Krush.1702025年1月26日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第8試合)Krushバンタム級 3分3R延長1R〇白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/初代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)判定3-0 ※30-29×2、30-28×林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン/RKSバンタム級王者)
白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。2019年12月1日にMuayThaiOpenスーパーフライ級王座を獲得。2021年2月にはKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座も奪取。2022年3月、RIZINで吉成名高に挑むもTKOで敗れている。2023年2月にKrush初参戦で第6代Krushバンタム級王者・吉岡ビギンを再三の偶発的なローブローがあったものの判定で破った。2024年は「第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント」決勝に進出するも黒川瑛斗に敗れ王座戴冠ならず。戦績は16勝(1KO)6敗1分。
林はRKSバンタム級王者、ジャパンカップキックボクシング同級王者のタイトル歴があり、ホーストカップやイノベーションに出場。2024年1月からKrushに参戦。坂本寿希に判定勝ちして初陣を飾ると、6月には白幡太陽をKOしたが、7月に黒川瑛斗にKO負け。10月に心直をKOして再起を果たした。戦績は17勝(13KO)6敗4分。
1R、ローの蹴り合い。林は左回りしてサウスポーの白幡も左に回らせる。林の左ローに白幡は左ミドル。白幡が鋭い踏み込みのワンツーを見せる。
2R、左ミドルと左ボディで攻める白幡に前へ出る林はフック&アッパーのコンビネーション。林のパンチが回転し、優位に立ったかと思われたが、白幡がカウンターの左テンカオをグサリとボディへ。これで動きが止まった林のボディを白幡が攻めていく。
3R、左ミドル、左ヒザ、左ストレートで攻める白幡が押していくが、林が入り込んでの左右フック。これでバランスを崩す白幡に林が攻め込むが、林も左ミドル連打とヒザで対抗。パンチで前に出る林、左ミドルで迎え撃つ白幡。
判定は3-0で白幡が熱戦を制し、手を挙げられると嬉し泣き。
白幡はマイクを持つと「12月の試合でしょうもない試合をメインでして、それから3カ月いろいろなことがあって勝って戻ってこれることが出来て嬉しいです。黒川選手がマイクで言っていましたが、そういう声を出させてしまったのは自分なので、次はバチバチに行くので、もっと練習するので、バチバチのKrushらしい試合をするのでもう1回やらせてください」と、現バンタム級王者・黒川瑛斗との再戦をアピール。
さらに「6月はTHE MATCHがあるけれど自分は5月のK-1横浜大会に出場したいです。K-1王者が試合してなくてその期間この階級が動いてないのもどうなのかなと思うので、王座決定トーナメントでもどうでしょうか。KrushでもK-1でも、今年バンバン試合してこれからも勝ち続けていきます。最後にひとつ言いたことがあって。お母さんが誕生日なんですよ。親孝行してないけれどお兄ちゃんと一緒にバンタム級を引っ張ってお金を稼いで幸せにするので長生きしてください」と語った。
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▼セミファイナル(第7試合)Krushウェルター級 3分3R延長1R×山際和希(谷山ジム/第7代Krushウェルター級王者)KO 2R 3分00秒 ※右フック〇“DARUMA”健太(K-1ジム蒲田チームアスラ)
山際は2009年に全日本学生キックボクシング連盟ウェルター級王者となり、プロデビュー後も順調に勝ち星を積み重ね、2015年6月にBigbangウェルター級王座を獲得。2017年2月まで11連勝を記録した。K-1 JAPAN GROUPには2013年から参戦し、2020年8月の第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントで連続KO勝ちして悲願だったKrush王座に君臨したが、2021年1月の初防衛戦に敗れて王座を失った。近年はホームのBigbangのリングで戦い、前戦は2024年12月に狂介に判定負け。Krushには約3年ぶりの参戦となる。戦績は40勝(14KO)23敗6分。
DARUMAは2022年7月からKrushに参戦。初戦はKO負けを喫したものの、10月の2戦目からは3連勝を飾った。前戦は2024年8月、海斗を右ストレートと右フックでダウンさせての判定勝ち。
1R、ローの蹴り合いからスタート。山際は右ローを狙い撃ち、DARUMAは右カーフ&左インロー。パンチを打つDARUMAだが山際のガードは堅い。ならばとDARUMAは左ボディ、山際も得意の右ミドルを蹴る。
2R、DARUMAはジャブから右カーフ、山際は左右ミドルを蹴っての右ロー。次第に圧を強めていくDARUMAは左ボディも決める。DARUMAの蹴りに山際は右ストレート。DARUMAの右カーフでバランスを崩した山際に、DARUMAは左フックからの右フック。
これが見事に決まり、山際はダウン。DARUMAのKO勝ちとなった。
DARUMAはマイクを持つと「自分はウェルター級で王者になると思ってやっていて。ウェルター級注目されてないと思うけど、今日みたいにKOにこだわってやって行くのでウェルター級トーナメントの開催お願いします。自分が中心になって盛り上げていくので。今日でDARUMAのこと知ってもらえたと思うのでガンガン盛り上げていくのでお願いします」とアピールした。
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▼第6試合 Krush女子ミニマム級 3分3R延長1R〇高梨knuckle美穂(K-1ジム五反田チームキングス/第2代Krush女子アトム級王者)判定2-1 ※29-30、30-29×2×MOE(若獅子会館)
高梨は2018年9月にプロデビューすると、2019年5月にキャリア3戦目にしてKrush女子アトム級王座に就いた。10月にパヤーフォンの挑戦を退けて王座防衛に成功するとミニマム級に転向。2020年9月にMIOを破るなどデビュー以来無傷の10連勝を飾っていたが、2022年6月に初の国際戦となるエリヴァン・バルト戦で初黒星。以後、リングから離れていたが今回ジムを移籍して約2年半ぶりの復帰戦に臨む。
MOEは2018年12月に現役女子高生ファイターとしてKrushに初参戦。山田真子、パヤーフォン、菅原美優ら強敵を相手に黒星が先行していたが、2022年は森川侑凜、MARI、ケイト・ウィラサクレックに自身初の3連勝。今回は2023年4月に真美に敗れて以来、約2年ぶりの復帰戦となる。戦績は6勝6敗。
1R、高梨は歩くようにして前へ行き、左のミドル&ローから右のパンチを狙う。しかし、MOEはサイドキックや三日月蹴りで距離をとり、高梨が近付いてくるところに軽いがスピードのあるパンチをしっかり当てていく。
2R、圧を強める高梨は近付いてのワンツー、右カーフ。MOEのパンチに対しての右クロスを決め、MOEに鼻血を出させる。MOEもジャブ、スピードのあるワンツーを上手く当てるが、このラウンドは高梨のヒットが目立った。
3Rもどんどん前に詰めていく高梨が左ミドル、ワンツー。MOEはバックステップで下がりながら前蹴り、左ミドル、パンチを上手く当てていく。終盤、高梨がMOEを捕らえ右ストレート、MOEが大きくバランスを崩して後方へ。畳みかける高梨だが、MOEも抵抗する。
判定は2-1と割れ、高梨が復活の勝利。MOEも成長ぶりを見せた。
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▼第5試合 66.5kg契約 3分3R延長1R〇松岡翔大(KING CONNECTION)KO 1R 2分40秒 ※左ハイキック×石田 廉(top UN)
松岡は6勝(5KO)2敗のサウスポー。石田は初参戦のAJKN日本ウェルター級新人王、戦績は1勝1敗。
1R、長身サウスポーの松岡は鋭いワンツーからのヒザ、左ハイ、左三日月、右インカーフとパワフルな技を繰り出していく。
松岡がジャブから左ストレートを突き刺してダウンを奪う。再開後、松岡は左ハイ。石田は蹴り足を肩口で受けたが、そのまま倒れて松岡の豪快KO勝ちとなった。
マイクを持つと「僕、幸楽苑で初めて勝利することが出来ました。僕の戦いはKrushにふさわしかったですか? 僕はここからK-1グループで駆け上がります。死ぬ気で絶対にトップを獲ってやります」と宣言した。
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▼第4試合 Krushフライ級 3分3R延長1R〇吉川仁清(WIZARDキックボクシングジム)KO 1R 1分29秒×菊地海斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
吉川は3勝(2KO)無敗でKrush初参戦、菊地はKrushで3戦全勝(1KO)。
1R、両者右カーフを蹴り合い、吉川が右ストレートから左フックを返し、これが左フックを打とうとした菊地にカウンターでヒット。一発KO勝ちとなった。
吉川は「大夢が持っているKrushのベルトを獲りに行きます」とアピールした。
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▼第3試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R〇水津空良(team NOVA)判定2-0 ※29-29、30-29×2×渡邉 陸(POWER OF DREAM)
水津は6勝6敗、渡邉は4勝(3KO)無敗。
1R、渡邉はワンツーで攻め、ワンツーからの飛び蹴りも繰り出す。水津は間へ出て圧をかけ、左ミドルを連打すると渡邉の動きが止まる。しかし、水津のインローが2度ローブローに。
2R、互いにボディを打ち合い、ヒザを突き刺す。互いに相手をロープに詰めてボディを連dな、ヒザまで行く。渡邉はワンツーも織り交ぜるが、水津がすぐに盛り返す。
3R、水津がどんどんプッシュしていき組み合い、まるで相撲のような展開に。その中でも水津は片手でパンチを見舞う。右ストレートを打って行く渡邉に水津は左ローを連打。
パワーで優った水津が判定2-0で勝利した。
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▼第2試合 女子-53kg契約 3分3R延長1R〇麻央(K-1ジム心斎橋チームレパード)判定3-0 ※30-29×2、30-28×瑠華(team未来)
1R、パンチ&ローの瑠華に麻央は得意のミドル&ロー。瑠華はパワフルなパンチを振るが、麻央がミドルで上手く距離をとる。
2R、瑠華は綺麗なコンビネーションでパンチを打ち、麻央はそれに打ち合うがパンチだけに終わらず、ミドルやヒザ、ローにつなげていく。
3Rも同じ展開。前に出て綺麗なパンチを放って行く瑠華に、麻央はパンチから蹴り、蹴りからパンチ。左右ボディの連打で印象付け、麻央が判定勝ちした。
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▼第1試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R×Yuka☆(SHINE沖縄)判定0-3 ※27-30×3〇木村萌那(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
木村は2001年4月12日、岐阜県出身の23歳。4歳から14歳まで空手を学び、第3回~第9回JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会7連覇を飾る。小学4年生からはオリンピック出場を目指してボクシングも始め、2022年女子ボクシング世界選手権大会出場、第20回全日本ボクシング選手権大会女子バンタム級準優勝、第17回・第18回全日本女子ボクシング選手権大会女子ジュニア・フェザー級優勝など輝かしい戦績を収め、2024年11月にKrushデビュー戦を初回KO勝ちで飾ったサウスポー。
Yukaは産後のダイエット目的で格闘技を始め、3児の母として38歳でプロデビューした遅咲きのファイター。地元沖縄でデビュー後、2022年2月にK-1初参戦で高梨knuckle美穂と対戦。結果は判定負けだったものの、高梨とノンストップの打ち合いで真っ向勝負して会場を沸かせた。K-1 GROUPでは2連勝後、池内紀子に延長判定で敗れている。2023年11月に喜多村美紀との王座決定戦を制してミネルヴァ王者となった。
1R、木村はサウスポーからまるでジャブのようなサイドキックを顔面とボディへ次々と蹴っていき、速いワンツーを打つ。これで距離をとられなかなか踏み込めないYuka☆。単発で繰り出すが、木村が完全に距離を支配した。
2RになるとYuka☆はミドルを蹴っていくが、すぐに木村のサイドキックに阻まれる。面白いように顔面とボディへサイドキックを当てる木村はいきなりの左ボディもどんどん当てる。
3R、Yuka☆は距離を詰めてパンチを打つが近付きすぎて一発で終わる。木村はタイミングよくサイドキックを蹴り、Yuka☆をのけ反らせる。さらにサイドキックをフェイントにしての左ボディ、左ストレート、ワンツー。
木村がワンサイドのフルマークで2戦目も勝利を飾った。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R]〇小野寺隼(K-1ジム大宮チームレオン) 判定3-0 ※28-30×2、28-29×森川 絆(POWER OF DREAM)
1R、小野寺はいかにもパワーがありそうな体型で右ストレートでダウンを奪う。サウスポーの森川はすぐに立て直し、コンパクトなコンビネーションで対抗。打ち合いが何度か見られ、互角に。
2R、序盤は左カーフを蹴られた森川だが、多彩なコンビネーションを回転させていく。じりじりと前に出て圧をかける小野寺にパンチとヒザで対抗する森川。小野寺のインローがローブローとなり中断。再開後も前に出る小野寺。
3R、森川は左三日月と左ヒザでボディを攻めつつ、右アッパーからの右フック、左ボディからの右フックなど多彩なコンビネーションでパンチを決めていく。
しかし、追い上げはならず。ダウンを奪った小野寺の判定勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 Krush女子アトム級 2分3R×加藤りこ(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-3 ※26-30×2、25-30〇坂上りま(岡澤道場サイクロンジム大船)
1R、アグレッシブに前へ出て攻める坂上がラウンド終了直前、加藤をコーナーまで追い込み左フックでダウンを奪う。
2R、坂上はなぜか加藤の攻撃を受けに回り、サウスポーの加藤が左の蹴りを中心に攻めていく。しかし、坂上は突然スイッチが入ったかのようにパンチの連打で加藤にロープを背負わせた。
3Rも序盤は加藤の動きを見る坂上。加藤は左の蹴りからパンチを打つがなかなか的確にとらえることが出来ず、再び突然スイッチが入ったかのように坂上がパンチのラッシュを仕掛け、加藤をコーナーへ追い込むと右ストレートで2度目のダウンを奪った。これもラウンド終了直前で、そのままゴング。
2度のダウンを奪った坂上が大差の判定勝ちを飾った。