キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】ぱんちゃん璃奈がチンロンのガッツに苦戦も判定勝ち、中島弘貴が復活のKO勝ち、大谷翔司が鮮やかKO、10年ぶり復帰のTaCaが熱戦で勝利もぎ取る

2023/04/22 19:04
【KNOCK OUT】ぱんちゃん璃奈がチンロンのガッツに苦戦も判定勝ち、中島弘貴が復活のKO勝ち、大谷翔司が鮮やかKO、10年ぶり復帰のTaCaが熱戦で勝利もぎ取る

撮影/安村発

KNOCK OUT 2023 vol.1
2023年4月22日(土)東京・後楽園ホール

▼第9試合 KNOCK OUT-BLACK女子 -49.5kg契約 3分3R延長1R
○ぱんちゃん璃奈(フリー/元KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級&アトム級王者)
判定2-0 ※30-29、29-29、30-28
×ワン・チンロン(台湾/TKBA)


 ぱんちゃんはアマチュアで優勝経験を積み、2019年2月にプロデビュー。パク・シウ、ペットチョンプーらを相手に無敗の快進撃を続け、2020年8月にシュートボクシングのトップ選手であるMISAKIを破ってREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)に就いた。


 2021年5月、二冠王のMIREYを右ストレート一発でマットに沈めると、この試合がバラエティー番組『ノブナカなんなん』で地上波放映され反響を呼ぶ。7月には最強の敵と目されたミネルヴァ・ライトフライ級王者sasoriをも退け、9月にはRIZIN初出場で百花に判定勝ち。2022年3月には喜多村美紀に圧勝してデビュー以来無敗の13連勝(2KO)をマークしたが、練習中に前十字靭帯を断裂して長期欠場。


 復帰を目指している中、那須川天心と武尊の限定サイン入りポスターを偽造して、インターネットオークションで落札者から9万9900円をだまし取ったとして、2022年12月5日に兵庫県警垂水署により詐欺の容疑で逮捕されたが、2023年3月にタイトルを返上してエキシビションマッチでリングに復帰。“土木ネキ”こと坂本瑠華と攻撃はパンチのみのルールで対戦した。3月10日には事件に関して不起訴処分(起訴猶予)になった。今回は1年3カ月ぶりのキックボクシング復帰戦。


 チンロンは22歳で身長は167cmと165cmのぱんちゃんよりも長身。2018年10月にKrushに初来日(当時の名称はワン・ジンロン)し、壽美に判定負け。2019年にはONE Championshipにも参戦している。戦績は13勝(1KO)6敗。キックボクシングの試合は2021年秋以来となるが、2022年11月にプロボクシングの試合をして勝利を収めているという。入場時には花道とリング上でダンスを披露した。


 1Rが始まる前に、中継トラブルがあり復旧をリングの上で待つ2人。


 試合開始。スーパーマンパンチを放つチンロンにぱんちゃんも足を止めて打ち合う。両者の左右ストレートが交錯。ぱんちゃんは右ローを蹴って離れ、前蹴り。どっしりと構え、ジャブから右ローを蹴るぱんちゃん。チンロンはバックハンドブローを見せるがぱんちゃんはかわして右ロー。踊るように入って来るチンロンには右ストレート。


 右ローを蹴るぱんちゃんはジャブを突いて右ストレートを打つが、チンロンはすかさず右を打ち返してくる。それを被弾するぱんちゃん。前に出てくるチンロンにジャブから右ストレートを連続してヒットさせるぱんちゃん。チンロンは一瞬棒立ちとなるが、強気に右を打ち返す。


 2R、ぱんちゃんはワンツーから前蹴り。ワンツーで入って来るチンロンに右を叩き込み、首相撲に捕まえてのヒザ蹴り。チンロンは強気にパンチを繰り出し、ぱんちゃんもジャブ、右ストレートで迎え撃つ。ぱんちゃんは右ローからの右ストレート。ぱんちゃんは下がってチンロンを誘い、カウンターの右を狙うがチンロンは怯まず打ち合いに来る。チンロンの右ストレートをもらうぱんちゃんだが、前へ出てすぐに打ち返す。チンロンの前蹴りがぱんちゃんの顔面をかすめる。


 3R、ワンツーの打ち合いでぱんちゃんの右がヒット。それでもチンロンは怯まず前へ出てくる。ぱんちゃんの右ローに右ストレートを合わせるチンロン。右ストレート、前蹴りをもらうぱんちゃん。チンロンはミドルを空振りするとバックハンドブローにつなぐ。ジャンプしてフェイントをかけるチンロンにぱんちゃんは戸惑いを見せる。


 チンロンの右ストレートには右フックのぱんちゃん。疲れが見えるチンロンにぱんちゃんは前蹴り、スーパーマンパンチには右のカウンター。前へ出てジャブを突くぱんちゃんだが、チンロンも必死の抵抗で勝敗は判定へ。


 判定は2-0でぱんちゃんが勝利。苦しい試合となったが、勝利を得た。

 ぱんちゃんはマイクを持つと「皆様、本当にご心配をおかけしました。そしてご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。今日こうやってリングに立てることは身内だけじゃなくて、ジムの人、選手とトレーナーさん、スポンサー様、そしてファンの方がいなかったら絶対にここには立てていなかったので関係者の皆さま、そしてぱんちゃん璃奈を応援してくださっている皆さま、KNOCK OUTを応援してくださっている皆さま本当にありがとうございます」と何度も頭を下げる。


 続けて「今日の試合を見てもらったら分かると思うんですけれど、ワン・チンロン選手めちゃめちゃ強かったですし、私はまだまだただの凡人です。それでリングに立ったことが分かったかなと思います。凡人であったことが今回分かったと思います。何を言ってるんだろう…自分は才能があったわけじゃなくて、ただの凡人がキックボクシングを始めてこうやってリングに立っているだけなので、まだまだ先は長いんですけれど絶対世界の舞台に皆さんを連れていきたいと思っているので、これからも見守ってくだされた嬉しいです」とまくしたてるような早口で一気に想いを語った。

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