(C)RIZIN FF
2023年6月24日の『RIZIN.43』メインイベントの「RIZINフェザー級タイトルマッチ」にて、400gの体重超過で「王座剥奪」となったクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)について、試合前日の14時リミットまで減量に付き添った同門のホベルト・サトシ・ソウザが、クレベルに何が起きていたのかを、自身のYouTubeで語った。
クレベルの身体、今日ちょっと変だなと
試合前日の午前11時から午後2時まで行われる計量。前々日の22日の時点でクレベルは残り3㎏まで減量していた。
計量当日の朝に最後の水抜きをするサトシに対し、これまでクレベルは計量の前日の夜にはリミットの体重を作っていたが、この日は、異変があったという。
サトシは、「みんな知らないだろうけど、いろいろと私とクレベルでやった。北海道に来たときはあと3kgくらい。(試合前日の)朝に体重チェックをするから、いつもクレベルは前日の夜に体重が出来る。私の場合はいつも計量と同じ日に体重を落とす。12時に計量なら朝8時くらいに起きて、だいたい4kgくらい落とす。そんなにたくさんではない。UFCの選手は6kgくらい(落とす選手もいるから)。私は4kgだけ。
クレベルはいつも(計量)1日前には体重が出来るけど、今回はもっと難しかった。朝、7時か7時半に起きたときにあと2kgだけ(残っていた)。ほんとうにすごい少なかった。プロの選手なら2kgは普通、簡単と言うと思う。お風呂と布団で水抜きして、私なら1時間で2.5~2.8kg、たまに3kgくらい、その1Rで落ちる。クレベルはその1Rやって200g(しか落ちなかった)」と、計量当日の朝に2kg残しのクレベルの水抜きが、いつものように落とせなかったと語る。
2R目は、風呂にエプソムソルトと無水エタノールを入れて、浸透圧による脱水で皮下水分を排出する方法に。
サトシは、クレベルと「しょうがないからもう1回、やろうと。プロ選手がやる塩(エプソムソルト類)とアルコール(無水エタノール)を入れるともっと汗が出るから、クレベルはあと40分くらいそれをやって、また体重チェックした」──結果、そこでも減量は「100g(だけ落ちた)」と、ドライアウトは思うように進まなかった。
水抜きに付き添い、クレベルの身体に異変を感じていたサトシは、「その時に私は“えっ、身体今日ちょっと変だな”と。サウナはあまり好きじゃないけど、1時間半かかって合計300gだけ(しか落ちなかったから)しょうがないからサウナに一緒に行って──私は30分くらいで汗でびしょびしょになって体重落ちてヤバいなって思ったくらいだけど──クレベルの身体が心配だから隣で一緒に入って。このタイミングで12時くらい(※リミットの14時まであと2時間)。クレベルはちょっと汗が出るけどほんとうに少ない。30分くらい入ってまた体重をチェックして、また200g(だけ落ちた)。このときに12時半くらい。8時から12時半くらいまでやって、500gくらいしか落ちなかった」と、絶望的な状況だったという。
「あと1.5kgを1時間半で落とさなくちゃいけなかった。そのあともいろいろやった。水を飲めないなか、お風呂、サウナ……今回は、彼の身体が分からないけど、ほんとうに変だった。私が4kg当日に落とすときも2Rやったらほんとうに疲れる。“もう動けない、すぐ体重チェックしたい”となる。歩いても話できない。
クレベルは8時から13時まで繰り返しお風呂とサウナをやっているから危なくて心配だった。普通の人ならすごく危ない。彼はすごい疲れていたけど“まだ出来る”って言うから最後まで行って、もうほんとうに出来ない(のに)最後の13時半くらいにまたサウナに一緒に行って、25分くらい、だいたい13時50分まで入った」
計量のリミットまで残り10分、サウナにともに入っていたサトシは、クレベルの身体に汗として出るべき水分が残っていないことを感じたという。
「私は身体びしょびしょだけど、ヤバいのは彼を見たらおでこに何も出ない。もうおかしいほんとうに。サウナはほんとうにすごく暑くて、私は鼻までちょっと痛かった。(鼻で)呼吸すると熱いからヤバいなって(鼻を押さえる)。でも彼は全然汗が出なかった」