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インタビュー

【ROAD TO UFC】鶴屋怜、UFC契約をかけた初戦へ「全試合フィニッシュで優勝してインパクトを残したい」=5月27日(土)上海

2023/05/26 13:05
【ROAD TO UFC】鶴屋怜、UFC契約をかけた初戦へ「全試合フィニッシュで優勝してインパクトを残したい」=5月27日(土)上海

【写真】前日計量は、鶴屋怜(126lbs/57.15kg) vs. ロナル・シアハーン(126lbs/57.15kg)でともにパス(C)Zuffa LLC/UFC

 2023年5月27日(土)と28日(日)、中国・上海のUFC パフォーマンス・インスティチュートにて『ROAD TO UFC SEASON 2』が開催される(U-NEXT配信)。

 男子フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級の4階級で各8選手による勝ち抜き形式のトーナメント1回戦16試合と、ワンマッチ4試合の計20試合が、2日間にわたり行われる。

 日本からはフライ級で鶴屋怜、バンタム級で野瀬翔平と上久保周也、フェザー級でSASUKE神田コウヤ、ライト級で丸山数馬と原口伸の7選手が出場する。

 初日の27日19時からスタートする「エピソード1」に出場する20歳のPANCRASEフライ級第8代王者・鶴屋怜(パラエストラ松戸)に、「U-NEXT SQUARE」がインタビューした。

 6勝無敗・全試合フィニッシュ勝利中の鶴屋は、1回戦で7勝無敗のロナル・シアハーン(インドネシア)との試合に向け、何を語ったか。

MMAでは初の国際戦も「言ってしまえば、同じ人間なので」


【写真】前日計量は、鶴屋怜(126lbs/57.15kg) vs. ロナル・シアハーン(126lbs/57.15kg)でともにパス(C)Zuffa LLC/UFC

──まずは今回の『ROAD TO UFC シーズン2』参戦にあたっての心境をお聞かせください。とりわけ鶴屋怜選手は、キャリアの初期からUFC参戦を目指していることを明言されてきましたが、この出場機会をビッグチャンスととらえましたか?

「1年かけてのトーナメントへの挑戦ということで、正直言うと、たとえばUFCの登竜門とされるデイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズに出場できた場合などと比べると“道のりが長くなってしまうな……”という気持ちもありました。とはいえ、このチャンスを得られたからには、ここで3戦、しっかりと決めて勝って優勝し、現在『6戦6勝6フィニッシュ』という戦績を『9戦9勝9フィニッシュ』にして自分の強さを印象づけたいと思っています」

──『ROAD TO UFC』でインパクトを残すことで、「UFCファイター」となってからの自分の期待値もより上がると考えているのでしょうか。

「そうですね。僕としては、欧米人が見たらアジア人の風貌はみんな同じように思われているんじゃないかな? といった印象もあって。だからこのトーナメントを勝ち上がっていくなかで、それぞれの試合内容をよりいいものにして自分のことを覚えてもらえれば、契約を勝ち取っていざ本戦に出るとなった時に“すごい奴が来たぞ”と、存在感を示せるのではないかと考えています」

──3試合で優勝まで、なるべくダメージもなく次へと勝ち進んでいく必要があり、その先に契約もかかっているとなると、判定になってでも勝利を確実に手にするという考え方も選択肢にはあると思いますが、鶴屋選手としてはあくまでも積極的に攻め、フィニッシュには特にこだわっていくということですね。

「はい。勝ち星と一本/KOの数が一致しているということは自分のアピールポイントなので」

――それだけフィニッシュにこだわっていると、早期決着を狙うがあまり焦って序盤に力を使いすぎたりしないかと心配にもなるのですが、落ち着いて臨めるようマインドセットも完璧な状態ですか? 昨年12月のPANCRASEのタイトルマッチ(※)ではちょっと強引に見えた場面もありました。

「そうですね、問題ありません。僕自身はあの試合の1R目も気持ちの面で焦ったりはしていませんでしたので。その話で言うと、大きかったのが、新品のグローブの固さに対して、通常のバンデージで臨んだところクラッチが取りづらくなってしまったという問題があったので、そういったバンデージのような部分も含めて、今回は想定外なことが起きないように準備して万全の状態で試合に臨みたいとは思っています」(※)『PANCRASE331』(2022年12月25日)U-NEXTで見放題配信中

──今回出場するトーナメント全体をご覧になってみての第一印象は?

「出場選手たちの戦績を見て、アジアの強豪が揃っていると思いました。日本人選手も所属しているチームアルファメールで練習しているというインドのスミト・クマール選手(8戦8勝4KO・TKO /4一本)は無敗というだけでなく僕と同じように全てフィニッシュしている選手ですよね。2回戦で当たる可能性のある韓国のイ・ジョンヒョン選手(8戦8勝4KO・TKO)にも注目しています。ただ、自分も対戦している秋葉太樹選手との試合を観る限り、PANCRASEのランカーとは変わらないのかな? という印象ではあります」

──他の階級で、注目している日本人選手や気になるカードなどはありますか?

「レスリング出身という点で、原口伸選手。ライト級で日本人がどこまで行けるかということもあって注目しています。それから同じジムに所属しているフェザー級の神田コウヤ選手とは一緒に優勝して、一緒にUFCへの切符を掴みたいですね」

──神田選手とは鶴屋選手が物心つく前の年の頃から練習しているのですよね。

「同じ写真に写っていたりするので事実としてはそうなんですけど(笑)、あんまり小さい頃から話したことがないんです。コウヤくんは真面目だから。僕はサルみたいな小学生だったので全然タイプが違ったのかなと(笑)」

──鶴屋選手が5月27日に迎える初戦の対戦相手、インドネシアのロナル・シアハーン選手(7戦無敗、5KO・TKO)についての印象や、警戒している点などはありますか?

「ストライカーですね。見た感じ“硬そうだな”というイメージがあって、そこはちょっと嫌だなと思っている部分です。ヒジなどでカットする恐れがあるということと、パンチも硬いでしょうし。とはいえ、シアハーン選手の5つのフィニッシュはほぼ打撃ですし、試合を見ても寝技はそんなに得意ではないのかな? という印象があるので、ヒジやヒザなど一つひとつの打撃に警戒しつつ、自分がテイクダウンして極めに行く感じですね。自分との相性は良いのではないでしょうか」

──「硬そう」ということですが、フィジカルも強そうな印象ですか?

「うーん、まあちょっと試合が始まってみないと分からないかな、と。身体の強い選手だったとしても意外とスタミナがないというようなこともありえますし、“力強いな!”と思ったとしても、あっさり取れてしまうこともありますから、一概に判断できないというか。逆に力が弱くても全然テイクダウンできないこともあるので。向き合ってみて、しっかり対応していきたいと思います」

──初めての国際戦となりますが、対戦相手が外国人選手であること、そして海外で試合をすることについて、緊張や不安などはありますか?

「一応、小学生の時に柔術の世界大会にも出場していますし、高校生の時にレスリングの世界大会にも出ているので、プロのMMAの試合では初めてではあるけれど、海外で試合するイメージはなんとなく掴めているかなと思います。対戦相手に関しても、これまで外国のファイターとも練習はしてきていますが、やってみた感じで “外国人だから” といって特別何かが強いな……と感じることはなかったです。言ってしまえば、同じ人間なので。だからそんなに気にしていないですし、海外修行をしてきた経験が活きればというところです。それに……環境としては、実はあんまり知り合いなどがいない状況のほうがやりやすいんじゃないかと思っています。何と言うか、(知っている人に)見られていることが試合に限らず練習の時でもちょっと嫌なんです(笑)」

──それは……、たとえば昨年のPANCRASEフライ級タイトルマッチの日は、たくさんの応援団が駆けつけてくれたことの喜びを語っていましたけれど、そういう感情とはまた別なのでしょうか?

「そういうのが一番緊張します! 逆に。友達の顔見ただけでもう泣きそうになっちゃたりして。まあこれは緊張とは違うのかもしれないけど、なんか……高まるというのかな。観戦するチケット代だって安くないですし、しかも去年のタイトルマッチはクリスマスだったので、そんな日にみんながわざわざ来てくれたことに感極まってしまって……。“だからこそ負けられない”という気持ちになりました。今回はそんなふうに感情が昂ることがないことで、やりやすいかもしれないな、と」

──自分自身の戦いに集中して専念できるということですね。

「はい! 思う存分、暴れてやろうかなって思っています!」

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