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2023年10月7日(日本時間8日朝7時30分~)米国カリフォルニア州サンディエゴのペッカンガ・アリーナで開催される『Bellator 300』(U-NEXT配信)にて、当初予定されていたBellator世界ヘビー級王座戦が、挑戦者リントン・ヴァッセルが体調不良により欠場で王者ライアン・ベイダーとの試合が中止に。
3大王座戦が行われる同大会のメインイベントが、ウスマン・ヌルマゴメドフvs.ブレント・プリムスの「Bellatorライト級ワールドGP準決勝&ライト級選手権試合」(5分5R)に変更された。
そのメインを戦うウスマンとプリムスが5日、フェイスオフ。同試合では、ウスマンのコーナーマンとして、元UFC世界ヘビー級王者のケイン・ヴェラスケスがつく予定になっている。
報道によれば、ヴェラスケスは、4歳の息子に約100回にわたり性的虐待した男を車で追い詰め、発砲した罪に問われて2022年3月に起訴され、8カ月間、拘置所で過ごした。その後、100万ドルの保釈金で釈放中で、2024年1月に裁判を受ける予定となっている。
メキシコからの移民であった父親と米国人の母親の間に生まれ、アリゾナ州立大学時代に、NCAAディヴィジョン1でオールアメリカンに2度選出されているヴェラスケスは、2010年10月の「UFC121」でブロック・レスナーに1R TKO勝ちでUFC世界ヘビー級王座を獲得。2019年に現役を引退し、WWEデビューも果たしている。
現在もサンノゼにあるアメリカン・キックボクシング・アカデミー(AKA)でコーチを務めており、ハビブ・ヌルマゴメドフらとともにプロ練習を指導。カリフォルニア州アスレチックコミッションは、ヴェラスケスのコーナーライセンスの取得を認めていた。ヴェラスケスのコーナー復帰は、2022年2月に逮捕されて以来、初めてとなる。
今回、GP準決勝に臨むウスマンは、これまでもヴェラスケスとのスパーリング動画をアップしており、本誌『ゴング格闘技』(NO.328)では、AKA修行中の“ブラックパンサー”ベイノアが、ヴェラスケスについて「チーム全体の雰囲気を上げるためにケインとハビブはすごく煽って自分も動くんです。ケインは誰よりも動くくらい」と、その熱血指導ぶりを伝えている。
【写真】AKAで修行中のベイノア(左)とコーチのケイン・ヴェラスケス=ベイノア提供
また、ウスマンについては、「ウスマンはヤバいですね。本当にめちゃくちゃ強いです。何の攻撃が来るのか分からない、空手家以上に空手家の蹴りも持っています」と評している。
ハビブ・ヌルマゴメドフの従兄弟ウスマンは、2023年11月にパトリッキー“ピットブル”フレイレを判定で下し、Bellator5連勝でライト級新王者に。2023年3月の初防衛戦&ワールドGP1回戦では、元UFC世界ライト級王者のベンソン・ヘンダーソンを右の縦蹴りを効かせてのリアネイキドチョークで極めて準決勝に駒を進めていた。
The journey continues 👏🏻👑 pic.twitter.com/sgrQKqUwm5
— 🇸🇦 (@DontBeShyxx0) November 19, 2022
AKAのコーチであり、先輩のヴェラスケスがもしウスマンのコーナーにつけば、従兄弟のハビブととともに“世界最強”のセコンドが後ろに控えていることになる。
また、Bellator世界ライト級王者のウスマンには、もうひとつの頂に立つ現UFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフも練習パートナーとしてついており、10月21日の『UFC294』でシャーウス・オリヴェイラとの再戦に臨むマカチェフと、“世界最高の環境”で練習を積んで来たともいえる。
ウスマンの対戦相手のプリムス(12勝3敗)は、1回戦で寝技師マンスール・ベルナウイを判定で下した柔術黒帯だ。強力なバックアップを背にウスマンは、メインでどんな王座戦を見せるか。