MMA
インタビュー

【ROAD TO UFC】鶴屋怜、UFC契約をかけた初戦へ「全試合フィニッシュで優勝してインパクトを残したい」=5月27日(土)上海

2023/05/26 13:05

誰とやりたいかと聞かれれば、チャンピオンと一番やりたい

──周囲との関係性によって負けられない気持ちが沸くという点では、チャンピオンベルトを保持する立場であることや、お父様の鶴屋浩氏が代表を務めるパラエストラ千葉ネットワークを代表する一人として試合に臨むことについての心境はいかがですか?

「背負っているものがあるから負けられないというよりも、自分が勝つことが結果的に団体やジムの名前を上げることになると考えていて。あくまでも自分の問題としてとらえています。自分が頑張ることで、ついてくるものであると」

──そうやって頑張ってきた道を切り拓いてきた先人として、同階級の先輩・扇久保博正選手がいますね。チャンピオンのブランドン・モレノ選手をはじめとして、扇久保選手が出場した『TUF24』出身の選手たちが現在UFCのランキング上位にいる状況について思うところはありますか?

「そうですね。アレッシャンドリ・パントージャ選手がタイトルに挑戦することを考えると……今はまだ僕は絡んでいけてはいませんけど、今回、頑張ってUFCにたどり着けば、やっと、かつて扇久保さんが戦ってきたところに自分が挑んでいけるようになる。そう思うとワクワクしますし、ファイターとして1ステップ上の段階へ進んでいるという実感が沸きます。扇久保さんからはよく『頑張れよ』、『UFCはきっと獲ってくれる』と言葉をいただいていて、自分に託してくれているという気持ちも感じていますから、そのためにも頑張りたいですね」


(C)Zuffa LLC/UFC

──ちなみに、ゆくゆくは対戦してみたい選手というのはいますか?

「誰とやりたいかと聞かれれば、“チャンピオン” と一番やりたいです! ベルトを持っているのが誰であるかにかかわらず。そのためにも早くランカーに挑戦していきたいです」

──鶴屋選手はアメリカで実際にランカーのアミル・アルバジ選手(MMA16勝1敗、UFC4勝)と練習していたのですよね。またタイでの練習の際は、ソーシャルメディアで平良達郎選手(MMA13勝無敗、UFC3勝)とお互いに対戦表明したことで日本でも注目度が高まっている、ムハンマド・モカエフ選手(MMA10勝無敗、UFC4勝)とも肌を合わせたそうですが。

「はい。ただモカエフ選手は試合の1カ月前というタイミングで(タイガームエタイジムに)来ていたので、どれくらい本気でやっていたかは分からないのですけど。やってみた感想としては、そんなに……。“全然負けないな”と思いました、何回かやったのですけど」

──同階級で躍進中のプロスペクトにその手応えというのは期待が高まりますね! 今後も海外修行は続けていくのでしょうか?

「いくつかジムに行ってみて、自分に合ったところがあるかどうか探しながらですね」

──ご自身に合うという意味で、エクストリーム・クートゥアは前述のアルバジ選手はじめ階級が同じないしは近い選手も多く、環境としては良かったのでは?

「そうですね、ただとにかくラスベガスが不便で移動に時間を取られてしまうので。遠いということは本当に毎日苦痛で。もちろん練習は頑張って取り組めるのですけれど、行くまでが苦痛で……。朝9時半からなのですが、1時間程度眠ったらすぐ起きて、30、40分かけてジムに行って、1日がそれで終わっちゃうんです」



グラップラージョゼフ・チェンともトレーニングした。

──なるほど。移動の利便性で言えば、タイは随分とストレスから解放されたでしょうね。

「そうですね。ただ、タイのほうの経験としては、MMAのグローブをつけてスパーリングできる機会がちょっと少ないなと。16オンスのボクシンググローブをつけての練習、MMAのようなグラップリングとかもあるのですけど、自分はMMAのスパーリングを重視してやりたいので、そういうちゃんとしたMMAができるのは週2回程度だったりと少なめだったんですよね。すごい広いですけど、外なので壁がないから壁レスも出来なくて、自分が得意としている部分をやれないというのはありましたし。壁レス以外を得意にできるという考え方もまあありますけど。ただタイは暖かいですし、環境的には良かったですね。いろいろなところを経験できたらとは思っています」

──出稽古先に実際にUFCで戦っている選手と触れて自分の力を試したり確認できるというのは励みになっていると思うのですが、より近い存在としては、同じ日本のパラエストラネットワークに平良選手がいます。平良選手が無敗のままUFCで3連勝中なのは、刺激になっていますか?『ゴング格闘技』NO.326で平良と鶴屋が対談

「達郎くんは次が4戦目(vs.クレイドソン・ホドリゲス/日本時間6月25日(日)『UFCファイトナイト・ジャクソンビル』)で、自分が(UFCに)行く頃には多分5戦目、6戦目と試合をしているかもしれません。向こうはどう思っているか分からないですけど、自分はなるべく早くそれを越せるように頑張っていかなくてはいけないかなって。焦ってはいないのですけれど」

──お互いにチャンピオンを目指している以上は、いつかはオクタゴンで対決する日も来るかもしれません。

「そうですね。お互いに……まあ、自分も達郎くんとやるのはちょっと嫌だなとは思ったりしますし、それ以上に達郎くんのほうが人として優しいから、(対戦するのが)嫌だなっていう気持ちもあるとは思います。ただ自分は試合だったら関係ないので。当たっちゃったら仕方ないですね! まあ、沖縄と柏はかなり離れていますしね(笑)」

──外国の選手とやるのと変わらないということですね(笑)。

「そうかもしれないですね(笑)」

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