2019年8月18日(日)ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催される『RIZIN.18』にて、現DEEPストロー級王者の越智晴雄(パラエストラ愛媛)と対戦する元UFCのジャレッド・ブルックス(米国/Mash Fight Team)が事前取材に応じた。
対戦相手の越智は2018年9月にRIZINに初参戦し、当時PANCRASEストロー級王者だった砂辺光久を左フックからのサッカーキックでKO、衝撃的な勝利を収めている。
今回、RIZIN初参戦となるジャレッド・ブルックスはレスリングがバックボーンでMMA14勝2敗。 2016年2月の「WSOF-GC 2」 で猿丸ジュンジを2R KOに下し、衝撃日本デビュー。その後も順調に勝ち星を重ね、同年10月にはPANCRASEにも参戦。潤鎮魂歌から右フックでダウン奪いパウンドアウトし、12戦無敗をマークし、2017年7月からUFCに参戦。本来のストロー級ではなくフライ級で戦い2勝2敗。2018年9月のUFC前戦では、ロバート・サンチェスにスプリット判定で競り勝っている。
ニックネームである“ザ・モンキーゴッド”はクモザルのような姿と、ヒンドゥー教でクモザルは「神様」を意味することから付けられた。その実力と切れるトラッシュ・トークは日本でも大きなインパクトを残している。
初のリング、初のRIZINで実力者ブルックスはどんな試合を見せるか。
──コンディションは?
「バッチリだよ。1カ月以上準備期間があったから、これまでで一番、厳しく練習をやってきた。試合が楽しみだよ」
──格闘技のキャリアは?
「神が導いてくれた。子供の頃から兄弟でレスリングをやり、ボコボコにされたけど、それが今日のためにあったかと思うと、その結果が日曜日に出るんじゃないないかと思う」
──越智選手の印象は?
「とても素晴らしい選手。ストロー級で世界ランキング1位だと思うし、それにはそれ相応の理由がある。でも今回の試合で自分が世界一だと証明するよ」
──どんな試合を見せたい?
「ファンが喜ぶスタイルだ。皆が見たことない、とてもエキサイティングな試合を見せるよ。RIZINではストロー級はまだ注目されていないけど、ストロー級に注目しなければならなくなる試合を見せたい。RIZINで一番、優秀な選手だと証明したい」
──以前はトラッシュトーカーでしたが、落ち着いたように見えます。
「キャリアを通して人として成長したんだ。キャリアの最初はコナー・マクレガースタイルが正しいと思ってたけど、そうではないと気づいたんだ。謙虚でリスペクトフルであることが自分のスタイルに合っている。自分自身に嘘をつかないこと、自然なままでふるまうことが正しいと思っているよ。ただ、勘違いしてほしくないのは、リングに入ったら今まで通りエキサイトでアグレッシブでとんでもない試合をすることは変わらない。安心してほしい。リング上では越智をノックアウトするよ」
──UFCでは自身の階級で戦えなかった?
「謙虚に、といま言ったけど、自分では世界一のストロー級ファイターだと思っているし、世界一のフライ級ファイターだとも思っている。見た目は細くて弱そうに見えるかもしれないけど、パウンドフォーパウンドで、ほんとうに肉体的に強いアスリートだと思っているので、この試合後もRIZINがストロー級でもフライ級でもチャンスをくれることを願っているよ」
──コーチのジェームス・リーが以前、PRIDEやPANCRASEに出ていましたが、彼からはどんなアドヴァイスを?
「僕も2度、日本で試合をしたけど、いい思い出ばかりで、ジェームスもいいアドヴァイスをくれた。前回のPANCRASEでは(試合後に)ちょっとやりすぎた感があって、そこは反省しているんだ。ジェームスからも行きすぎず、無理をせず自分らしく戦えと言われているんだ。ただ、僕はエンターテイナーだから入場も期待しておいてくれよ」
──リングでの試合は初めてですか? そして初のRIZINルールについては?
「金網ではなく、リングのなかではボクシングや空手の試合はたくさんやってきたけど、MMAでは初めてだ。でもRIZINルールは大好きさ。踏みつけやサッカーキックがOKなら、テイクダウンして顔面を蹴りつけてやるよ。こんなに楽しいことはないじゃないか」
──家族がストリートファイトの一家だった?
「父も叔父も1970年代から近所でよく不良によくからまれていた。からまれたら必ずやるとういうところに住んでいたからね。おおごとにするわけじゃないけど、何度も喧嘩でつかまったよ。強くあらなきゃいけない環境だった。それで近所では有名だったよ」
──ビートボックスが得意だとか?
「子供の頃、ADHDだったから集中力がなかったんだ(笑)。それだよくやっていた。やって見せようか?」
──ぜひ!
(実演し、記者陣から拍手が沸き起こる)
以下は、記者との質疑応答に出てきた、ブルックスの事前アンケ-トの回答だ。「フランキー・エドガーが好き」というブルックスの格闘技好きな面も表れている。あわせて紹介したい。
ブルックス「格闘技をしていなかったら? 刑務所にいるか大統領」
──RIZIN初参戦ですが、どんなお気持ちですか?
「相性バッチリって感じかな。RIZINはエンタメ性に優れたプロモーションで、自分がリングの中でも外でも自分らしく振舞える場所だと思うよ! こんな由緒ある舞台に出られるなんて、すげぇ興奮してるよ!」
──日本で戦うことについてどう思いますか。
「以前、日本で戦った事が一度だけあるが(※実際には2度)、その時も最高だったよ! アメリカとはずいぶん違う文化だよ。とてもリスペクトフルで風景とか街が素晴らしくて忘れられない!」
──対戦相手の印象を教えて下さい。
「越智は総合力が高く素晴らしい選手だが、相手はストロー級“宇宙一”の僕だ。彼にとって厳しい戦いになるだろうね」
──この試合に向けてどのような練習をしてきましたか?
「とてもラフでキツかったけど完璧だった。世界一のコーチ達(Mash Fight Team、ジェームス・リー※PRIDE、戦極で来日)に鍛えられてたら、試合がつまらない訳がない」
──格闘技を始めたのはいつですか?
「最初の試合は15歳の時だった。家族がストリートファイト一家で近所では有名だった。5歳で父親にファシズム教育の一貫としてレスリングを習わされ、9歳でボクシングと柔術。その後デニス・ミニックス先生のもとで習い、この競技が俺に合ってると実感できたんだ」※高校時代、レスリングでインディアナ州で35勝無敗という記録を持っています。
──憧れのファイターは誰ですか?
「フランキー・エドガー。僕の憧れるスタイルを持ちながら金網の中でも外でも素晴らしい人格者だからだ」
──あなたの特徴、ここを見て欲しいというポイントを教えて下さい。
「僕はリングの中でも外でも楽しめる男だ。他の選手にはないキャラクターを持っているし、リングの中では光より早くダイナマイトより破壊力がある。最近打撃も調子よくて、今回は底力を出していきたいと思っている。ハリウッド映画のような衝撃とオリンピックアスリートのようなパフォーマンスを披露するつもりだ」
──ところで休日の過ごし方は?
「めったに無いけど休日はリラックス、仲間とのんびりしながら、YouTubeで格闘技を見るのが好きだ」
──好きな音楽は?
「音楽は何でも聞くけど、特にハードロックとヒップホップが好きだ」
──好きな食べ物は?
「パスタとステーキという名前がつけば何でも!」
──嫌いな食べ物は?
「豆腐」
──好きな本・漫画は?
「陰謀説やサバイバル話かうんちくが語れるような読み物が好き」
──好きな動物は?
「アメリカ人は犬が好きなんだよ! 俺の飼い犬はブルータス」
──これだけは苦手なもの・ことは?
「蜘蛛と蛇」
──座右の銘は?
「愛すだけ愛される、その逆は殺るか殺られるか」
──今までで一番の失敗は?
「何千万人の見ている前で、自滅して自分で自分をKOしてしまった事」※2018年6月のUFCでのジョシュ・トーレス戦で相手を抱え上げて後方にスラムしたときに頭を打って失神。
──今までで一番嬉しかったことは?
「大きな大会の入場で一緒に花道を歩く父親の顔を見た時」
──最近ハマっていることは?
「人を殴る事、ラップ、陰謀論、猿と仏」
──格闘技をしていなかったら何をしてる?
「刑務所にいるか大統領」
──格闘技以外で自信があることは?
「ラップ、ビートボックスが得意。歌も上手いからブロードウェイでプロの役者もできるぜ!」
──小学生の頃の夢・なりたかったものは?
「歴史に残るようなMMAファイター!」
──最近一番笑ったことは?
「アメリカ大統領を嫌う人たちが沢山いる事」
──今まで一番泣いたことは?
「愛犬のリアーナが死んだとき」
──あなたの宝物は?
「家族、彼女、友人とコーチ。そして自分のキャリア!」
──睡眠時間はどれくらい?
「7~8時間」
──これだけは譲れないもの・ことは?
「俺から幸福を奪うものは排除する」
──初デートはどこに行く?
「彼女を日本に連れてきたかったよ」
──尊敬する人物は?
「父親とコーチのジェームズ・リーは僕の人生で大きな役割を果たしていて、僕が道を踏み外そうとしていた時もちゃんと導いてくれた。おかげで今は神とキリストにも立派に向き合える!」