女子の試合でこれ以上のものはないだろうというのを残したい
他の3名については「SARAMI選手とジェニー選手は対戦したことがあります。沙弥子選手はまだないですね。みんなそれぞれ勢いがある選手。コンスタントに試合をしていて、対戦経験がある選手も前回とは全く違った技術とかいろいろ培っていると思うので、誰と対戦しても楽しみだなと思いました」とする。それぞれの印象については次のように語った。
「ジェニー選手とはONEで2回やりまして(2017年6月にVがリアネイキドチョークで一本勝ち、2019年10月にVが判定勝ち)。一生懸命なんですね、常に。どんどん最初よりも技術が上がっていて、本当に常に一生懸命なファイトをする選手で見ていて気持ちがいいと思っています。SARAMI選手(2015年5月、VがTKO勝ち)もかなり格闘技歴が長くていろいろな団体で顔を合わせて練習も一緒になります。彼女の強さは分かっているし、負けん気とかも肌を合わせて知っています。もう一回対戦しても面白いなと思っています。沙弥子選手は試合を見て身体が強そうという感じ。誰が来ても、今まで強い選手と対戦する時に自分が引き上げられることがありましたが、相手によりけりじゃなくて自分もいい試合が出来るようにならなければと思っています」
PANCRASEのベルトに対しては「歴史のある団体のベルトを巻くのは凄いことだと思います。これだけ長く大会が続くのはそれなりに素晴らしいものがあるから。運営する人々の想い、参加する選手の想い、絶対にちゃんとしたものでないと続かないので、歴史があり信頼あるベルトを巻きたいと思います」との想い。
3人の中で意識する選手はいるかとの質問には「全員同じくらい。誰が来ても女子の試合でこれ以上のものはないだろうというのを残したい」と答える。
では、現時点でその「女子の試合でこれ以上のものはない」と思う試合は何かと問われると、「アンジェラ・リーvs.山口芽生の1戦目と2戦目です」と、2016年5月6日と2018年5月18日にONEで行った自身の試合をあげた。
(C)ONE Championship
「あの2試合を超えたいですね。アンジェラが引退したから、というのは気にはしていません。いろいろな試合がありますが、自分の試合を見るのってあまり好きじゃないんです。満足いかないところがあって自分に対してイラつくというか、見たくないと思うことが多い。でも、あの試合は自分でも見られると思いますし、いい評価をしていただいているので。
例えば技術が粗かったりとかそういうところがあっても、お互いのハートのぶつかり合いがあったと思う。あそこまでお互いが気持ちを出している試合を他では見たことがない気がします。相性もありますが、相手が誰であっても自分がそこまで出し切りたいなというのが一つの目標なので、今回はそこまでやり切りたいと思います」
そのアンジェラが若くして引退を決めたことについて聞かれると「人それぞれ続けるか続けないかは個人の自由なので、本人の気持ちを尊重しているので、辞めるってなったのはそれはそれでいいんじゃないかと思いますね。何があったかは分からないけれども、続けて欲しいってファンは思うかもしれないですが、団体を背負ってあそこまでやってきたのは凄いプレッシャーだったと思います。立場が違う中で背負って来た葛藤は凄いものがあったと思う。アンジェラがいい待遇を受けて家族で一緒になってやっていて羨ましいと思うことはないこともなかったですが、その裏には葛藤があって、向こうはMeiはいいなってもしかしたら思っていたかもしれないし。ひとつの時代をお互い生きて来て、今思うといろいろあったんだろうな、お疲れ様という気持ちです。私は自分のやりたいことをやった方がいいよと思います」と答えた。