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【Bellator】パッチー・ミックスが72秒KOでバンタム級GP優勝&暫定王者に! 女子フライ級マクファーレンが渡辺華奈にスプリット判定勝ち、菊入正行が失神KO勝ちで「日本人ナメんな!」、肩脱臼から復帰ピコがレスリング勝利、イナバ・スミコがオルティアガ破る

2023/04/23 08:04

渡辺華奈が再三投げるも、打撃当てたホームのマクファーレンがスプリット判定勝ち

▼女子フライ級 5分3R
〇イリマレイ・マクファーレン(米国)13勝2敗
[判定2-1] ※29-28×2, 28-29

×渡辺華奈(日本)11勝2敗1分

 また、女子フライ級の地元マクファーレンはMMA12勝2敗。2017年11月にエミリー・ダコートを腕ひしぎ三角固めに極めて同級初代王座を獲得すると、アレハンドラ・ララ、ヴァレリー・レターノー、ヴィータ・アルテアガ、ケイト・ジャクソンを相手に4度の王座防衛。

 2020年12月にジュリアナ・ヴェラスケスに判定負けを喫し王座から陥落した。2022年4月にはジャスティン・キッシュにも判定負けで連敗も、2022年8月にブルーナ・エレンにスプリット判定勝ちで再起を遂げている。

 対する渡辺はMMA11勝1敗1分け。2019年12月のBellator日本大会でイララ・ジョアニに3R TKO勝ち後、2021年4月にアレハンドラ・ララにスプリット判定勝ちで2連勝。

 しかし、2021年6月に現王者のリズ・カムーシュに1R TKO負けでキャリア12戦目で初黒星。眼窩底骨折の手術を経て、2022年5月にデニス・キールホルツ戦で復活。2R 三角絞めを極めて再起を果たした。昨年夏にはハワイでアンジェラ・リーと合宿も行っている。

 ランキングでは渡辺が上位の2位でマクファーレンが3位。柔道ベースの投げと寝技の強さが際立つ渡辺に対し、マクファーレンもハワイ州高校レスリング王者からサンディエゴの10thプラネット柔術ベースの寝技を誇り、掌底有りのコンバット柔術仕込みのパウンドも武器にする。その分、寝技での時間は渡辺にとっても勝機があるともいえる。

 マクファーレンは元王者として打撃にも進化を見せており、そのオーソの打撃に対し、キーホルツ戦で見せたサウスポー構えが組みにも奏功した渡辺にとっては、やはり打撃で遅れを取りたくない。

 ガードからの仕掛けも得意とするマクファーレンに対し、そこは渡辺も得意とするところだが、サイドを奪う投げからトップを取るのが勝利への道筋か。

 勝って前日にベネットに逆転の一本勝ちを決めた王者カモーシェへの挑戦を決めたい渡辺は、アウェーでの大一番に向け、「4.22 in Hawaii The time is now! That's all! 時は来た!! 相手は元チャンピオン。ベストを尽くして勝ちます! さぁ、行こうか」と意気込んでいる。

 柔道衣で入場の渡辺。花道で「行くぞ!」と叫び、ケージイン。マットで前転を見せる。12歳で虐待に遭ったマクファーレンはMMIW活動のビデオをバックに、ハワイ先住民のダンスをバックに入場。マット上でステップして回り、渡辺と拳を合わせる。

 コールにブーイングを受けた渡辺は「来い」と強気を見せる。マクファーレンはコールに両手を合わせる。

 1R、サウスポー構えから入る渡辺。オーソのマクファーレンは右のダブルから入る。右インローも。右手前の渡辺に左ジャブを当てるマクファーレン。それをかいくぐった渡辺は上組みで奥襟を取って押し込み、脇を潜り、スタンドバックに。

 右足をかけようとする渡辺は背中に乗ろうとするが、引手を取って払い腰テイクダウン! そのままバックにつこうとするが、落としたマクファーレン。シングルレッグの渡辺にキムラを狙う。

 腕を抜いた渡辺。前重心の顔にワンツーはマクファーレン。渡辺は右目周りをカット。右ストレートを突くマクファーレン。出血が多くなる。

 右前手を突く渡辺。ダブルレッグテイクダウン! パスガードからマクファーレンの立ち際にバックにつくと後ろ三角狙いから腕十字に行くもゴング。

 2R、前に出る渡辺は距離を詰めて組みに。マクファーレンは右ストレートを突く。シングルレッグの渡辺に、片足立ちで金網背にするマクファーレン。小手に巻くと、渡辺は正対から足払い!

 すぐに立つマクファーレンをまたも崩した渡辺に、マクファーレンは下からキムラ狙い。そこをまたいでカウンターの腕十字狙いの渡辺。下のマクファーレンはセンタク挟み狙いも頭を抜く渡辺はサイドから左で枕に、右で細かいパウンド。

 ケージを蹴って亀になって立つマクファーレンにすぐについて大内刈テイクダウンは渡辺! インサイドガードには入るが、上からパウンドを狙う。クローズドガードのマクファーレンに左で押して右でパウンドを打ち込む。下からヒジを突くマクファーレン。渡辺は残り10秒で鉄槌も手数が欲しい。

 3R、グローブタッチ。詰める渡辺は金網に詰めると右で差して足払い。残すマクファーレンにそこで小手巻く渡辺は内股! しかし左で差すマクファーレンは立ち上がるが、なおも小手に巻く渡辺は内股でマクファーレンを投げて回す。

 背中をつかせる渡辺! サイドから亀になって立つマクファーレンにスタンドバックにつく渡辺は左足をかけるが、マクファーレンも正対。

 左で差すマクファーレンは離れるも、そこにシングルレッグは渡辺。片足立ちのマクファーレンは左で小手巻き。右で差す渡辺は左で細かいパンチ。一転ダブルレッグにトライする。

 凌ぐマクファーレンはヒジを突くが組む渡辺が押し込みゴング。組みの渡辺は2、3Rを投げて削って取ったか。1Rに出血させ、3Rに投げられながらも際の打撃はマクファーレンにも。ストッツ戦のサバテーロのコントロールが評価されなかった試合からも投げての打撃がどこまで有効打があったか。

 判定は2-1(29-28×2, 28-29)でホームのマクファーレンが勝利。勝者はコールに小さく首を横に振り、渡辺の右手を掴んであげた。

 試合後、マクファーレンは「カナを尊敬する。アメイジング・グラップラーだった。どちらが勝ってもおかしくなかった。テイクダウンされて組みではカナが上だったけど、右のダメージがよりポイントになったと思っている。コーナーたちが適切に右が空いていると言ってくれたから当てられた。ブギー・マルティネス、PJバーチらに感謝したい。(ケージサイドで観戦したカモーシェに)愛している。いずれ王座を争うことになる。12月にハワイで彼女と戦いたい」と、語った。

 また、試合後の会見では、「1Rを取って2Rは取られていると思っていた。ストライカーは怖いけど、ワタナベには投げがあるからケージ際でアンダーフックも出来ないほどスペースを潰され投げられた。この展開だと判定で勝てないと思って3Rに行った。トップキープするだけでは勝負は決まらない。有効打も自分の方が多かった」と接戦を振り返っている。

渡辺華奈、いざハワイ決戦。レスリング出身マクファーレンの「上を行くようなレスリング力と柔道の力を磨いてきた」

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