(C)Zuffa LLC/UFC
米国アンチドーピング機関(USADA)は11日(日本時間12日)、トラビス・タイガートCEOの声明として、「コナー・マクレガーがUSADA検査対象者に復帰したこと」と、「UFCとUSADAがアンチ・ドーピング・プログラム契約を終了すること」を公式に発表した。
声明によれば、USADAは、2023年12月にUFCとの契約が終了すれば、UFCのアンチ・ドーピング・プログラムの監視は終了すると発表した(※続報あり)。
また、2021年7月のダスティン・ポイエー戦で、左足を捻り脛骨を骨折、1R終了時ドクターストップでTKO負けしたコナー・マクレガーが、USADA検査対象者に復帰したことについて、復帰前に「少なくとも6カ月間検査プールに入る必要があり、2回の陰性検査を提出することを義務付けている」とし、「我々はUFCに対して、いかなる例外も認めるべきではないということをUFCに対して明確かつ断固として伝えてきた」と記している。
マクレガーは『The Ultimate Fighter: Team McGregor vs. Team Chandler』(TUF 31)で、2度目のコーチを務めており、同じくコーチ役のマイケル・チャンドラーと、シーズン終了後に対戦することになっているが、日時・開催地は未定で、一部報道では12月に試合が行われるとされていた。
USADAは2001年から「米国のオリンピック、パンアメリカン、パラリンピックスポーツの公式アンチ・ドーピング機関」として認められており、WADA(世界アンチドーピング機構)のコードおよびテストの国際基準と一致。USADAは、競技内および競技外の検査中に血液と尿の両方のサンプルを収集しており、いつでも、どの場所でも、いわゆる“抜き打ち”で事前の通知なく行っている。
米国のプロスポーツリーグの一部とNCAAはWADAコードに加盟しておらず、独自のアンチ・ドーピングプログラムを団体内で実施している。今回の声明で、「UFCはUSADAに別の方向に進むと通告した」とされており、2024年以降、UFCはどのようなドーピング検査を行っていくか。
USADAは、「USADAにとって、ファイターの長期的な健康と安全は、公正で公平な競技場に加え、クリーンなアスリートを犠牲にした短期的な利益よりも重要です。USADAは過去8年間、UFCをクリーンアップするために行ってきた仕事に誇りを持っており、2023年12月31日に終了する現在の契約の残り期間中、UFCの選手たちに比類なきサービスを提供し続けます」と、年内の契約期間中はテストを行うとしている。
2024年1月1日以降、USADAはUFCアンチ・ドーピング・プログラムに関与しなくなるため、UFCがUSADAが求めるマクレガー復帰までに「6カ月以上の期間」を遵守するかどうかは、現時点では不明だ(※【追記】2024年8月現在のUFCアンチドーピングプログラムの実態を朝倉海が語る)。