撮影/安村発
MAROOMS presents『KNOCK OUT 2023 vol.2』
2023年6月11日(日)東京・後楽園ホール
※KNOCK OUT公式YouTubeチャンネルで配信
▼ダブルメインイベント第2試合(第7試合)スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK -59.0級 3分3R延長1R
〇龍聖(WIVERN/初代KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)
延長R 判定3-0 ※10-9×3
×チュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)
※本戦の判定は28-28×3。
龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、HIROYAの指導を受けアマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー(KO勝ち)。2021年10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦で銀次を判定3-0に破り初代王座に就いた。2022年4月には初の国際戦でメディ・ジライフィ(スペイン)にも勝利、7月にはRIZINに初参戦して魁志に3RでTKO勝ち。12月には巌流島ルールに初挑戦、かつて皇治を苦しめたダウサコンを左ボディで初回KOに沈めてインパクトを残した。今年3月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者ペットセーンセーブと-58.5kg契約で対戦し、延長戦でダウンを奪って勝利。14勝(9KO)の無敗記録を更新している。
チュームーシーフーは中国の少数民族であり戦闘民族として知られる「イ族」の出身。龍聖より1歳下の21歳ながら、プロキャリアは龍聖の約2倍となる29戦。昨年3月26日の『武林風』では、過去K-1で武尊と激闘を演じた強豪ワン・ジュングァンと対戦し、判定で惜敗したものの互角の打ち合いを演じたことで、中国・新世代ファイターとして期待を集めている選手だという。
1R、サウスポーのチュームーシーフーはガードをガッチリと固めて前へ。龍聖は右ミドルハイ、前蹴り、右ローと蹴りを散らしていく。ワンツーを打ちながら前へ出ていくチュームーシーフーに龍聖は鋭い左ボディ、テンカオ。さらに右ボディも強打する。チュームーシーフーの左右フックをかわしながらヒザを突き刺す。明らかに効いた様子のチュームーシーフーに龍聖はノーガードで挑発。
これに怒ったチュームーシーフーが前へ出てきて、龍聖が右フックを打とうとしたところでチュームーシーフーのカウンターの右フックが入り、龍聖がまさかのダウン! 立ち上がった龍聖は右フック、右ボディ、ヒザと攻撃しつつ、距離もとって残り30秒を逃げ切った。コーナーに戻ると苦笑いを浮かべる龍聖。
2R、左ボディ、右ヒザ、右ストレートと気迫の攻めを見せる龍聖。左ボディ、ヒザ、右ボディと畳みかける。しかしチュームーシーフーも耐えて強烈な左ストレート、左右フックを打つ。強烈な右アッパーをボディへ突き上げ、顔面前蹴り、右ストレート。前蹴りでは転倒させる龍聖。さらにヒザ、右ボディ、右ストレートとクリーンヒットを奪う龍聖だが、タフなチュームーシーフーは倒れない。
3R、龍聖の右ハイからのワンツーでチュームーシーフーがダウン寸前になるが、龍聖のラッシュにもチュームーシーフーはワンツーで反撃。龍聖の左ボディが鋭く入ってもチュームーシーフーは前へ出て左ストレートと左右フックを繰り出してくる。カウンターのテンカオから前蹴り、さらにヒザとボディ攻めのラッシュにもチュームーシーフーは倒れない。ボディのダメージは明らかだが、チュームーシーフーはクリンチで耐える。それどころか強烈な左ストレートヒットさせる。チュームーシーフーの左ストレートにワンツーで応戦する龍聖。
本戦の判定は28-28×3でドロー。追い上げに成功した龍聖が延長戦へ望みをつなぐ。延長戦、激しいパンチの交錯から龍聖のヒザがローブローとなって一時中断。再開後、右ストレートとヒザをヒットさせる龍聖にチュームーシーフーはワンツー強打で応戦。龍聖はカウンターのヒザ、右ボディ、右ストレートをヒットもチュームーシーフーがすぐに左右フックで逆襲する。
龍聖の右ストレート、右ボディが次々とヒットするもタフなチュームーシーフーは倒れず必ず反撃してくる。龍聖は右ヒザを連打し、前に出るチュームーシーフーに右を打ち込む。チュームーシーフーの突進をかわして右、前へ出て右とヒットを重ねていく龍聖。チュームーシーフーも一歩も退かずに打ち合いに行き、龍聖はヒザ、右ストレートを打つ。
判定は3-0で龍聖が死闘にピリオドを打ち、チュームーシーフーの健闘を称えて手を掲げた。龍聖はマイクを持つと「ダウンしたの覚えてないです。出直します。すいませんでした」と、場内大熱狂の試合を演じたにも関わらず、納得のいかない表情でリングを後にした。