみつき押し込む。さらに上迫のパンチにダブルレッグテイクダウン! コーナーまで這い立つ上迫。首を抱えギロチンも狙うがボディロックしたランドゥー。ブレーク。
左右で前に出る上迫に右を返すランドゥー。大ぶりになった上迫にカウンターのダブルレッグからコーナーに押し込む。しかし払い腰テイクダウンは上迫! そこにサッカーキックを狙うが、足が滑り下に。ランドゥーが鉄槌
2R、右のカーフキックを狙う上迫。しかしランドゥーの右の二段跳び蹴りをアゴに受け、バランスを崩すと、さらに右フックを浴び、腰が落ちる! 低いシングルレッグで何度もついていくランドゥー。切る上迫は跳びヒザ! そこにダブルレッグを狙うランドゥーだが押し倒され、上迫はそのまままたいでマウントに! 下からしがみつくランドゥーだが、パウンドで後ろを向いて亀に。上迫は両足をつかってランドゥーの身体を伸ばすと、背後からパウンド。防戦一方のランドゥーを見てレフェリーが間に入った。
危ない場面も見せながらTKO勝利でRIZINデビューを飾った上迫は試合後、マイクを持つと「ごめんなさい、ちよっとね、RIZINという俺の夢舞台で緊張しちゃった(苦笑)。なんか、もう、全然自分の動きができなくて、でもね、俺ほんとはめっちゃ強いんで、ライト級の日本人で本当に一番強いんじゃないの?って俺、思ってます。だからRIZINのライト級グランプリ出て、俺が盛り上げてみせます。なので、皆さん!応援よろしくお願いします」とGP出場をアピールした。
▼第5試合 61.0kg契約 5分3R ※ヒジあり
×祖根寿麻(61.00kg/日本/ZOOMER)
[判定0-3]
○ジャスティン・スコッギンス(60.85kg/米国/REVOLUTION MIXED MARTIAL ARTS)
祖根は修斗世界バンタム級4位。2017年5月からK-ichiro、奇天烈、魚井フルスイングに勝利し、3連勝。17年8月の「Krush.79」でも1R KO勝利するなど得意の打撃とレスリングを融合させて、頭角を現したが、2018年8月のRIZINデビュー戦となる元谷友貴戦でリアネイキドチョークで一本負け。その後も岡田遼、根津優太にKO負けで3連敗中のため、自身が主宰するジム・ZOOMERの地元である名古屋で再起を果たしたい。
対するスコッギンスは、3歳から空手を始め、12歳でキックボクシングのIKF世界王者となり、16歳で総合格闘技を始めるとサウスカロライナ州のアマチュアMMA州王者に輝くなど活躍し、19歳でプロデビュー。MMA7戦でUFC入りを決めた。ジョシュ・サンポ、レイ・ボーグに勝利しているスコッギンスだが、2017年6月にUFC時代の佐々木憂流迦に一本負けするなど、寝技にウィークポイントがあり、RIZIN初参戦となった2018年大晦日のRIZIN.14では、元谷友貴にティピーチョークを極められている。19年4月のRIZIN.15では朝倉海との対戦が決定するも、怪我で欠場。RIZIN初白星を目指す。
1R、オーソドックス構えの租根。半身のサウスポー構えのスコッギンスはサイドキックで牽制。様々な軌道で蹴りを放つ。さらに左ロー、右ハイ。スイッチして圧力をかける。租根もローを返すと、スコッギンスも左ミドルで租根のバランスを崩す。租根はコーナーに詰めてボディロックも右を差し入れたスコッギンス。体を入れ替え近い距離でパンチを入れる。右の前手を上下し牽制するスコッギンス。さらに高い後ろ蹴りをあごに届かせる! 歩くように左ハイまで打つスコッギンス。租根は合わせを狙うと打ち終わりに左ロー。祖根の入りに左を当てる! スコッギンスのラウンドに。
2R、長い前手を祖根の目の前に揺らすスコッギンス。左ハイさらに一気に飛び込み左ストレート! 崩れた租根は立ち直り下がり距離を取る。半身からの左の蹴りを前蹴り、サイドキック、廻し蹴りと変えるスコッギンスは、さらに左の突きも。今度はかわした祖根だが中に入ることができない。左のかけ蹴りも。祖根は詰めてヒジを放つと出血か。詰めるスコッギンスに背中を見せながらも立つ祖根が詰め直してゴング。
3R、半身から右ジャブ当て、左ストレートはスコッギンス! 後ろ手のパンチが見え辛いか、ダウンした租根だが、スコッギンスは深追いせず。立つ租根も右から大きな左を打つが空振り。右目尻から出血する祖根。スコッギンスはサイドキックで牽制。租根の右ハイは空振り。コーナーに詰めた際に租根は前進も回るスコッギンス。スコッギンスの打ち終わりに左右をまとめる租根。次第に距離は詰まるがスコッギンスもジャブでいなして距離を取る。さらに右のかけ蹴り。かわす租根は残り10秒で一気に前に出るもゴング。
判定はダウンも奪ったスコッギンスが、持ち味を出して判定勝利。元UFCの実力を見せた。
▼第4試合 59.0kg契約 5分3R ※ヒジあり
○征矢 貴(58.95kg/パラエストラ松戸)
[2R 1分28秒 TKO] ※レフェリーストップ
×村元友太郎(58.85kg/ALIVE)
征矢は、アマチュア修斗からキャリアを積み、DEEPでのプロデビューを経て、2013年から修斗に参戦。バンタム級新人王決定トーナメントで3戦全てKO勝ちするなど強打を武器に優勝を果たした。
しかし2017年10月に婚約者が急性白血病で他界、今度は自身が内臓に炎症ができる原因不明の難病・クローン病を患って戦列から離れ、今年6月の『RIZIN.16』で約2年ぶりの復帰戦。見事、初回KO勝ちを収めて2年6カ月ぶりの白星をつかんだ。
対する村元はDEEPを主戦場に活躍する選手で、アマチュア戦績8戦全勝でプロへ。グアムのMMA団体『PXC』でも活躍した。スピードを活かした打撃&レスリングでDEEPストロー級のトップクラスに君臨する。
1R、ともにオーソドックス構え。いきなり右の跳びヒザからダブルレッグテイクダウンは村元も、征矢もスクランブルからすぐに立つ。距離を取る征矢。村元も遠間から右の飛び込みから左フックをヒット! しかし征矢も打ち返しから首相撲。さらに右アッパーを狙うが空振り。ダブルレッグに入る村元だが、切る征矢。大きな右を振る村元。かわす征矢。村元は右をかすめて触りにいく。
左右で詰める村元は右をヒット! 打たれ強い征矢は下がりながら右フック! ダウンからすぐに立つ村元にボディロックからテイクダウン! サイド奪う征矢に足を戻す村元。激しい鉄槌。パウンドは征矢! さらにかつぎパス狙いからサイド・マウントに。細かいパウンドを打つ征矢に、村元はブリッジで亀から上に! 立つと気持ちを決めた左右で前進! 場内が大きく沸く。征矢も打ち返しゴング。
2R、右を振る村元はダブルレッグへ。切る征矢。圧力をかけなおす征矢は右をダックしてかわすと、前へ。右の出入り。ローには右を合わせる征矢だが、ニータップで村元を崩すと、右ストレート! 下がる村元に右アッパーは征矢! さらに右フック! 防戦一方だが村元も倒れず。スタンディングのまま最後はレフェリーが間に入った。
難病から復活、RIZINで2勝目を挙げた征矢は、「本当にもう戦うことはこの上なく幸せで、日本のみんなが憧れているRIZINの舞台で戦えて、本当に嬉しいです。医者が無理と言っても、親を困らせても、女を泣かせても、止められないんです、格闘技だけは。これからもっと……今日は危なっかしかったですけど、強くなるので、応援よろしくおねがいします」と力強く挨拶した。