(C)RIZIN FF, jarchmma, GONG Kakutogi
大晦日の試合10日前から来日し、Bellator代表としてRIZINとの対抗戦に出場したフアン・アーチュレッタ(米国)が1月22日、米国に帰国。約1カ月間の日本滞在を本誌に語った。
東京のKRAZY BEEを拠点に試合前の調整を行い、大晦日にキム・スーチョルと大熱戦の末に判定勝ち。年明けは、東京、日光、奈良、大阪などで日本の文化に触れ、各地のファイターやファンと交流した。
東京では祭りで屋台を引き、両国国技館で大相撲を初観戦。「これはすごいスポーツだ!」と感動したアーチュレッタは、日本食では、大会前の減量中は、有機食材を使用した青梅の野菜を食し、試合後は、雑煮やたこ焼き、鶏刺しや馬刺しにも挑戦。さらにはコンビニ菓子の“食レポ”でも多様な日本食に驚きのコメントを残している。
器用な箸使いも話題のアーチュレッタに、生観戦した相撲や、肌を合わせた日本人ファイターの印象、そして、今後の展望などについて、聞いた(special thanks to Hidetaka Fukui)。
ジムに入る時には、自分のエゴをドアで捨てて学ぶんだ
──大相撲を観戦されたとのこと。相撲は民族レスリングのひとつとも言えます。MMAファイターとしてどう感じましたか。
「レスリングと相撲はテイクダウンと圧力の操作に役立つ、2つの異なるスタイルだった。まわしを掴み、小さなサークルのなかで押し出す・投げるという特色はあるものの、その押し引きを重要視する操作性は、ヘビー級レスリングワークを彷彿とさせるようなもので、自分の身体操作性を次のレベルにする為にほんとうに勉強になったよ。とてもクールだった!」
──いつか相撲部屋でも稽古を体感したいですか? みな重量級ではありますが。
「もちろん! 相撲については、他の伝統的なレスリングと同じく、歴史と伝統に基づいたスタイルを変えないことで、由緒ある真正な秘儀であることを守っていることが素晴らしいと思うんだ。どのように動き回ったり、相手を操作するのか学びたいね! ケージワークのように、いかに立ち、組み合った時に重心をどこに持っていくか、どのように身体を動かしていくかなど、多くを学ぶことができるのではないかと思う。出稽古は、彼らはとても大きいので、きっと激しく叩きつけられるかと思うけど……是非ともやってみたいね!」
──東京と大阪で日本人ファイターと練習して感じたこと、印象に残った選手や動きがあれば教えてください。
「KRAZY BEE、NEVER QUIT、CAVE、大阪のジム……様々なジムで練習をさせてもらったよ。知識や技術ある選手たちばかりで、とても素晴らしい経験ができた。皆と練習できたことは最高だった。勝敗を気にしたり恐れずに、相手の能力や実力など、どれくらいできるかを感じられる機会を持てることは素晴らしいことだ。
ジムに入る時には、自分のエゴをドアで捨て、技術や知識や体力など、どれくらいできるか、すべて出し切ることで、その瞬間にたくさんのことを学べる。
日本の選手の印象としては、手合わせした選手のみで判断するならば、東京の選手達はよりグラップリングに長けていると感じた。大阪の選手の中にもグラップリングが良かった選手が数人いたけど、どちらかと言うと打撃の良さが目立っていると感じたね。
東京の選手達は全体的にできる印象で、特にグラウンドでのグラップリングに関してはとてもレベルが高かったと感じた。とは言え、練習毎に違うテーマを持って練習をしたのと、東京と大阪のすべての選手達と手合わせした訳ではないので、判断が難しいところだけれど」