MMA
インタビュー

【NEXUS】フェザー級戦線、異状あり──山本空良はなぜ敗れたか、柔術黒帯の横山武司はMMA4戦目でいかに戴冠したか「家族のなかで僕が獲るしかないと思っていた」

2022/11/09 17:11

最終回、パスガード&腕十字の横山。山本陣営は「異議申立て」

 2R、間合いを取る山本に対し、横山は右の関節蹴り。山本はオーソから左ローを突く。中央を取るのは横山。掴まれても困らない横山はゆっくりと後ろ回し蹴りで牽制する。左前蹴りはさばく山本が右ストレート、はたく横山が左ミドルハイも、山本もかわす。

 横山の左前蹴り、左ミドルにケージを背にした山本。ミドルを打ってすぐに胴に組み付いた横山。山本はそこに右ヒジも空振りで懐に入られたため、ギロチンから引き込むが、すぐに首を抜く横山。山本はハーフから左ヒザを横山の胸の前に置くと下から鉄槌。

 右で脇差し、背中を着かせる横山に、左腕を下に戻して煽って、左ヒザを上体を横山の胸につけてニーシールドでスペースを作った山本は、横山の右足を手繰ろうとしながら、空いた左手で鉄槌。さらに左ヒザも細かく横山の胸を叩く。

 左足を畳んで座る横山に、下から鉄槌の山本。その腕を掴んで、離し際に左のパウンドを落とす横山。しかし山本はさらに左ヒジを頭部に! 横山は再び出血。「嫌がったぞ」の山本喧一代表の声に、下から左の鉄槌を5発打つ山本。もらった横山はガードし、密着し、右で脇差しパス狙い。

 左足で超えるが、半身の山本は左足はまだ股の間に差し込んで、なおも下から鉄槌。腰を切りフルガードに戻すと、下からヒジを3発頭に突くと、いったん腹に頭を置いた横山も立ち上がり。下の山本は立ち上がりにいかず、ハーフに足をからめて、右腕で横山の左足を潜りから担いで前方に送り出そうとする。

 身体を戻して上をキープし続ける横山は、左ヒザはパス。左手で脇差し、右手で山本の左足を後方に押してパスガード! マウントの瞬間に背中を譲って亀から中腰になる山本だが両足を巻いた横山は得意のバックに!

 腰をずらしながら「マウントで逃げろ」の声に背中は譲らず仰向けになる山本。残り1分半。腰の上ではなく、ハイマウントの横山は両脇を開けさせて、ブリッジからシザーズを試みる山本の足をかわしてヒジ。さらに右手で山本の左腕をすくうと、左足を頭にかけて、さらに右足もかけて腕十字へ!

 半身になりヒジを極めさせずに抜く山本が座ると、なおも手首は掴んでいる横山は下から三角絞め狙いに移行。ここも、座って上体を後方に抜いていてヒザ裏で組ませない山本。横山は背中を見せて回り正対し、バックを狙おうとした山本を寝かせるが、山本も下から打撃を連打。

 ハーフから外掛け、カーフスライサー気味に組んでからヒールフック狙いの山本に、回転して正対する横山。しかし右足はつかんだままの山本はヒザ十字狙い。しかし密着して足を畳んだ横山がレッグドラッグのように潰してパスして5発パウンドを入れてゴング。

 座って左手を挙げた横山は頭から出血。山本は握手を求めてから立ち上がり右手を挙げた。

 全2Rの判定は、20-18、19-18、19-19の2-0のマジョリティ判定で、延長には行かず、横山が勝利。

 山本のヒジを受けながらも後半のポジションとニアフィニッシュで上回った横山が接戦を勝利。ベルトを肩にケージ中央に座った横山は「僕、4歳から空手やってて、父親はプロレス好きでベルトが欲しいと言っていて、柔術はメダルばかりで、これが3試合連続一本勝ちです。年内に結婚するんで支えてもらうばかりじゃなくて、支えられるようになりたいです」と語った。

 なお、試合後、山本陣営は、「今回の判定は納得しておりません。20:18 19:18 を付けた理由が知りたいので異議申立てをさせて頂きました。これはタイトルマッチです。今回だけは言わせて貰います」「1Rのカットがダメージによるものか、偶然なのかは審議されるべきだと思う18-20なのです」と記している。

 NEXUSの判定基準はダメージ、アグレッシブ、エリアコントロールの順番。勝者・横山は足関節で主導権を握り、ポジショニングで上回り、2Rには腕十字にニアフィニッシュの場面を作った。敗者・山本もポジションを許しながらも、横山の土俵で応戦。最後の腕十字以外はセットさせず、下からの鉄槌、ヒジで出血させ、ダメージを負わせている。

 ジャッジペーパーは現在確認中で、1Rに横山を出血させた山本のエルボーをどうとらえるかが、審議の対象となるだろう。

◆ジャッジ3者の採点
1R 山本10-9横山 2R 山本8-10横山(18-19)
1R 山本10-9横山 2R 山本9-10横山(19-19)
1R 山本9-10横山 2R 山本9-10横山(18-20)

 ちなみに今大会は後楽園ホールの使用時間の制限もあり、一方的な攻勢には、10-8も積極的につけられる取り決めが事前に行われており、それは出場選手にも伝えられていたという。

 第9試合のフェザー級戦では、河名マストvs.寿希也が、本戦判定1-1(20-18, 18-20, 19-19)と三者三様のドローで延長戦突入の流れだったが、寿希也のドクターストップで「2R終了時 TKO勝ち」で河名が勝利している。ジャッジ2者の評価が2P食い違っており、評価基準をどう考えるか。

 いずれにしても、山本vs.横山のメインのタイトルマッチは3R戦で観たいレベルの内容だったことは間違いない。試合後の横山との一問一答は以下の通りだ。

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